チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

台湾で最も尊敬される日本人

 

 

 

 

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台北駅構内

 

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台北―台南 乗車券 738台湾ドル。3千円ほど

 

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自強号車内

 

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自強号ではないと思うが

 

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台南駅構内

 

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台南駅内

 

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23分発の電車で隆田へ



台湾で最も尊敬される日本人

 

■日本精神
台湾人が好んで用いる言葉に「日本精神(リップンチェンシン)」があります。これは日本統治時代に台湾人が学び、日本の敗戦により大陸から来た中国人が持ち合わせない精神として台湾人が自ら誇りとしたものです(「勇気」、「勤勉」、「自己犠牲」、「責任感」、「遵法」、「清潔」といった精神を表す)。私は八田こそこうした日本精神を代表する人物だったと考えています。以上は李登輝台湾総統の言葉である。

八田興一は台湾にダムと灌漑用水とを建設し、当時は洪水と旱魃を繰り返す不毛の土地であった嘉南平原を台湾一の穀倉地帯に変えた人物である。彼が手掛けた烏山頭ダム(1930年完成)は当時世界最大。八田は、このダムに加えて嘉南平原に蜘蛛の巣のように張り巡らされた約1万6千㎞に及ぶ灌漑用水路の建設を行った。1万6千キロと言えば万里の長城の6倍の長さである。嘉南平原に住む台湾農民60万は、八田が作った新しい水路から水が流れて来たとき、「神の水が来た」と涙を流したという。

工期は10年に及んだ。現場には作業員やその家族2,000人が住みついた。学校や病院、銭湯、テニスコートまで作られ、地元民からも感謝された。八田の子供達も台湾人の子供と一緒にこの学校に通った。工事現場は夜遅くまで皓々と灯りがともり、徹夜作業も当たり前であった。建設現場では人間関係が大事なことを知っていた八田はよく作業員の宿舎に上がり込んでは、彼らと花札に興じていたという。

工事開始から3年目の1923年、関東大震災が発生した。影響で予算が縮小され、職員、作業員の半数を解雇せざるを得なくなった。その時、八田は予想に反して日本人を先に解雇していったという。台湾人のためのダムだ、台湾人が働かなくてどうする。八田は肩書きや人種、民族の違いによって人を差別しなかった。十年の工事期間中に134人もの人が犠牲になった。烏山頭ダム完成後、殉工碑が建てられ、134人の名前が台湾人、日本人の区別なく刻まれた。八田興一は優れた技師であったと同時に、義を重んじ、誠をもって率先垂範、実践躬行する日本的精神の人であったがゆえに台湾の人々に尊敬され続けているのだ。

■ツアーはキャンセル
「認識台湾」という中学校の歴史教科書には八田興一が掲載されていた。そのせいか彼の名前は日本より台湾でよく知られている。
台南の烏山頭ダム一帯は公園となっており、八田興一の銅像や記念館があることはネットで知っていた。また2017年4月に公園内に設置されていた八田興一像の首が中台統一を目指す政治家によって切り落とされるという事件があった。日本でも報道されたので、八田興一について改めて知った人も多いのではないか。

10月に短期間ではあったが、台北-台南-高雄-金門島台北と回った。八田興一ゆかりの烏山頭ダムを訪れることも旅の目的の一つであった。自分より2カ月ほど前に台湾を訪れた友人が、台北から行く「台湾の古都、台南1日ツアー、烏山頭ダム、八田興一記念館等を巡る」を申し込んでいた。しかし、最少催行人数4名に満たなかったため、キャンセルになってしまったという。台北から出発するから人数が集まらないんだ、と思って台南出発、台南解散の同じツアーに申し込んでおいた。費用は1800台湾ドル、約7千円。ところがこれも4人集まらなかったのでキャンセルになった。烏山頭ダムはそんなに人気がないのか。

■台南に着いたその足で
台北車站を朝7時過ぎに出発、新幹線なら2時間で着くが1305台湾ドルと高いので約半額の台湾鉄道「自強号」を利用した。券売機での切符購入にあたっては通りすがりの娘さんが助けてくれた。異国の老いぼれへのご親切、決して忘れませぬぞよ。
昼前に台南車站到着、駅を出てすぐ左に旅行案内所があった。台南の地図や烏山頭ダム、更には「千里はるばる水路を拓く」と書かれた八田夫妻の写真入りパンフまである。タイではチェンライはもちろんチェンマイバンコクでも日本語のパンフなどない。印刷物を選んでいると案内所の女性が日本語で話しかけてくれた。八田興一記念館に行きたいんですけど。
ネットには台南車站からタクシーでいくのが一番いいと書いてあった。でも女性はパソコンを叩いてバスの時刻を調べている。我が風体をみて安く行く方法を探索しているのだろう。結局、鉄道で隆田駅に行き、そこからタクシーでダムへ行くことにした。女性はわざわざ鉄道のホームまで案内してくれた。台湾の女性は老人に優しい。

 

 

無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』台湾で今も尊敬される日本人・八田與一 戦前に東洋一のダムを完成させる
https://news.livedoor.com/article/detail/11216631/ を参考にしました。