チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

シーテープ歴史公園

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シーテープ歴史公園

■タイの世界遺産
タイにはユネスコ世界文化遺産が3つある。まず1つ目はスコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町、2つ目は古都アユタヤ、3つ目が紀元前2千-3千年に遡るバーンチエン遺跡だ。日本の世界文化遺産は、法隆寺、京都、姫路城、原爆ドーム厳島神社など十数ヵ所を数える。タイを訪れる外人観光客は3300万人、日本へ来る外人観光客は2400万人という(国連観光統計2017年)。観光収入はタイの国民総生産の10%を占めるのだから、もっとユネスコに働きかけて世界遺産を増やし、観光の目玉を作ればいいのにと思っていた。

タイ族の歴史は13世紀のスコータイ王朝に始まり、タイ文字も13世紀末にやっとできた。タイ自体が新しい国である。でもタイ族の国ができる前にはモン族の王国があり、そのあと今のカンボジアラオスベトナム、タイの広大な地域を治めるクメール朝があった。
クメール朝はアンコール朝とも言い、カンボジアアンコールワットにその栄華のあとを見ることができる。タイ東北部、東部はアンコール朝の版図であったから多くのクメール遺跡が残されている。中でもナコンラチャシマーにあるピマーイ遺跡はアンコール朝の副都として栄え、タイ国内屈指のクメール遺跡として知られている。歴史的にも美術的にもアユタヤやスコータイよりピマーイのほうが世界遺産に相応しいと個人的には思う。

でもクメールはカンボジアが本家、タイ人にしてみればお隣の国の先祖が作ったものをタイの文化遺産にするには抵抗があるのかもしれない。お隣の国でも総督府や旧朝鮮銀行ビルの建築がいくら優れていても文化遺産に登録申請することはない、それと同じだろうか。

■タイ北部にもクメール遺跡
カンボジア人ははっきり言わないが、栄光のクメール、カンボジアと比べればタイなど野蛮人の集まりで歴史的にも見るべきものは少ない、最近、ちょっと経済がいいからと言って大きな顔するんじゃない、思っているだろう。確かにタイの歴史が13世紀のスコータイ朝から始まるとすれば、クメール朝は9世紀から15世紀に栄え、タイ国内には多くのクメール遺跡が残されている。

タイ国内のクメール遺跡を訪ね歩く人のネット記事を読んだ。タイ北部、ペッチャブーン県に11世紀のクメール遺跡があって、シーテープ歴史公園として整備されている。この遺跡はゆくゆく世界文化遺産に登録されるという。クメールの遺跡でもタイの世界遺産に?、これは見過ごせない。クメール人が来る前は、6世紀から11世紀にかけてタイで栄えたドヴァーラヴァティー王国の都市でもあった。ドヴァーラヴァティー王国とは今ではタイの少数民族となってしまったモン族の建てた国である。クメールとモンの合わせ技で世界遺産登録を狙っているのであろうか。

地球の歩き方」にはシーテープ歴史公園はもちろんペッチャブーン県の記述はない。タイには77の県があるから「歩き方」には全県は載っていない。タイにやってくる日本人は年間150万人を越える。タイ?、何度も行ったことがありますよ、という人が多い中で、まだ「歩き方」に記載のない遺跡は貴重だ。世界遺産に登録されたらどっと観光客が押しかけるだろう。行くなら今のうちか。

■ペッチャブーン県
シーテープ歴史公園をネットで調べてみた。ペッチャブーン県の最南端に位置し、チェンライから618キロ、バンコクからは237キロの地点にある。ペッチャブーン県は北部と言うよりタイ中部に位置する。ペッチャブーン市はその昔はクメール朝の地方都市で、山に囲まれた肥沃なパーサック川の流れる盆地にある。 タイ国民から「タイのスイス」と呼ばれる高原地帯で、カオコー・ナムナオなどの国立公園が点在する。大東亜戦争当時、連合国軍のバンコク空襲が激しかったため、一時首都を移転する計画がなされ、ペッチャブーンにその白羽の矢が立ったことがある。日本でも戦争末期、本土決戦を控えて信州松代に大本営および政府各省庁を移転しようという計画があった。皆同じことを考えるとみえる。

チェンライから600キロちょっとか。我がフォルツァで行くには手ごろな距離ではないか。昨年11月、チュンポン往復3000キロのツーリングを敢行した時、1日に500-600キロを走ったので自信がある。あの時同行してくれたNさんは日本に帰国中。久々の単独ツーリングだ。

例によってブアさんが大反対、年寄りはバイクに乗るもんじゃない、コケたらどうする。人の意見を聞いていたら旅行になど行けない。でも心配される年ではある。それを自覚して無理のないツーリングを心掛けよう。(続く)



写真はスコータイ、アユタヤ、バンチェン遺跡、ピマーイ遺跡、ペッチャブーン県位置、我がフォルツァ