チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ発の海外旅行 8(結婚式前夜)

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チェンライ発の海外旅行 8(結婚式前夜)

前日のチェンライーバンコク、12時間のバス旅行、実質5時間のバンコクタシケントの深夜航空便、そして当日タシケントサマルカンド、5時間のバス旅行といった強行軍で疲れていたのか、その日は夕食も食べずに寝入ってしまった。翌朝、明け方近く、アザーン(回教の朝のお祈りの呼びかけ)で目が覚めた。5時ごろ、ゲストハウスの鉄扉をそっと開けてレギスタン広場の方へ出かけた。

レギスタン広場(写真上)はサマルカンド一番の見所だ。左側にウルグベク・メドレセ(1420年に完成)、右側にシェルドル・メドレセ(1636年に完成)、そして中央がティラカリ・メドレセ(1660年に完成)。ただし、ソ連領になっていた百年の間にメドレセは荒廃してほとんど崩れていたのであるが、独立後、徹底的な修復が行なわれ、今では往時の面影を取り戻している。2年に1回、サマルカンド国際音楽祭という催し物が三方をイスラム寺院で囲まれたこの広場で開催される。今年は音楽祭の年に当たっており、広場は板敷きの舞台や観覧席が建設中だった。本来この広場に立ち入るには入場料がいるのであるが、早朝であるので、シェルドル・メドレセとティラカリ・メドレセの間の入り口を開けて入り込んだ。

遠くから警官が走ってやってきた。何処から来た?え、日本から、初めて?6回目?サマルカンドは世界1、うれしいね。アンタには特別にあのミナレット(塔)の上に登らせてあげよう、とウルグベク・メドレセのミナレットを指差す。あそこから見る朝日は最高なんだよな。ささ、5ドルか5千バーツ出しなさい。ガイドブックには警官のアルバイトとして必ず出てくるレギスタンのミナレット見物だ。昔は2ドルだったような気がする。一度上ったことがあるし、と断る。広場内を歩くのは無料のようなのでしばらく朝の散歩を楽しんだ。

一度、ゲストハウスに戻って朝食、その後、シアブ・バザール(写真下)へ。サマルカンド最大のバザールだ。夏であるので果物、野菜が豊富である。チェンライの市場だと売り手も買い手も女も男も、短パンにTシャツがほとんどで変化に乏しい。しかしここはサマルカンド、女性は皆、長いスカート、あるいはスカートとアトラス模様のズボンといったウズベクの民族衣装、男はトルコ帽に似たデュッペを被っている人も多い。白系ロシアからインド系、アジア系まで、様々な顔つき、体つきの人が行きかっている。さすがシルクロードの要衝、紀元前からの様々な民族の交流と興亡の歴史を思い起こさせる。

桑の実の生ジュースが売られていた。一杯500スム(25円)、甘く重量感のある味だ。3年前、ヒバに行った時、街の至る所にある桑の木から、桑の実を手のひら一杯ずつ取って食べていたら、おなかが一杯になって昼食が食べられなくなったことを思い出した。

午後、ウズ在留時、自分の通訳だったナフォサットが宿に来てくれた。Mさんが初めてウズベクに来たとき、一緒にカシュカダリアにあるナフォサット嬢の実家に泊めて貰った。Mさんはそのホームステイの楽しさが忘れられなかったらしい。そのことをガイドのグルシャンに写真を送るついでに伝えたところ、グルシャンから、それなら私のおばあさんの家に泊めてあげるから、と誘われ、ウズを再訪した。その後、結婚に漕ぎつけるまでMさんは数回、ウズを訪れることになるのだが、その間、グルシャンの親戚の間に立ってナフォサットがかなり二人を援護したらしい。もちろん結婚式には友人として招待されている。

夕方にMさんがやってきた。明日は結婚式なのにどうして?と思ったが、「ボクは役立たずで、することが無いのです」と言う。実は結婚式のご馳走の準備は、新郎が中心になって行うのがウズの風習らしい。その買い物は、肉であれば牛一頭分、米200キロといった単位である。その他、野菜や果物、お菓子など300人分ともなれば並大抵なことではない。しかし、Mさんは言葉もよく判らない外国人、ということで、新郎の重要な責務を免除された。新婦側の親戚の男衆が代役を務めてくれたらしい。日本、ウズベク両国で法的な入籍は済ませているものの、新婦の実家や親戚の家に泊まることは許されず、ホテルに一人ぽつんとしている、とのこと。

その夜はMさんと二人で夕食をとった。男同士でも楽しい食事というものはある。幾多の困難を乗り越えて、50歳にして初婚、24歳の才媛を娶る幸せな友を前にして、どうしてこちらの胸が弾まないということがあろうか。(まだ続く)

日本でレンタル可能なウズベキスタンの映画はこちらです。
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