チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

苛酷なテニストーナメント

シングルス決勝の佐藤、永田選手、永田さんは172センチ

ダブルス決勝勝利、右は中国の選手

ダブルス表彰式

シングルス決勝、勝敗が決まってからの挨拶

優勝賞金の授与

男女シングルス優勝、準優勝者

 

苛酷なテニストーナメント


■紫外線が強い
チェンライ県の面積は約1万7千平方キロ、東京都の5倍ほどの面積がある。人口は120万人ほどで東京都の10分の1以下。県内には工場らしい工場はない。だから3,4月の山焼きによる煙害を除けば公害は存在しない。今は雨季だが雲が切れれば、紫外線100%の強力太陽光が直に降り注ぐ。トーナメントは日陰で観戦しているのだが、それでも日焼けする。チェンライの邦人の特徴の一つは色が黒いということだ。ゴルフが趣味、という人は特に黒い。

数年前、帰国して新宿駅の階段を下りる群集を眺めていたら、人混みの中にチェンライ在住のOさんそっくりの人がいた。彼が新宿にいるはずがない。でも決め手は顔の黒さだ。あの日焼け具合は尋常でない。すぐ追いかけ、呼びかけると正に本人、奇遇を喜び合った。

日本に1年8カ月帰国していた間に、白くなった顔や腕は、ここ半年ですっかり日焼けして女中のニイさんより黒くなった。ただ黒いだけではなく黒光りしていて異様である。以前は炎天下では腕カバーをしていたが、今更、という気持ちもあって日焼け防止はやめている。紫外線が皮膚がん、膠原病白内障を誘発するという話もあるが、体内でのビタミンD生成に寄与するともいう。皮膚にシミやほくろが少々できてもこの年だから自分も他人も気にしない。

■タイ選手も日焼けする
テニス選手を見ていると外人選手、男子選手は特に日焼けは気にしていないようである。日本の女子プロの中にはちゃんと薄化粧をし、足の露出する部分に丹念に日焼け止めを塗っている選手もいた。しかし、この暑さの中では顔はもちろん、太腿、脹脛にまで汗が流れるから、日焼け止めの効果は一時的なものだろう。

サーブの瞬間、選手のお腹や太腿の上部が露出することがある。インド人選手ではよくわからないがタイの女子選手くらいだと、足や腕に比べて色が薄い。やはり黒くても日焼けはするようだ。観戦席で太陽光が当たる場所に座っている選手がいたが、東欧のファランだった。

チェンライ市営運動場には9面のコートがある。午前10時まで2,3面使用されるが、10時以降、陽が陰る4時過ぎまで、コートは全くの無人となる。暑い時はタイ人も外人もテニスなんかしない。でもトーナメントはコート上では気温40度を越えるような苛酷な条件下で試合が続行されている。

6月の第3節で、佐藤南帆選手は2日で5試合をこなした。1日にシングルス、ダブルスの2試合を戦うケースはままあるが、降雨による中断試合があったため、1日3試合となった。結局、彼女は女子シングルス、ダブルスとも優勝したのであるが、彼女の戦いを見ていて、並大抵の体力ではプロは務まらないと感じた。

■日本選手の活躍目立つ
甲子園の高校野球も気温40度の炎天下で行われるが、まあ動いている選手はピッチャーくらい、それも間合いを取るから動きっぱなしということはない。攻守交代であるから試合時間の半分は休める。それに引き換え、テニスは奇数ゲームが終われば1分ほど休めるが基本的にはコートを左右、前後に走って手が抜けない、間合いなど取っていたらボールが抜けていく。これを1時間半から2時間続ける。野球より苛酷なスポーツといえる。1試合終わったら中3日などと悠長なことは言っていられない。試合後1時間半の休憩ですぐに次の試合が始まる。また2時間の激闘。この日、佐藤選手は3つ目の試合、女子ダブルスの準決勝を戦っている。野球で言えば1日3連投、サッカーの試合を3つやるようなものだ。

翌日は午前に女子ダブルスの決勝を制したあと、午後にはシングルスの準決勝に臨んでいる。この翌日に彼女は女子シングルスで優勝したが、連日を緊張の中で戦うメンタルの強さと持久力には脱帽せざるを得ない。身長190センチを超える中国人選手や170センチのガッチリした体格のタイ女子、ファランの中にあって彼女の身長はわずか154センチだ。

体格に差がありながら佐藤選手は力強いリターンをラインぎりぎりに決め、ポイントを奪っていく。けなげである。シングルス決勝はタイのサワンケーウ選手との対決となったが、タイの観客も佐藤選手に応援を送っていた。
第3節、女子シングルスは佐藤南帆選手が、男子では今井健太郎選手が優勝した、また女子ダブルスでは佐藤南帆、永田杏里のペアが優勝、日本の男子ペアは準優勝となり、日本週間という感じだった。

表彰式の佐藤さんを撮影したが、日焼けした足に比べ顔が白い。試合が終わり、表彰式が始まるまでの間にお化粧で日焼けを隠したようだった。