チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

選挙に行った

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選挙に行った

■関心は高い
第47回衆議院総選挙は12月14日が投票日である。海外にいる邦人も一定の手続きをしていれば投票できる。タイでは大使館およびチェンマイ総領事館に出向いて「在外公館投票」をする。チェンマイ総領事館では12月3日から7日までの5日間だけの受付。記入済み投票用紙を日本に送る日数を計算に入れるから1週間前の締め切りとなるのであろう。

日頃、日本の政治には興味を示さないテニス仲間のOさんが「今回ばかりは安倍さんに頑張ってもらわなければ」と友人を誘ってチェンマイまで行くという。あれ、Oさん「在外選挙登録」してんの、何それ?。在外公館投票をするためには、あらかじめ登録をし、在外選挙人証というカードの交付を受ける必要があるんだよ。えっ、そうなの、でもカミさんに言い訳が立つし、みんなとチェンマイで遊んでくるよ。まあ理由があればチェンマイに行くのも悪くはない。

■出足好調
チェンライからチェンマイまで約200キロ、交通費、宿泊代を考えると投票に二の足を踏む邦人も少なくない。しかし少々、経済的負担があっても国民の権利行使の機会、カリビアンを駆ってチェンマイへ。ノンストップで3時間弱。チェンマイ総領事館は警戒が厳重、持ち物のX線検査はもちろん、ボディチェックも受ける。投票所は領事館手前の会議室であるのになぜボディチェックまで必要なのか。

在外選挙人証は横9cm、縦6cmの3つ折りの小さな紙だ。これに日本で投票できる選挙区やら登録証明、氏名、生年月日、性別などがびっしり細かい字で書かれている。投票所でこれをもとにまず書類記入。選挙人証の右上に11桁の交付番号が付されている。直径2mmくらいの小数字なので、老眼鏡を忘れた人は読めない。だから投票できない。なんで選挙管理委員会はこうした意地悪をするのか。眼鏡を取り出して番号を読もうとしたら、目の前に大きな虫めがねが置いてあった。これは領事館の好意か。おお、と声を上げると顔見知りの領事さんが微笑んでくれた。

比例区小選挙区に鉛筆で政党、候補者名を記入し、封筒に入れる。封筒を立会人に提出してチェックを受ける。投票開始2日目だったが、「もう60名の方が投票されたのですよ」と領事さんが嬉しそうに教えてくれた。封筒の粘着防止シールの紙でゴミ箱が一杯、今回の選挙はかなり関心が高いようだ。

■解散の大義
年末の忙しい時に何故、などとマスコミは言うが、前回2012年の衆議院総選挙も12月だったし、2年後の任期満了時でも歳末選挙になる。大義なき解散と野党は批判するが、野党にとっては政権交代のチャンスであるし、政策を争う意味でも解散総選挙は歓迎すべきはずだ。集団自衛権閣議決定の時も特定秘密保護の国会通過時も、野党は国民の審判を受けよ、と言っていたではないか。野党の主張の正しさをこの機会に国民に訴えるべきであるが、その元気はないようだ。

消費税が5%から8%に上がったのは今年の4月、それまでの新聞社の論調はすべて引き上げ賛成、多くの経済学者も消費税3%引き上げても7-9月に国民総生産(GDP)は2-4%伸びると予測していた。結果は実質マイナス1.6%。これでさらに消費税を2%上げれば、日本経済はデフレに落ち込む。こんなことは自分でもわかる。それなのに財界、労働界、マスコミ、エコノミスト、野党ばかりでなく自民党からも消費税再値上げの声が上がっていた。

消費税再値上げに反対する議員のもとには財務省のご進講メンバーが訪れ、「先生の選挙区の橋、掛け替え時ですね」と囁いて、再値上げ賛成派に寝返らせる。経済学者、エコノミストは殆ど消費税再値上げ派だ。関係者の話だと、財務省には優秀な官僚がいて、学者の著書、論文に目を通し、間違い探しをする。間違いがあると呼びつけてそれを指摘し、そのあとで「先生にも頑張って頂かないと」と言って官費旅行をセットし、サミュエルソンなど著名な学者に会わせてあげる。こういった学者は財務省の諮問会議の委員にしてもらったら殆ど財務省のいいなりになる。

新聞社も購読料を軽減税率の対象にしてもらいたいので、財務省寄りの立場となる。

このままでいけば安倍首相は与野党、世論に押され、「国際公約」通り、消費税を10%に再値上げせざるを得なくなる。その結果、経済は停滞し、地方選、参議院選挙で自民党が大敗する恐れがある。そうなれば安倍下ろしが始まる。

続投のためには負けない時期を選んで解散総選挙に打って出る。その解散権は首相の専権事項だ。解散の大義があるとすればそれは首相の胸一つにある。

この選挙に勝てば長期政権、名宰相となる可能性大とみる。