バギーで郊外へ行くのが流行り
いくらなのか
ツアー案内は中国語、ハングル、そして英語
バンビエンからベトナム、カンボジア、タイ各地へバスで行けるらしい。
宿泊したチャンタラ・ゲストハウス
この看板に惹かれた。
山賊にも会わずバンビエンへ
■国道13号線
ルアンプラバンからバンビエンへは国道13号線を200キロほど南下する。穴ぼこだらけで急カーブの山道が続く。ツーリングには向かない。さらにこの13号線には山賊が出る。2016年4月の外務省 海外安全ホームページには
1.昨今ビエンチャン県バンビエンとルアンパバーン県ルアンパバーンを結ぶ国道13号線のビエンチャン県カーシー郡及びルアンパバーン県プークン郡付近にて,夜行バス等車両等に対する銃撃事案が複数回発生し,死傷者が出ています。これまでの事案に共通しているのは,夜間等日没後に発生していることです。
2.つきましては,ビエンチャン県とルアンパバーン県を結ぶ国道13号線での移動については夜行バスの利用を極力避け,やむを得ず陸路で移動する場合には日中に移動する,日没後等夜間の移動は空路とする等,細心の注意を払って行動してください。
と書かれている。基本的に日没後は運転しないから大丈夫と思う。でも外務省では「ビエンチャン県とルアンパバーン県を結ぶ国道13号線の移動については,やむを得ず陸路で移動する場合には,日中であっても単独車両によることなく,複数の車両と共に十分注意して移動することをお勧めします」と呼びかけている。路面陥没、急カーブ、土砂崩れだけでなく、山賊の襲撃に会いかねない危険な道であったようだ。ラオスには反政府軍の勢力があって、政府軍とドンパチを繰り返している。反体制派が中国人労働者のキャンプを襲って多数の死傷者が出たこともある。
ラオスの国道13号線は日本で言えば東海道、国を代表する幹線道路である。だが集落から隔絶された山道ばかり、そんなところで襲われたら助けを呼ぶこともできないし、道路際の谷底に蹴り込まれればそれで一巻の終わり、多分発見されることはない。あの人、ラオスに行ったきりで帰ってこないねえ、で75日後にはすっかり人に忘れ去られる。
後発開発途上国では、先進国では考えられないことが多々起こりうる。然りながら旅に当たって外務省の海外安全ホームページを参考にするのはいいが、鵜呑みにするとおっかなくて外国になど行けなくなってしまう。
■昔は「旅人が沈没する街」
直進ビエンチャン、左バンビエンという三差路に出た。ルアンプラバンを出て7時間以上経っていた。それまで道路下は断崖絶壁、ガードレール代わり少々の笹が生えている、といった道路を走ってきたので、それほどの距離ではなかったが精神的、肉体的に疲れを感じていた。バンビエンで泊まろう。街の両側にはホテル、ゲストハウス、レストランが立ち並んでいる。貸しバイク屋もある。看板は中国語、ハングルが多い。ファランが少なく、アジア系の人ばかりだ。屋台が道路を占拠していて観光地の雑然とした雰囲気がある。
バンビエンには数年前にツーリングの大先達、Nさんと来たことがある。その時は昼食を挟んで2時間ほどの滞在だった。ファランがのんびりとラオス枕を頭に座卓レストランで寝そべっていて、のんびりした、品の良い場所、という記憶があるが、今は中国語、ハングルの看板ばかりで品がない。
1990年代のバンビエンは、ヒッピーが昼間から大麻をふかしているジャンキーの街だった。ラオスでは違法薬物が安価で手に入るため、これを多くの外国人旅行者等が乱用している。自分もガンジャ(大麻)はどう?と勧められたことがある。他方,当局も2010年代以降、取締りを強化しているというが、取締りと違法薬物の蔓延とが共存しうるのが発展途上国である。但し、ラオスで違法薬物所持で検挙されると最高で死刑の適用もあり、毎年20名程度の違反者が死刑判決を受けているという。
■日本語に惹かれて
バンビエンのイタ飯屋では「ハッピー・ピザ」というピザが供される。食べると幸せな気分になるところから名づけられた大麻入りピザだ。探せばハッピー・チャーハン、ハッピー・珈琲があるかもしれない。
ごちゃごちゃした街を走っているうちに日本語でチャンタラと書いてあるGHがあったのでそこへ投宿、宿帳をみると3日前に47歳の、1週間前に22歳と23歳の邦人男性が宿泊していたようだ。テレビ、エアコン、温水シャワ―付きで1泊8万キップ(千円弱)。
夕食をとるために入ったレストランは、4,5組の韓国人グループで一杯になった。韓国でこの街を舞台にしたドラマが流行ったのは3年前とのこと。数年前に来た時アジア系を全然見かけなかったわけだ。しかしドラマのお陰でバンビエンはジャンキーの街からアウトドア・アクティビティが楽しめる健康な街へとイメチェンの途上にあるという。
この日の走行距離260キロ。