チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

またまたブランコ祭り

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またまたブランコ祭り

■民族衣装
アカ族最大の祭り、ブランコ祭りの季節がやってきた。タイ北部には12の少数山岳民族が住んでいるといわれる。中でもアカ族はそのエキゾチックな民族衣装でよく知られている。山岳民族紹介の本の表紙やパンフレットには必ずアカ娘のスナップが使用される。

アカ族の女性は常に民族衣装を着用し、銀製品で飾られた兜は寝るときも外しません、外すと悪魔が頭の中に忍び込んでくると信じているからです、などと書いたネット記事があるが、今時のアカ女性で普段、民族衣装を着ている人はほとんどいない。日本の着物のように冠婚葬祭等、改まった時に着る「ハレの日の衣装」となっている。ただし、3年前、豪州人アランとラオスのアカ族を訪ねる旅をした時に出逢ったアカ女性の多くは民族衣装を着ていた。十数年前、初めてアカの村、パナセリに行ったときは年配の女性で民族衣装を着用している人がいたが最近は見かけない。生活水準が上がるにつれて、Tシャツ、ズボンのタイスタイルに変わってきたのだろう。

ともあれ、アカの民族衣装は絵になる。何の変哲もないネーチャンが、刺繍の長袖上着、黒のミニスカート、脚絆、それに銀の兜をかぶると、たちまち清楚なアカ娘に変身する。日本でも浴衣や振り袖姿の娘さんは美人に見える。馬子にも衣裳は東西変わらないということか。

■サマーキー・カオ村
例年の如く、アカ協会の代表、アトゥ氏にブランコ祭りのスケジュールを問い合わせる。今年は8月23日から9月12日までが祭り期間だそうだ。村ごとに祭りは行われると思うが、アトゥさんがお勧めを数か所紹介してくれた。村に行ってみたら観光客は我々だけ、他にバンコクのテレビクルーが来ていて、祭りの取材をしていた、ということが過去2,3度あったが、今年はテレビはどこの村にも来ないようだ。

8月の末、メーファールアンの王母様の庭園から1時間ほど山奥にあるサマーキー・カオという村へ出かけた。起伏はきついが国境に近いので、道路は軍事的理由により整備されている。村に着いてみると、広場には生木4本を組み合わせたブランコができていて、子供たちがかわるがわる乗って遊んでいる。数人の男が荒物屋の店先でラープを肴にビールや焼酎を飲んでいた。お目当ての民族衣装の可愛い子はどこにもいない。午後2時くらいだったが、外部の人間は自分と友人の2人だけ。缶コーヒーを飲みながら村人に聞く。この村は90戸、人口は4,5百人、え、お祭り、そりゃ夜にならないと。何年も前に行ったセンジャイパタナ村、ホエイモ村の祭りを思い出した。確かに祭りのクライマックスは夜だった。かがり火の下で、女性が竹筒で地面に打ち、哀調を帯びた歌を歌いながら踊る。男は女性の歌に合の手を入れる。大昔、日本で行われていた歌垣と同じく若い男女が出会う機会だったという。伝統と詩情が感じられる祭りだった。

サマーキー・カオ村も他のアカ村と同じく、若い人はあまりいなかった。勉学あるいは仕事で街で暮らしている。村を散策すると年配の女性が民族衣装を干したり、刺繍の繕いをしている様子が見えた。夕暮れに出動か。村人は酒や餅を勧めてくれた。祭りを見るためにこの村に泊まりたいんですが、と言えば誰かが泊めてくれたと思うが、そこまでして、という気もあって滞在1時間足らずで山を下りた。

■サムヤエク村
昨年と同じ場所で2日にわたって祭りがある。北タイ各地、多分ミャンマーからもアカ族が参集する。豊穣を祈るブランコ祭りというより、かなり俗化されており、アカ村対抗芸能大会みたいなものだが、民族衣装のアカ娘をこれだけ多く目にする機会は滅多にない。
土産物、食べ物の屋台をかき分けて会場へ。ウロアカ、ロミアカを中心に美しいアカ女性で広場は一杯。最近はSNSで情報が飛び交っているのか、外人やプロと思しき写真家が多い。彼らの注文に応じて娘さんがポーズをとる。自分は写真を撮るのが下手である。でも今回プロが撮っている横、あるいは後ろでシャッターを切れば、そこそこの写真が撮れることがわかった。

昨年と明らかに違うことの一つは、アカ女性が子供から大人まできれいにお化粧していることだった。前はほとんどがすっぴん、野性味があってよかったのだが。化粧しているアカ男性に吃驚したが「彼はガトゥーイ(LGBT)なんよ」と現地情報に詳しい人が教えてくれた。
歌や踊りは始まったが、肝心のブランコの縄は高いところに縛りつけられたまま。大会開催費用を負担した偉い人の来場を待ってブランコを動かすのだろうとまた情報通が教えてくれた。




写真はサマーキー・カオ村と餅、下3枚はサムヤエク村で写したきれいどころ とんがった兜はウロアカ、丸い兜はロミアカの女の子