チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ミャンマーの旅(9)

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ミャンマーの旅(9)

バガンへのバス
バガン行のバスに乗り込むと、ひざ掛け毛布、首巻き枕、それに朝の歯磨きセットなどが配られた。首巻き枕のサービスは初めてだがこの枕は中々の優れモノ。寝入りばなに頭がガックリ落ちることを防いでくれるので、頚椎症になる心配がない。バスにはバックパッカーファランがたくさん乗り込んできた。ああいう健康な若い人はどんな格好で寝ようと首や背中など痛くなることはない。痛くなっても背伸び一つで回復する。老人が若者と同じ旅をしようとするといろいろ心配事があるものだ。空路でヤンゴンからバガンまで行くと1万数千円かかるがバスなら飛行機の10分の1、でも年だからもう夜行長距離バスは控えるべきか。

アジアのバスでは車内の温度を20度以下にすることがサービスだと思っているので、薄手ではあるがダウンジャケットを用意してきた。これで夜行バスも安心。
バスは定刻19時に出発、いつの間にか寝入っていたが、深夜に巨大サービスエリアに停車すると全員下ろされた。30分の休憩だという。上り下り、おびただしいバスが駐車している。迷子になったら大変、前後左右の建物から我がバスの位置を確認。タイでも夜行長距離バスはサービスエリアに停車し、そこで乗車券についている切符でお粥とかクイッティオが食べられるのだが、ミャンマーの夜行バスの食事は自己負担。一回りしてバスに戻ってみると、バスには鍵がかかっていて乗車できない。タイでは食事中にバス内部が荒らされるという事件が時々あるが、ミャンマーはタイより危険な場所であるから休憩時間中の施錠は常識なのだろう。

バガン到着
バスは朝5時前にバガンのバス停に着いた。暗闇の中に自分の名前を書いた紙を掲げた人がいる。出迎えのタクシー運転手だ。ヤンゴンの旅行代理店でバス停からホテルまでの送迎タクシーを予約しておいたのだ。料金は600円ほど。タクシーは自分一人を乗せて暗闇をひた走る。バス停からホテルまでどのくらいあるの?、7キロですね。ところでバガンには何日ご滞在で? えっ、4泊も? 普通は2泊、長い人で3泊というところです。

ミャンマーの代表的観光地といえばヤンゴンバガンマンダレー・インレーの4つだろう。全部回るにはまず10日は必要、ヤンゴンを含めて5日しか余裕のない自分にはヤンゴン以外の1つを選択しなければならなかった。無理すれば2カ所回れそうだが、それでは旅程をこなすだけで旅を楽しむまでにはいかない。先達の勧めもあって、今回の旅はバガン一カ所に絞った。11世紀から13世紀にカンボジアのアンコール朝と共に東南アジアを2分した栄光のバガン王国の古都でゆっくりする、悪くはないだろう。

バガンにはその数2千とも3千ともいわれる仏塔(パゴダ)を中心とする仏教遺跡群がある。カンボジアアンコールワットインドネシアのボロブドゥールと並んで世界三大仏教遺跡の一つに数えられている。1287年にフビライの軍隊と共にバガンを訪れたマルコ・ポーロは、『東方見聞録』の中で、パガン王が造った「黄金の塔・白銀の塔」について、その威容をこう述べている。「太陽の光に触れては燦然と輝き、はるかな彼方からでもその光輝を望見できるのである」。

■夜明けのパゴダ
予約したインワホテルに着いたが、まだ部屋が空いていないというのでホテルのロビーで休む。夜明け前というのに、泊り客のファランが慌ただしく出入りする。ファランは自転車、バイク、バスに乗って示し合わせたように南西の方角へ行く。ああ、そうか、夜明けのパゴダ群を見に行くのか。
フロントで観光情報を得る。タクシーだと1日2万5千チャット、馬車なら1万5千、バイクなら6千だね。それじゃ今、バイクを貸してちょうだい。Eバイクという50ccの原チャリよりしょぼい中国製の電動バイクが出てきた。朝焼けを見たいんだけど。この道をまっすぐ7キロ行けばわかります。

街灯もない真っ暗な道を7キロ進んだが、何も標識はない。ヤッケを着ていても寒さは募る。大体、バガンの地理は全く分からない。着いてすぐのバイクはやはり無謀、えい、このまま戻るか。

逡巡しているところにバイクの灯りが近寄ってきた。どこに行きたいの、それじゃ案内してあげる。ガイド料を少々ぼられてもかまわないと腹を決めて彼のバイクに従った。彼はあるパゴダに着くと、暗闇の階段を携帯で照らしながら、テラスへと向かった。東を望むテラスにはすでにファランが数人陣取っていた。寒さの中、待つこと30分、まさに幻想的な風景を目の当たりにすることになった。(続く)



写真はヤンゴンのバス停、朝焼けのバガン、日の出を待つ人など