チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ミャンマーの旅(12)

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ミャンマーの旅(12)

■いつもながら準備不足
ミャンマーの旅から戻ってもう2ヶ月以上経つ。バガンの想い出も朝靄に浮かぶパゴダの如く渺茫たる白い闇に包まれて、忘却の彼方に過ぎ去ろうとしている。旅行記を書くならば、時系列的に訪問場所、感動したこと、現地の人との会話などをしっかりメモしておくべきだろう。また旅に出る前にはネット、書籍で情報を集める、少なくとも「地球の歩き方」程度のガイドブックに目を通しておく必要があるのではないか。

外国人旅行者を観察してみると、厚さ5センチはある「ロンリープラネット」を持っている人が多い。2年ほど前、ラオスのルアンプラバンからメコン河を遡ってフエサイまでスローボートに乗り、チェンライに戻ったことがある。舟の中でファランロンリープラネットを読んでいた。日本の旅行案内だったから借りて読んでみた。、神社、仏閣の案内から、どこの店は美味しいまで旅に役立つ情報が満載。トウキョウは、シンタロー・イシハラという右翼政治家がガバナーだから気を付けろ、とまで書いてあるのでびっくりした。しっかりしたガイドブックを持ち、携帯で予約したホテルに泊まる旅行であれば、旅の不安の8割は解消されるはずだ。

今回のミャンマー旅行はどこに行くかよくわからないまま友人にくっついて出かけた。友人の勧めでバガンに来たが、宿泊、送迎、飛行機などすべてヤンゴンで済ませた。行った先でGHを探すという行き当たりばったりの旅が普通の自分にとっては旅程だけは完璧のパガンであった。ただし、訪れたパゴダや寺院についてメモを取っていないため、時系列的にも記憶があやふやになってしまった。以下、思い出すままに印象に残った遺跡の一つ、シュエサンドーパゴダについて記してみる。

■シュエサンドーパゴダ
バガンを代表する仏塔、バガンと言えば、無数の仏教遺跡が朝日、夕日に浮かび上がる藍色のシルエットで有名であるが、その朝焼け、夕焼けの絶景スポットがシュエサンドーパゴダである。1057年建立。モン族のタトォンを倒し国を統一したアノーヤタ王の建設したバガン黄金期の初期のパゴダだ。シュエサンドーとは、シュエ=黄金の、サンドー=聖髪、「聖髪の黄金仏塔」という意味。お釈迦様の髪の毛が納められているとのこと。レンガ色と白色のコントラストが美しい。パゴダは5層になっており、とんでもない急勾配の階段を上る。勾配がきついだけでなく一つの階段の高さが40-50cmある場所もある。足の弱い年配のファランは最上のテラスまで登ることをあきらめて2段目か3段目で我慢する。自分も5年後には年配ファランと同じく一番上のテラスには到達できないだろう。

充分な高さを持つパゴダだから、見晴らしは良い。朝夕だけでなく日中も引きも切らず観光客が訪れる。夕方となれば観光バスが何十台も、また馬車やバイク、自転車が無数に終結する。パゴダからの夕焼けをデジカメに収めるために、群衆がアリの如くパゴダにとりついて第5層のテラスを目指す。自分がパゴダに着いたのは日没前30分であったので、東西南北にある階段にはアブラムシの如くびっしり人がくっついていた。自分もまず階段下で履き物を脱いで裸足となり、虫の一匹となってテラス最上部を目指す。やっとのことで第5層のテラスに着いてみると日没を臨む西側は渋谷ハチ公前のように人で一杯、それに北欧系とかドイツ系の大柄な男女が多く、見えるのは人の背中だけ。そんな中、日本語の会話が聞こえる。人混みの間から見てみると、西側最前部に脚立がいくつかあり、その後ろに座っている邦人がいた。恐らく彼らは3時過ぎから場所取りをしていたのだろう。

■あらまほしきもの
やがて日没の時刻となり、眼前にというか、ファランの腰の間から神秘的な風景が現われた。邦人が脚立を建てた位置からは丁度、夕陽がタビュニ寺院にかかって金色に輝いていた。陰となる寺院と夕陽のコントラストが美しい。この日本人は何日もシュエサンドーパゴダに通い詰めているのではないか。そうでなければ、あの絶好のアングルをものにできるはずはない。いい写真を撮るには努力と時間を惜しんではならないということか。

西側のテラスに立ち、日没のパガン平原を眺めてそれなりに満足した。しかし日没の1時間ほど前に東側テラスに立つと夕日が平原のパゴダや寺院に反射し、目立たなかった小さなパゴダが燦然と輝きだす、と、その後見たネット情報にあった。残念、今回は東側からの絶景を見落とした。やはり先達(情報)はあらまほしきもの、ではある。(続く)



写真はシュエサンドーパゴダ、上り階段、最上テラスの雑踏、最上テラスから見た夕焼け、途中のテラスでも充分か。