チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ発の海外旅行 11(結婚披露宴、帰国)

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チェンライ発の海外旅行 11(結婚披露宴、帰国)

披露宴はアフロシブ・ホテルのレストランを借り切って、16時半から22時頃まで続いた。新郎側の親戚、友人が10名ほどで、残りの200名以上が新婦側関係者だ。披露宴にはプロの撮影グループが、昨日の結婚式から付きっきりでビデオをまわしている。この日は10メートルはあるクレーンの先にビデオカメラを設置して、司会、楽団、それから会場全体を撮影している。他にも2,3のクルーが会場内を撮影して回る。食事をしていると突然ライトがあたって、撮影されている。あとでMさん夫婦が、ビデオを見るとしたら1日がかりの作業になるのではないだろうか。どう編集されるのか気になるところだ。

披露宴は大音量の音楽とダンスに始まる。パルバンというウズ独特の太鼓の軽やかな音に誘われて、老いも若きも、ウズベク人も日本人も踊る。踊り方はサマルカンド風というがこちらは区別がつかない。また越中おわら節や阿波踊りと同じく、男踊りと女踊りがあるのだが、とにかく楽しく手足と腰を音楽に合わせて踊ればいいらしい。見るとひな壇の日本人席はがら空きになって全員踊りに参加していた。こんな楽しい披露宴は初めて、と口々に言う。踊りは人の心を一つにする。

披露宴がお開きになり、日本から来られたFご夫妻とホテルのバーでしばらく歓談、ホテルを出たのは10時半くらいだったろうか。自分のいるB&Bまで歩いて帰ることにした。千鳥足というわけではないが、やはり酔っていたらしい。突然、火薬の臭いを嗅いだような気がしたと思ったら、左顔面を強打して道路に倒れている自分を発見した。サマルカンド国際音楽祭に出席するカリモフ大統領を迎えるためにあちこちで道路工事が行なわれている。その工事中の穴に転げ落ちたのだ。足の骨は大丈夫、手も動く。額に当てたハンケチが赤く染まったがそれ程の出血ではない。パタパタとほこりを払って、今度はしっかり足もとを見ながら宿に戻った。

朝になって鏡を見てビックリ、左眉の上はコブで腫れあがり、黒く血がこびりついている。鼻全体と唇上部は擦過傷で真っ赤だ。これではまるでお岩さんだ。結婚式の想い出は胸に、顔にはサマルカンドの大地の想い出がしっかりと刻み込まれてしまった。B&Bのオヤジさんからホテルで待ち合わせた皆さんにまで、その顔どーしたの?と聞かれる。Fご夫妻が、メンソレータムより効くでしょう、と南米の聖樹からつくられた「コパイバ」という油を塗って下さった。(その上、その貴重な聖油を分けて頂き、お陰様で傷は1週間ほどで跡形も無くなった)

その日はサマルカンドからタシケントまでミニバス移動。タシケントで結婚式参列の皆さんと別れた。JICAに俯き加減の顔を出し、ウズベク最後の夜を市内のレストランでJICA関係者と楽しく過ごした。

空港では出国手続きの前に税関検査があった。係官がこちらの顔を見てどうした、と聞くので「お国の道路事情でね」と、ほろ酔い加減で答えた。これでかなり心証を悪くしたらしい。係官は外貨申告票を書き直させた上に、自分を税関横の個室へ連れて行った。部屋にはカーキ色の制服を着た係官が三人いて二人に脇を固められる。机の前に座った男が、自分のウエストポーチを乱暴に開け、中身をすべて机の上に投げ出す。ジーンズ、シャツのポケットにも手を突っ込む。ウズベクでは外貨の持ち出しに神経を尖らしている。申告した持ち出し外貨(500ドル)が多いと思われたのだろうか。ひったくるように取り上げたドル札を数えてそれを机の上に並べる。470ドルあった。そしてジーンズのポケットから押収したバーツ紙幣を人の鼻の前に突き出し、どうしてバーツを申告しなかったと詰問する。まるで犯罪者扱いだ。バーツはドルに含まれている、と答えると舌打ちして、行け、とあごをしゃくった。

出国審査の後の手荷物検査では腕時計、ベルト、靴、靴下まで調べられた。空港待合室は薄暗く、トイレの屑篭は溢れている。ウズの水洗トイレは原則的にトイレットペーパーを流してはいけない。使用済みの紙は備え付けの屑篭に入れるのだ。

オードリー・ヘップバーングレゴリー・ペック主演の映画「ローマの休日」で、ラスト近く、ヘップバーン演ずるアン王女が各国記者団の質問を受ける場面がある。「これまで訪問された都市で何処がお気に入りですか」、「各国、各都市にはそれぞれ良きところがあり・・・・いえ、ローマ、ローマが一番です」。記者団がざわつき、お付の侍従が狼狽する。

自分もよく質問を受ける。タイとウズベク、チェンライとタシケントどっちがいい?・・・
「各国、各都市にはそれぞれ良きところがあり、人々は伝統に従って生活しているので、どちらがいいとは言いかねるのであります」と答えておきたい、と思います。
(この項、終わり)

画像は披露宴で記念撮影した美少女達。
下は傷で出来たコブ(少し引っ込んだところ)


ウズベクの結婚式:2007年11月のブログ(結婚式に出席)
http://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/37936899.html