チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ウズベクの銀行

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ウズベクの銀行

帰国準備でまずやらなければいけないことはウズベクでの銀行口座の閉鎖だ。JICAが入っているビジネスセンタービルの隣にあるNBU(ナショナル・バンク・オブ・ウズベキスタン)本店(画像)に行く。ここの口座に3ヶ月に1回、JICAから住居費、手当てなどが振り込まれる。お金を下ろすことはそれ程簡単ではない。まず、警官がゲートを固めている。始めはそこでも身分証明書を提示していたが、その後黙って通っても問題ないことが分かった。次にビル入り口でパスポートまたは身分証明書を2,3人の警官と受付のおばさんに見せる。おばさんはノートにパスポート番号や氏名を書き写している。何のためにそういうことをしているのか分からない。

時にはこの入り口まで銀行の担当者が迎えに来てくれることもあるが、通常は回転式バーを開けてもらって銀行内部に入る。入って左手に広いフロアがあり、4,5名の担当者がそれぞれ大きな机の前に座っている。その中の一人にいき、通帳と身分証明書を出して、必要金額を告げる。担当者(きれいな女性が多い)はパソコンを操作して、預金額を確かめる。そして何枚かの書類を手書きで作る。通帳にも手書きでバランスを書き入れる。これで15分くらいかかる。担当者の用意した紙にサインをし、その紙を持って2階の出納窓口に行って、別の人から必要外貨を貰う仕組みだ。手数料は1000ドル引き出すごとに6ドル、1000ドル以下でも最低手数料の6ドル取られる。

銀行に到着して現金を手にするまで30分見ておかなければならない。それでも現金が手に入ればいい。時には、今日はドルがないから明日来て、と言われる。日本だったら取り付け騒ぎが起こるところだ。現金がないといわれてもあきらめずに粘ると、ドル紙幣が出てくることもある。こういうところは融通無碍というべきか。

銀行口座の閉鎖は帰国1月前に、と言われていた。どんなトラブルがあるかもしれないからだ。2月の28日にその手続きに行ってみたら、今日は月末でドルがないので口座の閉鎖も日本への送金もできません、という。送金に現金がいるということはないと思うし、今年はうるう年だから今日は月末でもないじゃん、と言っても来週3月3日に来て下さい、の一点張り。

この場合、ある程度ウズベク経験がある人だと、この女性は「私は口座の閉鎖の事務手続きが分かりません。来週はわかる人が来るのでその人にやってもらって下さい」と言いたいのだな、と理解する。

はたして月曜にはその机にベテランの男性が座っていて、スムーズに手続きをしてくれた。あっけないくらいである。それ程多い金額ではないが、日本にある自分の口座にも振り込んでくれた。明日送金されます、というが信用できない。

本当は信用間違いない現金で持ち出したいのだが、この国では入国した時に持ち込み外貨を申告することになっている。出国時にはその申告金額以上の外貨を持ち出せないのだ。例えば任国外旅行をして再入国する時はそれ程多額のドルを持っているはずはない。でも入国時申告額以上のドルを持ち出すと外貨法違反で捕まり、飛行機に乗れないばかりか、裁判で外貨没収、さらに罰金という最悪のケースも考えられる。おかしいけれど法律は法律だ。

一度、任国外旅行で出国したとき、別室に連れ込まれ、荷物から靴下まで徹底的に身体検査をされたことがある。入国時、持ち込み外貨を300ドルと申告した旅行者が、出国時に3000ドル持っていることが判明し、没収されたいうケースがあった。

さて、送金したお金は10日を経過しても日本の口座に入っていなかった。自分の送金よりも前に、タシケントのJICA事務所が「帰国手当て」を送金していたが、それも入金していなかった。

2年もこの国に住んでいると、物事がスムースに進むことは大変恵まれた幸福なことであって、この未入金というケースはまさに想定内のことである。それにしても日本に戻って、気がついて、またウズベクに取り立てに来るには、費用対効果を考えるとギリギリの線だな、そこまでテキも読んでいるのか、などと邪推したものだ。結果としてはJICA担当者の多大な助力により、ウズベクから日本には確かに送金されていることが確認でき、日本の銀行の手続き上の問題であることが判明した。帰国後、身分証明書を持って窓口に行けば丸く収まるらしい。

急に円高になっており、ドルを円転するとき目減りするかもしれないが、そんなことはどうでもいいような気がするのは、やはりウズベク生活に慣れてしまったせいであろうか。