チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

結婚式雑感

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結婚式雑感

こちらの女性は20歳までに半数が結婚するという。先日、披露宴に招いてくれたマシフラさんの23歳は晩婚と言ってもいい。披露宴に列席している法科大学の男子学生の一人は4年生になったら結婚します、と言っていた。大学在学中に結婚する学生は3割くらいという。

バンクカレッジは日本の高校にあたるが、来週は私の結婚式なのでしばらくお休みします、などという女子生徒が現われる。それよりも大きいお腹をした女子生徒が2,3人いて、学校の急な階段をフーフー言いながら上り下りしている。日本の高校でこんなことがあったら大問題だ。

看護隊員など女性隊員はウズベク人から「いくつ?え、どうして結婚しないの? よかったら僕と…」という質問に日夜悩まされている。結婚するのが当たり前で(それも二十歳前後で)、していないのは理解に苦しむことのようだ。

イスラム国家であるから女性の処女性は大変尊ばれている。昔は新婚カップルがしばし退席し、再び現われたときには新郎が処女であった証拠をご列席の皆様方にご披露するということもおこなわれていた。証拠が手に入らないときに備えて、寝室には小鳥のかごがある。必要な場合には可愛そうだが、小鳥の首がちょっと切られて・・・・という話だが、真偽のほどは分からない。

学生が、私の妻になる人は処女です。ケケケ、などというのを聞くと大変違和感を覚える。思わず、お前なあ、と説教したくなってしまう。

ウズベクの結婚式ではお色直し、即ち新婦(時に新郎も)一時退席にて衣装を変えて出てくる、ということは行われない。新婦は披露宴の間、ずっと純白のウェディングドレスのままだ。

日本のお色直しは綿帽子、白無垢の着物から、あでやかな赤い着物に着替えてくることが多い。これは何を意味しているか。それは民俗学的にはイスラムと同じく、処女であったこととそのしるしを象徴するものと言われる。日本で結婚披露宴にお呼ばれしたときなど、新婦がお色直しをして赤やピンクのドレスで再登場すると、雑学が豊富なばっかりに変な想像をしてしまう。これは雑学のせいではなく、我が低き品性のしからしむるところだろう。反省しなければならない。

それにしても新郎はともかく両家のご両親までついでに披露宴でお色直しをするということがあるが、あれはなんなのか?自分の想像の範囲を超える。

披露宴では職場、地域、親せきなど適当に固まってテーブルを囲む。いつ会食が始まると決まってはいないので、早く食べ始めているグループもある。新郎、新婦の入場の時には飲食をやめて拍手をするが、この他には義務はない。乾杯の音頭を取る人もいない。日本人から見るとしまりがないように見える。食べるものだけ食べるとそのまま帰ってしまう人もいる。特にウォッカを飲みすぎた老人は早めに退席していく。だらだら始まってだらだらと終わっていくのであるが、耳を劈くような民族音楽と全員参加の踊りがだらだら感を引き締める。踊りの上手な女性に観客からお札が渡される。5,6年前のウズベクレポートには100スム札を渡す、と書かれているがインフレ亢進の今では、ダンサーに100スム札を渡す人はいない。田舎では500スム札、一般には1000スム札を渡すのが常識だ。

自分も若くてきれいな女性にどんどんお札を渡してしまい、帰りのタクシー代がなくなりそうになった。踊り手はお札を一度は受け取るものの、受け取ったお札はすべて楽団員に渡すことに決まっている。珍妙な踊りがうけて何枚かのスム札を貰い、そのまま帰ったという日本人がいるがこれはルール違反。

ウズベクでは新婚カップルが新婚旅行に行くということはまずない。披露宴後、新郎の家に行く。その日から姑の下で家事一切をこなす。一般にはこれがずっと続く。おじいさん、おばあさんの世話、炊事、洗濯、掃除、子供が生まれたら育児一切。

財布の紐は姑が握っている。嫁さんの小遣いは姑に頭を下げてもらうか、亭主から少し分けてもらうか、である。亭主の許可がなければ、勤めや学業を続けることもできない。優秀な日本語教師であった現地女性が結婚後もしばらく勤めていたが、年寄りの世話のためにキャリアを捨てざるを得なかったという話も聞いた。

もし家に亭主の弟が同居していれば、弟が嫁さんを貰った時に兄夫婦は家を出ることが許されるが、そうでなければ一生家を守っていくことが女性の務めとなる。

家に縛り付けられた嫁さんの唯一の出世の道は、男の子を生んでいつか姑の地位に上ることだ。ウズベクこそ女の道は険しい。

結婚式の画像は11月4日の記事にも有ります。
http://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/37936899.html