チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

コートを離れればお友達

第4節、女子シングルス決勝、中国馬選手

荒川晴菜選手

休憩時間

同上

コートを出る前、何やら楽しそう

コートの外で、表彰式を待っている時

 

コートを離れればお友達

■トーナメント期間中の練習
プロのテニス選手は、1日6時間は練習するという。でもトーナメント期間中はせいぜい2,3時間だそうだ。試合の前は体をほぐす程度で1時間足らず、コーチの指導で球を打つ。今回、6月のトーナメントではコーチ帯同の選手が多かった。1人のコーチが数人のプロの面倒を見ていることもある。トーナメントでは一人の選手が午前中にシングルス、午後にダブルスと2試合こなすこともある。雨季とは言え、陽が差せばコート上は40度近くになる。そこで1時間半から2時間の試合を2つも行う。持久力も大切だが、闘争心を失わないメンタルの強さも必要だ。一般にスポーツでは「心技体」の3つが必要と言われる。テニス技術と精神力半々というコーチもいた。

コーチはトーナメント期間中、選手の弱み、強味を見極め、ミスしやすい動きを徹底的に矯正する。だから試合前の練習よりも試合後の練習が大切となる。選手も何故ミスしたか、次はここを治せば勝ちに結び付くという確認が取れる。試合を落とすと落ち込む選手、意外とサバサバしている選手と様々だ。コーチはテニス技術ともに精神的なサポートを行うメンターでもある。

高校の同級生で東大に行った男がいた。彼は中間、期末などのテストが終わると自分の間違ったところを徹底的に学び直したという。自分は予習もしなければテストが終われば解答例を見るのも嫌、特に数学など解答を見ても理解できなかった。やはり東大に行く奴は勉強法が違っていたなあ。試合後の練習に重点を置くというコーチの話から数十年前のクラスメートを思い出した。


■日本選手、勝ち進む
大坂なおみ選手も何度かコーチを替えている。今回トーナメントに参加している選手も自分に合わないと思えばコーチを替えているようだ。トーナメントに勝ち進んでポイントを獲得し、世界ランキングを上げていく。目標はグランドスラムだ。勝てなければ意味がない。勝つためにはコーチの選択も含め、試行錯誤を繰り返しているのだろう。

今、チェンライに集まっている選手は世界ランキング3桁或いは4桁の選手が多い。3桁でも200位以内に入ればウィンブルドンの予選に出場できる。200位以内なら相撲で言えば前頭か。急に実力を上げる選手はいるのだろうが、みたところ番付上位の選手が順当に勝ちあがって行くようだ。日本の女子プロで言うと岡村恭香、小堀桃子、瀬間詠里花、日比野菜緒、それに荒川姉妹等が準決勝、決勝に進んでいる。日比野選手は世界ランキングシングルスで56位、ダブルスで43位が最高位、シャラポアと戦ったこともあるし、リオ、東京のオリンピック選手でもある。危なげなく第2節の女子シングルス決勝に進んだが、中国の新鋭ガオ選手に1-6,6-1,3-6で敗れ、準優勝に終わった。

荒川姉妹も第2節の女子ダブルスの決勝に進んだが,日本の瀬間、インドのボセール組に敗れ、これも準優勝に終わった。でも男子も含め準決勝、決勝に日本選手が目白押しでこれからも期待できそうだ。

ただ、女子選手は、瀬間さんが33歳、日比野、岡村選手も20代後半だ。以前は30歳以上の女子選手はほとんどいなかったというが、女子ゴルフと同じく女子の大会が増加して、賞金でやっていけるようになったという背景もあるようだ。

■国際ペア
ダブルスは同国人で組むことが多いが瀬間、ボセールのような国際ペアも少なくない。アジア人はアジア人、ファランファラン同士で組む。中国と台北、中国と香港、ロシアとウクライナのペアもあった。絶好のペアを組んでトーナメントを勝ち進む、これが目的だからあまり国際状況には影響されないのだろう。

同じランクで戦っているといつも顔を合わせるし、練習もする。そのうち気が合いそうだなと思ったら、「一緒に組まない?」と外交交渉が始まる。幕下クラスの選手が前頭の選手をペアの相手にしようと思ったら、交渉は難航する。逆に前頭クラスから幕下の選手にお呼びがかかるとなかなか断れないという。でも選手の目的は試合に勝つことであるから、喜んで胸を借りるということになるのではないか。ともかく選手はコートの外ではお友達というケースは多い。

ブログの写真は4月の女子シングルス決勝で対決した中国の馬選手と荒川晴菜選手である。試合中は二人とも本当に怖い表情をしているがゲームセットになったら、まるで同級生のような親しさで談笑している。たまたまではあるがこういった楽しそうなツーショットを撮ることができて大変嬉しい。自分でもよく撮れたと思うので晴菜選手にもお送りした。