チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

植物と季節感

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植物と季節感

■極寒のチェンライ
今年は暖冬とのことで、チェンライでも1月初めは最低気温15,6 度、最高気温30度前後の爽やかな天気が続いていた。ところがここ2,3日、最低気温が10度前後と自分にとっては極寒ともいうべき気温となっている。昼は陽が差すので、25度以上にはなるが、午前中は足が冷たくて靴下が欠かせない。暖房器具がないから暖を取るために布団にくるまって、猫のようにじっとしている。午後になってやっと室温が20度を少し越えるが、長袖シャツにダウンのチョッキ姿。体がすっかりタイ仕様になってしまった。統計によるとチェンライの1月の平均最低気温は12度、最高気温は28度とのこと。だからこの寒さも誤差範囲ではある。

午前中、せめて日光で暖まろうと庭に出て、草抜きをした。1月ではあるがトマトの芽が15センチくらいに育っている。花壇の土は数年前、日本に帰ったMさんからもらったものである。土の中にトマトの種が入っていたのか、毎年トマトの芽が出る。トマトは剪定しないといい実がつかない。野放図に伸びた枝に生った小さなトマトが花壇に落ちて、また次の年に芽が出る。

■自家製野菜
昨年はインゲン豆が庭に繁茂して、毎日のように茹でインゲンが食卓に上った。長さ30センチ、太さ7=8ミリの食べ頃のインゲンをポキポキ折り取っていると太さ10センチ程の束になる。タイではソムタム(パパイヤサラダ)やパッタイ(タイ風ヤキソバ)と一緒に生のインゲンをポリポリ食べる。女中さんはインゲンを収穫しながら食べていた。採りたてのインゲンは甘くて青臭さがない。
自分の家で育ったものであるから、無農薬である。タイの野菜は農薬漬けと言ってもいいので、無農薬というだけで価値が出る。
家ではとても消費しきれないので、ジアップ先生や友人に配って歩いたが、喜んでもらえたようだ。

花壇には現在30センチほどのインゲンの苗が数本生えている。ブアさんが11月に蒔いたものだ。気温が低いせいか成長は遅いが、花壇の肥えた土のおかげで葉っぱは青々している。あと2月もすれば、気温も上がって日照時間も長くなる。それこそジャックと豆の木の豆ではないかと思うくらいのスピードで蔓を伸ばしていくだろう。庭に苗が出てるよ、と兄に言ったら、また、インゲンばっか喰うことになるのかよー、とうんざりしていた。考えようによっては贅沢な不満である。

モロヘイヤも10センチくらいに育ってきた。種はダイソーで売られていた。我が庭の土地にあったのか、昨年はまるで灌木のように生い茂って、味噌汁の実にしてよく食べた。モロヘイヤには美肌効果があり、クレオパトラが美人だったのはモロヘイヤのお陰とか。モロヘイヤはアラビア語で「王様の食べる野菜」という意味。その昔、王様が重い病気にかかり、どんな薬を飲んでもな治らなかったのに、「モロヘイヤ」入りスープを飲んだら、たちまち回復した、という話が伝えられている。それだけ栄養価が高いということだろう。もちろん王様だけでなく、昔からエジプトで日常的に食されてきた庶民の味、1980年代には日本でも栽培されるようになった。そして今ではチェンライの我が家の貴重な栄養源となっている次第。
今年は美肌効果が実感できるほど、大量に栽培したい。

■田植えとスイカはいつでも
1月にインゲンやトマトの苗が育つ。こういった自然現象にまだ慣れない。今、団地の生け垣にはカンナが咲き乱れているし、ヒマワリも咲いている。
昨年は政府の米の買い入れ価格が高かったとかで、農家もやる気が出たのか、1月というのに水を張って代掻きをしている田もあれば、もう田植えを済ませた田もある。台風が来たり、霜がおりる心配はない、いつでも田植え、刈入れができる土地柄、と分かっていても、何か違和感を感じる。1年の四季がはっきりしていて、田植えにせよ、ヒマワリの開花にせよ、全国ほぼ一斉、という規則正しい日本の自然に半世紀以上、慣れ親しんできたのから違和感は仕方ないか。

チェンライでも乾季、雨季、暑季と季節がないわけではない。この季節限定という果物も多い。でもスイカは1年中、出回っている。先日、美味しいスイカが食卓に上った。その種を女中さんが、庭に蒔いた。壺状に掘った穴に、植木屋で購入してきた土を入れ、そこに3粒づつ、スイカの種をまき、時折水をやる。先日、しっかりした青々とした双葉が生えてきた。スイカは植え付け後、90日で収穫できるという。スイカが大好物の自分にとっては、違和感があろうとなかろうと4月にかぶりつけるはずの自家製スイカが楽しみである。




写真は今朝のトマト、あとは昨年のインゲンの花、インゲン、それにモロヘイヤ