のんびりと過ごす
■寒いので出歩かず
2月は乾季、旅行のベストシーズンである。タイ正月の春節はチェンライでも中国ナンバーの車が行き交っていた。春節で中国人観光客の行き先トップはタイ、2番目が日本だったとか。
中国経済の落ち込みが喧伝されている割には海外旅行に出かける中国人は減ってはいない。そう言えば11月のスリランカでも1月のマンダレーでも中国人が多かった。現地の人は自分と目があうと取りあえず、「ニーハオ」という。「アンニョン・ハセヨ」といわれる場合もある。こんな時、「こんにちは」と返す。何故、はじめから「こんにちは」と言わないのかというと「俺は日本人ではない」と怒り出す人がいるから、という。ま、我が同胞より多いのだから中韓日の挨拶順位はそれでいいのではないか。
1月下旬にマンダレーに行って以来、旅には出ていない。雨の降らない季節だからバイクツーリングに最適では、と思われるかもしれないが、乾季は朝の気温が12、3度に下がる。この気温でフォルツァに乗ると手がかじかんでしまう。ヤッケを着ていても寒いし、足が冷たくなる。ツーリングに出るとなると、1日に400キロ位は走るから、出発は早朝ということになる。防寒具に身を固めて出かけてもいいのだが、この季節、日中の最高気温は32、3度に上がるから、着替えが必要となる。着替えが億劫でツーリングに出ないのもどうかと思うが、昨年、チェンライから600キロほど離れたシーテープ国立公園に出かけたのは3月末のことだった。やはり最低気温が20度前後に上がらないと、ツーリングに出かける気にならない。
■モニタリング
マンダレーで出会った健脚老人に刺激されたわけではないが、チェンライに戻ってから週5回のテニスを6回にした。日曜もサーブの練習に出かけたりしたので、2週間ぶっ続けでコートに立っていた。自分ではさほど疲れはないと思っていたが、先週、ボールを追っかけていた際、足がもつれて右肩から一回転、体をコートに打ち付けてしまった。転がったあと、立ち上がってプレーを続けたが、夜になって胸骨が痛む。連続記録が途切れることは残念だが、これも天の配剤、数日体を休めることにした。日常生活には全く支障がないので、1、2時間のツーリング、買い物、それにPCでもユーチューブ視聴などで時間を過ごす。
偶々、ユーチューブでTBSのモニタリングという番組を見つけ、集中的に視聴した。イケメン俳優が女子高に潜入したり、ヨボヨボ爺さんが突然、キレキレのダンスを披露する、またレスリングの講習に現われた婆さん(吉田沙保里の変装)が対戦相手の若者をあっというまにねじ伏せるといった内容。昔はドッキリカメラといったと思う。予想外の展開にビックリする女高生や若い女性の感嘆詞が「ヤバイ」または「コワイ」が一般的ということに気づいた。「ヤバイ」は元々、盗人や香具師の隠語で危険とか不都合を意味したが、今は良い意味でつかわれているようだ。昔はスゴーイとか言ったのではないか。番組を見ていて近頃の芸能人の名前、顔をほとんど知らないことに愕然とした。女優さんではわずかに広瀬すずちゃんがわかった程度。10年以上、故国を離れているのだから仕方ないか。自分がモニタリングのターゲットとなっても、芸能人を知らないのだから心臓が止まりそうになる心配はない。でも驚かないからボツになるに決まってる。
■煙害の季節
2月は野焼きが始まるシーズンだ。山岳民族は乾季の今、山の雑草、灌木に火をつけて焼く。昔からの焼き畑農業だ。平地でもトウモロコシ畑やサトウキビ畑に火をつける。焼いた後は草木灰が肥料となって次に植える作物がよく育つ。お金はかからないが、空気が汚れる。タイ環境省公害管理局が観測データを発表しているがPM10(大気中に浮遊する粒子状物質のうち粒径10μm以下のもの)の上昇と関連して心疾患,呼吸器疾患,結膜炎,皮膚疾患で病院を受診する患者数が増加するという。別に数値を聞かなくても直線道路とか遠くの山が霞んでくるし、空気が煙臭くなるし、ひどい場合は咳き込む。
煙害防止のため、各県で野焼き禁止期間が設けられており、チェンライは2月17日~4月17日となっている。野焼きをしたら1万Bの罰金、また野焼きを警察に通報すると5千Bの報奨金が貰えるらしい。でも肥料を買えない農民、山岳民族の野焼きは続くだろう。先月マンダレーからタチレクに戻る機中から、山のあちこちで煙が上がっているのが見えた。煙害は貧しい隣国からも押し寄せてくる。防ぎようがない。対策は外出を控えるくらい。この時期の北タイ観光はお勧めできない所以だ。
写真はマンダレーの風景から