チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

雨の服喪期間

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雨の服喪期間

■雨の日が多い
今月の5日は旧暦11月の満月の日、オークパンサー(出安居)だった。安居(あんご)とは、上座部仏教において、一年に一度雨季に入る時期に伴い、僧侶達が世俗から離れて3ヶ月間の間、寺院にこもり、瞑想などの修行を行うことをいう。安居の由来は釈迦の時代に遡る。雨季の時期にむやみやたらに行動をすると意図せずに作物、昆虫、あるいは自分自身に損害を与える可能性があるとして、雨季の時期には旅行を控える、インドの托鉢禁欲主義者の間で行われていた長年の習慣だった。タイでは安居明けの日からやたらとお坊さんを街中で見かけるようになる。

一応、出安居で雨季が明けたことになるのだが、今年は10月に入っても雨が多く、中旬まで週に3度テニスができればいいほどだった。毎年のようにオークパンサーが過ぎたのに今年は雨が多い、などと書いている。日本でも立春が過ぎたのに気温が低いとか、秋の彼岸を過ぎても残暑が厳しい、などというがこれに似ている。

チェンライの月別降雨量を見てみると8月368弌9月280mm、10月132个箸覆辰討い襦11月になるとぐっと減って56mm。旧暦12月の満月の日に行われるロイクラトン(灯篭流しの仏教行事)までは雨季が明けない、といわれるが納得できる。今年のロイクラトンは11月3日である。

■街は黒一色
プミポン国王崩御されて1年になる。10月13日が命日で国民の休日になっていた。総領事館も業務を休止していることを知らず、旅券申請に行ってがっかり。
タイでは10月13日から29日までが服喪期間と決められ、スーパーでも町でも8割方の人が黒い服を着ている。洋品店でも一斉に黒いTシャツやワンピースを売り出した。ここで売れなければデッドストックになるのでは、と心配するくらい。黒服が買えない人は黒いリボンで代用できるらしい。

服喪期間に入ってスーパーや銀行、政府機関、ホテルなど、至る所にプミポン国王の祭壇、記帳所が設けられている。ATMでお金を下ろそうとすると、モノクロの王様の顔が出てくる。市内のCM用大型電子スクリーンも王様のモノクロ写真が写っていることが多くなった。チェンライの旧飛行場では1キロにわたって大型テントと無数の椅子が並んでいる。26日の火葬式のチェンライ会場だという。

ワチラロンコン現国王と比較することは憚れるが、プミポン前国王の人気は絶大である。ブアさんがお札の肖像を見乍ら、これがワチラロンコンさんに変わったら嫌だなあ、などと言っていたが、これからもお札はプミポン前国王でいくらしい。20バーツ札から始まって50、100、500、1000の5種類のお札があるが、プミポン前国王の子供時代から青年、そして晩年と金額が高くなるに従って、お年を召した肖像になっていくという。最近、新20バーツ札を見た。プミポンさんもこういう時代があったんだな、と思うくらい可愛い男の子の肖像になっていた。

■日泰の交流
前国王の火葬が行われるのは10月26日、すでに高さ50mを越える塔のような火葬場も完成している。タイ宮内庁が10月6日に発表したところによれば、昨年10月29日から現在までに約1273万人が告別のため前国王のご遺体が安置されているグランドパレス内の王宮に足を運んだ。また、王宮を訪れる市民は火葬の儀が迫っていることから日々増えており、10月5日だけで11万人を超えたという。

日本からは秋篠宮殿下と紀子妃殿下ご夫妻が、一泊二日のご予定で葬儀に参列される。秋篠宮殿下はタイを18回ご訪問されており、ワチラロンコン現国王とも昵懇の間柄。チェンライにもナマズや鳥類のご研究のため、何度も訪問されており、デュシットホテル、養魚場、お寺、あるいはチェンライのレストランなどあちこちで殿下ご来臨の写真を見かける。
日本の皇室とタイの王室の交流は深く、1964年には、皇太子ご夫妻だった天皇、皇后両陛下がタイを公式訪問した。プミポン国王夫妻は、両陛下を飛行機でチェンマイに案内し、機中では国王がクラリネットでジャズの名曲「メモリーズ・オブ・ユー」を両陛下のために演奏したという。今年3月、ベトナムご訪問の多忙な日程を縫って天皇皇后両陛下がプミポン国王の弔問のため、バンコクに立ち寄られたのも、個人的なお気持があってのことかと拝察する。

プミポン国王を悼むタイ国民の想いには心打たれるものがあるが、崩御から1年、今月29日で喪が明ける。11月3日のロイクラトンはいつもにも増して盛大に行われることだろう。喪が明けた、乾季到来、さあ、仕事に遊びに頑張ろう、とタイの景気が活気付くことを期待したい。