チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

熟年ライダー

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熟年ライダー

■バードウォッチング
ここ半月ほど、日本の思い出話やウズベクで書いたブログの再掲、あるいは引用記事など、書き溜め原稿中心だった。察しのいい方はお分かりと思うが、10月末から11月初めにかけて10日ほど旅に出ていた。

話は1月以上前に遡る。10月というのに雨が多く、プミポン前国王の火葬式が近かったり、なんとなく気の晴れない頃、フラリとNさんがやってきた。彼とは2年前にバイクでラオス縦断旅行をした。点から点をひたすら走り続ける過酷な旅ではあったが、生涯初の海外長距離ツーリング、今でも楽しく思い出す。メコンの川べりでグラスを傾け、いくつまでこんな旅行ができますかね、と話しあったことがつい昨日のように思えるが、あれからもう2年半経ってしまった。

タイ南部のチュンポーンに鷹や鷲の猛禽類が集団で渡っていく場所がある、渡りは10月末から11月初めにかけてしか見られない。これを見に行きませんか。

Nさんは長野県松本市に住んでいたことがある。鳥類観察の団体に属していて、渡り鳥のルートとして知られる乗鞍高原、白樺峠に陣取って、サシバ、ハチクマ、ノスリなど「タカの渡り」の定点観測に参加したことがあるという。「タカの渡り」とは、春から秋にかけて繁殖したタカ類が、食料を求め暖かい地方(朝鮮半島インドネシアやフィリピン近辺)へ渡って行く。中部地方以北のタカ類が、乗鞍高原近辺の上空から上昇気流に乗って山を越えていく場所が「白樺峠」。多い時には1日3,000羽のタカ類が観察されるという。

シベリア、モンゴル、満州、日本、朝鮮半島から飛来するタカがタイのチュンポーンで上昇気流に乗って一気にマレーシア、インドネシアへと南下していく。タイにおける「タカの渡り」観察のメッカ、タイの「白樺峠」がチュンポーンとのこと。

面白そうですね、行きましょう。二つ返事で承諾した。

■ホンダCB400フォルツァ
タイ人とバードウォッチングがどうも結びつかない。チュンポーンは「地球の歩き方」に2ページのみ紹介されている。南部の海浜リゾートで、ダイビングで有名なタオ島への通過地点で、渡り鳥の話は出ていない。タイ観光庁のネットにチュンポーンのカオ・ディンソー展望台でバードウォッチングも楽しめます、という短い紹介記事があったくらい。
ところでチェンライとチュンポーンはどれくらいの距離があるのか。バンコク経由の経路で1250キロもある。到着までに2泊必要だろうか。1日目に行けるところまで行きましょう、とNさんはいう。

ラオスに行った時、NさんはホンダPCX150,排気量150佞離丱ぅだった。100キロ出るが巡航速度としては80キロ程度。旅の終わりころは自分の279佞離侫ルツァが100キロ以上のスピードでPCXのはるか先を行き、小休止。風防ガラスを拭いたり、水を飲んだりしていると、PCXが眼の前を過ぎていく。やおらフォルツァでまた追いついて、を余裕で繰り返していた。

今回、NさんはホンダCB400フォルツァより排気量の多い大型バイクだ。ラオスに行った時、中西さんと行く時は400佞らいのバイクでないとダメですね、と悔しがっていたから、今度は仕返しをされるかもしれない。巡航速度100キロで行きましょう、と言う。100キロ走行ということは、追いつく時には120キロ以上のスピードを出す必要がある。自分はいつも安全運転でせいぜい80から100キロほどしか出さない。ラオスの仇をタイで討たれることになるのか。

■ひたすら距離を稼ぐ
プミポン前国王の喪が明けた10月30日の午前7時にチェンライを出発、200キロ毎にガソリンを補給し、ついでにトイレを済ませ、ひたすらタイの国道を南下する。沿道に名所、旧跡、風光明媚なスポットがあっても完全に無視。ただ走り続ける。

タイの幹線道路は片側2車線が普通、高速道路ではないが、ラオスの国道のように牛や羊が横切らないので走りやすい。前を走るCB400を見失わないように付いていく。車間距離100m以内なら安心。200m離されるとNさんの姿が2センチくらいになり、300m先に行かれるとNさんのバイクは米粒くらいになってしまう。右後方から迫る車をやり過ごして120キロのスピードで追いかける。とにかくNさんに付いていく。ただただストイックにバイクを走らせる。どこまで続く泥濘ぞ、限りある身の力試さん、16時前にバンコクの200キロ手前にあるチャイナートに到着、この日はここで宿を取る。

走行距離は600キロを少し超えていた。慣れた人から見たらなんだよ、ということなのだろうが、600キロ?、よーし、できないことやってやるし、の気持ちだったから快い疲れと達成感を感じた。この分ならツーリングもあと5年はできるかな。



写真は整備中のフォルツァCB400、チャイナートとその市場