チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

白人の横暴 4

イメージ 1

白人の横暴(その4)

アメリカの鏡 日本」 ヘレン・ミアーズ著には日本が生き残るために西欧列強と同じ途を辿り、その結果として西欧列強に叩き潰された経緯が書いてある。しかし帝国主義国家にならなければ日本は西欧の植民地にされていた。

植民地になるということはどういうことか。ビルマの例をあげよう。1886年にイギリスはビルマを植民地化するが、1885年、国民の求心力を奪うため、ビルマ国王夫妻と四人の王女をインド・ボンベイ近くのラトナギリに流刑にする。国王直筆の英国政府宛書簡(1911年5月付)に「せめて一家が食べていけるよう、年金を上げてもらえないだろうか」と書かれているそうで、生活費にも事欠く悲惨な生活を強いられていた。

 困窮と辱めに加え、英国側は王朝復活の望みを断つように王位継承権第一位にあった第一王女、パヤ(ファヤ)王女をイギリス人ではなく身分の低いインド人従者に下げ渡す。 王家の悲劇を調べたインドのヒンディアン・タイムズ紙1995年9月16日付けによると、王女は結婚させられた英印軍属には正妻がいることがわかり、愛人となる。肉親とも離れ、インドの最下層の社会の貧困の中で死に、その娘、つまり国王の孫娘ツツはビルマ語も忘れ、教育も資産もないまま、最貧困層のインド人の妻となり、六人の子供を抱え、街角で造花を売って生計を立てている。その顔立ちに王族らしい気品を備え、それが哀れだったと伝えているそうだ。それでも王族を全員皆殺しにされたインドのムガール帝国よりもまし、と言えるだろうか。

(韓国国王の地位を保証し、皇太子に皇族の梨本宮方子妃を嫁がせ、宮廷、政界の主だった人々を貴族に列した日本との違いを見よ)

1919年、第一次世界大戦後のパリ講和会議において、アメリカのウッドロー・ウィルソン大統領は、永続的な平和の礎として、国家の平等、権利の平等を主唱した。日本はかねてより主張する人種平等の原則をウィルソンのいう国際連盟で確立しようと意気込んだ。

「一切の外国人に対し、いかなる点についても均等公正の待遇を与え、人種あるいは国籍の如何により、法律上あるいは事実上何ら差別をもうけざること」の原案は欧米諸国の猛烈な抵抗にあって引っ込めざるを得なくなる。そして「人種平等」の直接的表現を改め、「国家平等の原則と国民の公正な処遇」を求めるという修正案を用意した。

当時、日米の懸案となっていた移民制限の問題とは切り離すとの事前説明も行い、この原則が入れられないことは連盟加盟国の平等が認められないことだと説いて回り、各国の支持を取り付けることに成功する。

日本の要求により投票が行われ、日本案は16票中11票の圧倒的賛成を得た。ところが議長席のウィルソンは、全会一致の賛成がなかったので採択されない、と宣言して参加者を唖然とさせた。それまでの表決は多数決で全会一致の規則は適用されていなかった。フランス代表団の抗議を無視してウィルソンは日本案の規約挿入を拒否したまま議事進行を急いだ。

ヒロシマナガサキの原爆のことは知っているだろう。日本の敗北がほとんど決まった時期に投下された。女、子供、老人をターゲットにした無差別大量殺戮爆撃だった。ハーグの戦時国際法に明らかに違反している。今の無差別テロに通じる蛮行だ。

空襲は日本の408都市町村に行われ、1945年3月10日の東京大空襲では1晩に10万人が死んだ。まず周辺部に焼夷弾を落とし、逃げ道を塞いで市中心部に向かって爆撃をする。非戦闘員の大量殺戮だ。原爆といい、空襲といい、人種差別意識なしでできることだろうか。ドイツがもう少し頑張ったとしても原爆が欧州で使われることはなかったという人もいる。あそこは白人の国だからだ。

昔、ソ連赤の広場を行進する兵士はほとんど金髪、白面のスラブ系ばかりであった。朝鮮系、イスラム系のソ連軍兵士はどこに行ったのか。ソ連国内でも有色人に対する人種差別はあったのだろう。つい先日、ノーベル賞受賞者ワトソン博士の人種差別発言が問題となったように今でも白人には強い人種差別意識がある。

戦後、再び日本は欧米を模範として追いつき追い越せの精神で繁栄を手に入れた。ここ150年、日本人への差別はずっと存在していた。しかし先人たちは決してそれに屈せず頑張った。3年半も外国の援助なしで米、英、蘭、豪、中と世界を相手に戦争をがんばったくらいだ。

ウズベクを差別する国や人はいるだろう。しかし自分が努力する人間であり続け、結果を残せば、差別を跳ね返すことができるだろう。モスレムの優位な時代は歴史上800年、白人優位の世界はここ最近の500年、イーブンになるには白人がえばる時代があと300年続くということかもしれないが、今を生きる君たちは自分を磨くことによって、差別、困難を乗り越えるしかない。日本人にできてウズベク人にできないということはない。

頑張ってください。(もっと続けたいが一応この項終わり)

画像はクイックルバザールから