チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

書けないときは

若い人のほうが危険

珈琲の飲み方の変化

 

 

 

書けないときは

■老人と交通事故

ネットで日本のテレビニュースを視聴する。どの局も同様の内容、闇バイト、火事、交通事故、女性が刺されたとの事件が中心で、政治と言えば首相の居眠り、年収の壁、政治資金改正法が、といった事象が画面に現れる。ネットは興味がない部分を飛ばして視聴できる。

石破首相の陰気な顔を見るだけでも不愉快だし、年金生活者であるから103万円とか年収の壁にも縁がない。犯罪も北タイでは、闇バイトに襲われる心配もないし、殺人、焼死も何か他人ごとのような気がする。というわけでどんどん先送りをしていくとほとんど見るニュースがなくなってしまう。

交通事故は被害者には同情する。特に子供や若い人が犠牲者と聞けば痛ましいとい思う。そして加害者が70過ぎの老人というケースを聞くと尚更だ。年を取っての運転は危険かなと思うし、ご同輩の中には運転免許返還を考える人もいるだろう。

でも老人の運転は危ないと言えるのだろうか。警察庁「令和5年中の交通事故の派生状況」に「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たりの交通事故件数」というグラフがある。それによると免許所有者10万人当たりの事故件数は16~19歳が1025.3件と飛びぬけて多く、次いで20~24歳の589.5件となっていて、70~74歳の345.5、75~79歳の387.9に比べると若者が起こす事故件数が多いことがわかる。

確かに80歳以上になると漸増して85歳以上の老人の免許所有者10万人あたりの事故件数は519.9となっている。それでも若者よりは低い。こうしてみると老人に運転免許証返納を呼び掛けるよりも若年層に安全運転の徹底を図ったほうがいいのではないか。

 

■「社会実情データ図録」

週2回のアップという怠惰なブログである。それでも書くことがないなあと能力の不足を感じることはままある。そういう時に眺めるのが社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune (honkawa2.sakura.ne.jp)である。この世の中のあらゆる事象の統計が収められている。ぼんやりと眺めているだけでも楽しい。

「珈琲の飲み方の変化」という統計ではコーヒーをブラックで飲む人の比率は1983年の9.5%から2022年の46.9%へと約40年で少数派から多数派に変化したことがわかる。

また「子供を産まなかった女性の比率国際比較」では出産未経験の50歳女性の比率は日本が27.0%でOECD諸国の中で2位のフィンランドの20.7%を大きく上回って最高。しかもこの15年で倍増。主要国の中では米国が11.9%とこの値が低い。

更に「バストサイズの国際比較」という統計では、北欧諸国やロシア、北米でバストサイズが大きく、東南アジアやアフリカ中部で小さいという傾向。日本人女性のバストは世界的には大きくないが、韓国や中国を含むアジア諸国の中では最大。これはタイから日本に一時帰国した時の、日本の女の子はおっぱいが大きいなという自分の感覚と一致する。

 

■統計というウソ

英国の政治家ディズレーリは「ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ」と言っている。世の中には統計が氾濫している。「平均」とか「相関関係」とか言って数字やグラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれない。これは「統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 」という本の紹介に書いてあったこと。

明治時代、日本で起きた殺人事件件数は当時の米国より多かった、という統計がある。先進国に追いつけと一生懸命だった明治時代、警察は克明に報告書を書いたのだろう。それが統計として残っている。19世紀後半の米国などほぼ無法地帯、黒人が殺されても報告は上がらない。よってこの殺人件数の日米比較は意味がない。

「社会実情データ図録」の管理人、本川裕氏によるとアンケートとか、元のデータを収集する調査対象にバイアスがかかっていることはよくあるという。自分だって「朝日新聞ですがアンケートお願いします」という電話があれば断るか、ウソを答えてしまう。

官庁、国際機関が出す統計にも怪しいものがある。

OECDが「相対的貧困率」というデータでは、日本は米国に次いで格差が高い国だと主張されている。「相対的貧困率」とはその国の平均的所得の半分以下の人が何%いるかというデータである。平均賃金所得が若い人からお年寄りまで右肩上がりになっている国は、この公式では相対的貧困率がどうしても高くなる。若い時の年収200万円で定年間近に1000万円になる国に比べて、一生を通して年収300万円の国のほうが相対的貧困率が低くなる。

事実を知るには統計の裏を見る、は大切なことなのだろう。