チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

暑季のチェンライ

 

イカ売り場

4-5個で300円弱

マンゴ-は一個30円くらいか

スロバキアのトソーバ母子

二人の間にはいつもタッパが

コート上のトソーバ選手、この日は細木祐佳選手に4-6,3-6で敗れた



暑季のチェンライ

■暑季のトーナメント
タイの4月は暑季に当たる。チェンライでも最高気温が35度を越える。いくらタイの子供でも暑くて勉強する気にならないので3月末から5月初めまで夏休みとなる。武漢肺炎のため、タイでもネット授業で登校日が少なかったはずであるが、先生も生徒も夏休みを短縮して授業を行う、という殊勝な考えはなく例年通りの休暇となっているようだ。

テニストーナメントも乾季に行えば選手もベストコンディションでプレーできると思うのだが、よりによって暑季真っ盛りの大会となった。10年以上チェンライに住んでいるがプロテニスのトーナメントが開催されるのはこれが初めて、素晴らしいプレーを目の当たりにできるので選手には申し訳ないが大変嬉しい。

トーナメント第一節は最高気温が32,3度と暑季にしては過ごしやすかったが、第二節のソンクランの週は気温が37度を越える日が続いた。コート上は40度を越えていただろう。苛酷な条件下で、1日に、時にはシングルス、ダブルス、計、約4時間の試合を戦う選手の体力、持久力には感心する。観戦している自分も汗ダラダラとなったが熱戦が続いたせいばかりではなく、単に気温が高いからだ。

選手ばかりでなく観戦者も消耗する。家に帰ると家の壁が西日で温められているため、陽が落ちても室温が下がらない。机もベッドも枕も触ると熱い。部屋の中の物全体が体温より高くなっているのだ。こんな夜でも扇風機だけで眠りに入れるのは、チェンライには熱帯夜がなく最低気温が暑季でも20度ちょっと、夜半には涼しくなるからである。

■選手の食べるもの
選手に「チェンライ、暑いでしょう?」とか話しかける。タイへの遠征経験がある選手もいるがチェンライはみな初めてという。半月以上、会場近くのホテル住まい、3食は提供されるが、パクチを受け付けない選手もいて、気候ばかりでなく体調管理には気を遣うようだ。

街へ出れば日本食も食べられますから、それにマンゴー、ソムオーなどの果物が安くて美味しい、という選手もいた。日本食と言ってもチェンライのそれはロングステイヤーの郷愁を何とか満足させる程度の味、センタンの食堂街に日本のやよい軒があって、味噌カツ定食を食べることがある。プロ女子がやよい軒に行きました、と言っていた。あの日本食でも元気を取り戻してくれるなら、と思ったものだ。

今、マンゴーは1キロ20B(70円)、1キロで3,4個はある。今年のマンゴーは豊作で、スコタイなどの生産県では、売り渡し価格がキロ・2Bと下落したため、出荷を諦める農家もあるという。ビタミンA、Cを多く含み、世界三大美果の一つというのにもったいないことだ。

マンゴーはウルシ科の植物で漆のウルシオールに似たマンゴールというかゆみの原因となる物質が含まれている。それで食べすぎると口の周りなどにかぶれ、湿疹を起こすことがある。選手達も食べすぎなければいいが。自分の場合、1日に2個食べることがあるが、痒くなったことはない。

■果物
こう暑いと食べたくなる果物はある。スイカだ。スイカは蔓になる瓜の一種だから野菜ではないかと言われる。正確には野菜的果物という分類とのこと。チェンライには年間を通してスイカが売られている。だから暑季のものと決まっているわけではないが、この時期のスイカは一段と甘いような気がする。スイカの形状はウズベクのスイカと同じく楕円形が中心。兄がランムアンの卸売市場で買ってくる。大きなスイカのほうが甘い。一般の店ではキロ当たり20Bだがいつもの店ではキロ10B、5キロのスイカで50B(200円弱)と安いから、食後によく食べる。

喉が渇いたときに水やお茶を飲むのも悪くないが、スイカを短冊状に切り、大皿に盛って好きなだけ食べるのもいい。日本ではスイカは高級食品になっていて、1個2000円くらいしたと思う。
イカにはビタミンAが含まれ利尿作用があり、腎臓にもいいそうだ。酷暑の中、喉が渇いた、と気が付くとき、老人だったら熱中症寸前という。スイカは夏バテ防止に最適だ。

テニスコートの観戦席に毎日、スロバキアのトソーバ選手とお母さんが座っている。お二人とも180センチはあろうかという長身だ。特に娘さんは美しい。いつも二人の間にスイカとマンゴーの小片が入ったタッパが置かれていた。

日本から十数人の選手がトーナメントに参加している。彼女、彼らがもう結構です、というほどの数のマンゴーやスイカを差し入れることには吝かではないし、財政的裏付けも充分ある。でも失礼ではと思い、申し出ることはなかった。