チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

他山の石

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他山の石

■なんでこんな人を
方丈の庵に籠り、世の無常を斜めに見る余生を送っていれば、生き恥をかかずに済んだものを、と鳥越氏のために残念に思う、と結んだ原稿をアップしたのは7月21日だった。週刊文春に12年前の淫行が暴露される前に書いたが、その後の鳥越氏の選挙活動も自分の危惧を裏付けるものばかりであった。
自分でさえ告示直後に鳥越さんを「人前に出せない人」と評していたのだから、野党4党の幹部だってわかっていないはずはない。よくこんな人を担いだものだ。責任者出て来い。

老人は若い人に道を譲り、できることなら誰にも迷惑をかけず、誰にも迷惑をかけられず、ひっそりと世間の片隅で消えていく、少なくとも自分はこのように死にたいと思っている。生きてるからには何がしかはご迷惑をおかけすることと思うが、その度合いはなるべく少なくしたい。

■自分はもう世に出てはいけない
ウズベキスタンで、自分を含めたシニアボランティア、協力隊員の送別会があった。それまで何度もJICA関係の送別会には参加している。宴たけなわとなったころ、ウズを去る人の挨拶がある。スピーチというほどではなく、在任中の感謝と残る人への励まし、普通の人なら2分、長くても3分で終わる。今夜は浮世の義理で、みんなの前にしゃべらされるな。緊張を和らげるため、杯を重ねた。中々、順番が回ってこない。更に飲んだ。自分が指名された時にはかなり酩酊していた。えー、今晩は私共のために盛大なる送別会を開いて頂き、ありがとうございます。実はあと、よく覚えていない。タシケント法科大学と提携している名古屋大学法学部の先生が何人か参加されていたが、自分の話を聞いて腹を抱えて笑っていたのは覚えている。おお、カレッジの学生よりノリがいいではないか。それからもみんなが大笑いしていることを良いことに20分ほど話し続けたらしい。らしいというのは翌日、仲間から言われたからで、自分はそれを聞いて深く恥じた。このような人間はもう世に出てはいけない、と決心した。

東京で受けた帰任面談では「是非、再応募して下さい」と懇願された。JICAでは派遣者の通信簿を付けていて、自分はかなり成績がよかったらしい。でも「いえ、母の介護これあり・・・」などと口を濁したのは、送別会の醜態あってのこと。
この時、60歳、考えてみれば60になったら仕事をやめて好きなことをして暮らそう、と思っていたから、送別会の件があってもなくても、同じだったと思う。
当時、働いている友人に、なんで仕事しないのと問われ、「あに、五斗米のために腰を折らんや」、陶淵明を持ちだして粋がっていたが、働かないのは、ただ自分が怠け者だからであって、高尚な考えあってのことではない。

■はっきり言ってビョーキ
認知症になる前にはいくつかのシグナルがある。例えば、「なんでもないことに血相を変えて怒り出す」、「買い物に行くと何度も同じものを買ってくる」、「物忘れが激しい。記憶が思い出せない」、「被害妄想や思い込みが激しい」、「嘘をつく、作り話をする」など。
鳥越さんの選挙期間中の、またそれ以前の言動に当てはまる項目があるのではないか、何度も同じDVDを買ってくるなどいくつかは本人も認めている。

日本人男性の健康年齢は71.19歳、彼は後期高齢者の76歳、数人の介助がなければ選挙カーに上れなかった。都知事の職は激務、体調を自問したならば、立候補を思いとどまったと思う。また、50年も取材をしてきたので、3日もあれば、都政は理解できる、と言っていた。理解どころか、自治体の権限、財源について全く知識がないことをあちこちで暴露した。選挙中盤まで、ニュース解説、街頭演説を熱心に視聴していたが、投票1週間前くらいから全く興味が無くなった。小池さんで決まり、ということもあるが、鳥越さんの老醜が哀れになってきたからだ。参院選東京区で、自・公合計230万票。野党合計230万票、計算上は与党から小池、増田2名の候補者が出たから、野党一本化の鳥越さんは勝てるはずだった。勝てるなら誰でもよかったのか。選挙運動後半はボケ老人への虐待としか見えなかった。

無頼のジャーナリスト、それに76歳ともなれば、お前なあ、と忠告してくれる人は多くないだろう。聞く耳を持つということは自らを省みる、ということでもある。鳥越さんはそれができなかった。

自分も間もなく認知症シグナルが出てくるだろうし、忠告してくれる先輩、友人は少なくなる。
鳥越さんの生き恥は加齢と関係しているから、自分と重なるところがある。鳥越さんの狂態を他山の石としてひっそりと世間の片隅で消えていきたい。