チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

熟年ライダー(8)

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熟年ライダー(8)

■旅の4日目、チュンポン市内へ
カオ・ディンソ―の展望台を下見した後、30キロほど離れたチュンポン市内へと向かう。市内に着くと先ず、鉄道の駅に行った。駅の周りには食堂があり、客で一杯の駅前のそば屋に入り、そばを注文。混んでいる店は美味しいはずだ。その期待に違わず、そばには大きな豚肉の塊が入っていて50Bと少し高めであるが味、量とも十分満足できるものだった。

Nさんはやはり自転車競技の関係でチュンポンに泊まったことがある。目安となるチュンポン駅から駅を背にしてまっすぐ道を下る。道路中央には古い蒸気機関車が数台展示されている。チェンマイ、ランパーンもそうだが、タイでは駅前に蒸気機関車を置くことが決まりになっているみたいだ。タイの鉄道の歴史は古く、1894年というから明治27年にチュラロンコン大王がバンコクからアユタヤまで開通した列車に乗られたという記録がある。鉄道の管理はヨーロッパの技師に任されていたため、英国やフランスの蒸気機関車が多数輸入された。チュンポン駅前の機関車もお猿の機関車といってもいいほど小ぶりのものから大型のものまで多彩で、どうやら計画性もなしに買いこんだ、あるいは売りつけられた、という感じがする。泰緬鉄道には日本のC56型機関車が走っていたし、戦後賠償の一環として126両の日本の蒸気機関車がタイに渡った。今でも数両の機関車が健在で年に何度か運行される。日本製SLを撮影してブルートレインに乗ろう、といったパック旅行もあるそうだから、日本のSLファンにもよく知られているようだ。

機関車が展示してある道路と国道3180線が交わる交差点角に観光案内所がある。13時過ぎだが中には人影がなくドアに鍵がかかっていた。Nさんは土地勘があるようで、ゆっくり市内を回り始めた。ああ、ここに泊まったことがあるというホテルがあったが、古くて見た目がよくない。また戻って駅の北側にあるチュンポン・ガーデンズに決めた。590Bと前日のプラチュアップのスクサンホテルより100B高かったが朝食付き。「地球の歩き方」には「市内中心部の手頃なホテル」と紹介が出ていたが、今回のツーリングでは自分の泊まったホテルの中では最高額のホテルとなった。とりあえずここに2泊することにする。

■海の楽しみ
深夜特急の中で沢木耕太郎はチュンポンを何もない街といっているが、わずか9時間の滞在、それも寝て起きてまたすぐ鉄道でマレーシアに南下したわけだから仕方がない。この街はダイビングで知られるタオ島、パンガン島、サムイ島への渡し場がある街、あるいはタイ南部への入り口の街と言われる。あまり宣伝はしていないが、我々の目的であるバードウオッチングだけではなく、カヌー、釣り、エレファントライド、トレッキング、乗馬、マウンテンバイク、ラフティング、星座観察など多彩な楽しみ方ができるところだ。特に自然がそのまま保持されたビーチ、それにサンゴ礁からなる小島が点在し、チュンポン諸島国立公園となっている。ビーチリゾート、シュノーケリングが好きな人ならばは2,3週間は瞬く間に過ぎていくだろう。

タイは南北2千キロにわたる国だからチュンポンと北部チェンライとは気候が違う。ロイクラトンが過ぎ、タイ北部は乾季入りしているが、チュンポンはまだ雨季が明けていない。ここのベストシーズンは1月から6月という。
到着日の午後はバイクでトゥンウワァレーンビーチなど有名なビーチを回った。4号線に沿って東側はすべて海だ。どこがどのビーチかわからないのだが、浜には人っ子一人おらず、高い波が打ち寄せていて、とても泳ぐ気になれなかった。季節も悪かったが、ベトナム方面で台風が発生し、その影響でシャム湾がいくらか荒れていたようだ。
いくつか船着き場に行った。そこの一つで貰った時刻表によると各島へ行く船はそれぞれ1日2便ある。タオ島までの渡し賃は1時間45分で600B、パンガン島まで3時間45分で1000B、サムイ島へは4時間20分、1100Bとあった。

■ついてない
チュンポン最初の夜はNさんが行ったことのある飲茶の店に行こうとしたが、休みだった。そこで地球の歩き方に唯一載っていたレストランに行ったが、味はイマイチ。でも冷えたビールが飲めればまずは満足すべきか。チュンポンも見所はありそうだが、2泊に限ったことには理由がある。天気予報によると南部から次第に雨雲が近づいており、3日後には豪雨になるという。その前にチュンポンを離れたい。

だが予報より早く天気が崩れ、翌朝、暗いうちから強い雨が降り始めた。この天気では上昇気流は起こらず、従ってタカの渡りは観察できない。



写真は駅前のクイッティオ店、チュンポン駅、機関車とチュンポン駅舎、機関車2つ。