■気力も萎える暑さ
チェンライは暑い日が続いている。煙害も大気汚染指数は200以上で健康に非常に悪いレベル、日によっては危険といわれる300以上になる。先週は2日ほど短時間の雷雨があった。これで煙害が消えるかと思ったが狭い地域にそれもせいぜい3伉?留量だったので、PM.2.5を洗い流すにには至らなかった。
統計によるチェンライの月別降雨量は3月が24mm、4月が94个箸覆辰討い襦5月に入ると200舒幣紊砲覆襦5月までまとまった雨は期待できないのか、と憂鬱になる。
今、窓際につるした寒暖計を見たら37度を指している。夜になっても室内温度は30度以下にはならない。まあ、湿度が低いせいで扇風機を回せば何とか凌げる。今年はできるだけ旅行に行こうと思っていたが、これだけ気温が高いと気力が失せる。12日から16日までソンクランだった。だから交通機関、宿泊施設も混みあっているだろうからと遠出を避けた。というより、気力が湧かずアゴダの宿泊予約や格安航空券の探索が億劫だった。以前は暑いからとチェンライのプール付きホテルを泊まり歩いたこともあるが、その元気もない。
それでも朝はいくらか涼しいので、テニスコートには出掛けている。テニスをやめてしまったら、精神的にはもちろん、肉体的にも頽廃の一途をたどるのでは、という強迫観念か。煙害厳しき中、それでも平均、3,4名はコートに集まる。ラリーで打ち合って、できればダブルスの試合を2-3セット、最近は10時を回ると急激に気温が上昇してきて、サウナ同様の発汗状態となる。いくらゲームが面白くても熱中症が怖い。事実、二日酔い、寝不足の気配があった日はコート上で胸がドキドキして、眩暈に襲われた。激しい頭痛がしたので帰宅して薬を飲んだ。間違いなく熱中症だ。コートで死ねるなら本望、とはこれっぽっちも思っていないので、体調が悪い時は1セット、1時間ほどで帰宅する。
■生きがい
それでもここ1月、週5日はテニスに興じていた。雨が降れば、ああ、今日は休める、と嬉しくなると思うのだが雨は期待できない。朝になるとラケットを背負って出かけてしまう。こうなると単なる惰性といえる。一億総活躍社会といわれる今日、何もお国のために役立っていない。母国の現役の方々に幾らか引け目を感じてしまう。
でも「一億総活躍社会」は老人も働け、とは言っていない。政府によれば「一人ひとりが、個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれの能力を発揮でき、それぞれが生きがいを感じることができる社会」とのこと。チェンライのコートでテニスに興じ、ボレーやスマッシュがバシッと決まる、これも我が能力を発揮し、ささやかながら生きがいを感じている瞬間かもしれない。
更に、週に1度だが、2時間のタイ・マッサージが習慣になっている。マッサージが終わったあとの体の軽さ、爽快さは300B(約1000円)には代えられない。イチローを始め一流選手が専属のマッサージ師を抱えている理由もわかる。こうしてみると生きがいを感じる瞬間は数あるのではないか、と思えてくる。
■PCの前で
日常、多くの時間をパソコンの前で過ごしている。DHCテレビやラジオの時事解説をよく視聴する。独自の取材源を持つコメンテータとそうでない人の差がはっきりしているので、自分なりの番付を作って聞いている。基本は国を思う気持ちがあるかどうかだろう。
一時はTBSのモニタリングをよく見ていたが、もう飽きてしまった。一度視聴すると、次々に同じ番組が紹介される。自分はとろろ昆布が好きなので、業務用のとろろを購入しようと検索したことがある。そうしたら毎日のようにとろろ昆布のCMが入って来て閉口したものだ。
最近、超望遠ズーム83倍というニコンのカメラに興味を持って検索したら、夥しい数のニコン・ユーチューブが表示されるようになった。競合機種を見ると本当に目移りしてしまう。鷹の渡りはこれを持って、などと思うと心が躍る。また、辻井伸行さんのピアノにハマって、何時間も聞き惚れている。聞きながら涙を流すこともある。
そのほう、もはや出仕に及ばず、長年の奉公ご苦労であった、体をいとうて達者で暮らせよ、とお国から年金を頂いている身、PCの前でにひっそりと暮らすのが身の丈にあっているし、益々、そうなっていくだろう。それにしてもこんな暮らしが待っているとは思いもしなかった。
最近になって40代で自ら命を絶った同僚を思い出す。なんで死んでしまったんだよ、生きていれば楽しいことが一杯あったのに・・・・。
写真はコロンボの国立博物館から