乾季から暑季へ
■暑季は厳しい
チェンライ一年の気候は大まかに1月から3 月が乾季(冷季ともいう)、4月、5月が暑季、6月から9月までが雨季、10月から12月が乾季となって翌年3月まで続く、と言った具合だ。もちろんカレンダーで月が替わった途端に変化があるわけではなく、徐々に季節は移ろっていく。
1月は最低気温が10度前後という寒さに震える日があったが、3月に入り、このところ最低気温は17、8度、最高気温が37、8度という日が続いている。もちろんこれより気温が低い日もある。でも暑季の始まりを告げるチェンライイエローと呼ばれる色鮮やかなレモンイエローの花が咲き始めたから、季節は確実に暑季に入っている。これからうんざりするほど暑い日が続く。タイの学校も3月から5月にかけて夏休みに入る。こんなに暑くてはいくら暑さに慣れているタイの子供でも勉強などできない。
バイクツーリングで頬や体にあたる風が爽やかと感じるのは乾季だけ、暑季は道路の照り返しもあって、外気温は40度以上、ムッとするような熱風が押し寄せてくる。長距離走行の場合、腕や体にペットボトルの水を振り掛けて走るのだが、気化熱で涼しく感じるのはほんの一瞬に過ぎない。
あるライダーはストッキングに氷を詰めて首に巻き、滴る水滴をシャツで受けながら走行するという。これならばしばらくは快適なツーリングを楽しめるかもしれない。良いアイデアと思うがまだ自分は実行していない。まずチェンライではストッキングをはいている女性は滅多にいない。タイ語のジアップ先生もいつも生足。それに女性に使い古しでいいですからストッキングを下さいませ、などと言えば変態扱いされるのがオチだ。
日本の自宅のタンスには古いステテコがある。股下の部分を切って両端を縫い付ければ同様に使えると思うが、ステテコを首に巻いてまでバイクに乗りたいと思わない。そんなことすれば、まさに「変なオジサン」になってしまうではないか。
■青田が広がる
チェンライは水さえあれば3期作が可能であるが、用水路が整備されていない地区ではタイ東北部イサーンと同じく年に一度しか米作りができない。2期作の場合、1月に田起こし、2月に田植えをする。いつ田植をしても普通に育つという土地柄だから全部の田んぼの苗が一律、同じ生育状況ではない。でも3月に青々と広がる田んぼを一望するとなぜか心が休まる。この頃はタイの農家も裕福になったのか、田植えを機械で行うところも増えた。田植え機を使った田は条線がいくらか曲がっていても等間隔に苗が植わっているのですぐわかる。手植えの苗は条線もグニャグニャで、苗の間隔も適当だ。田植えなどせず、ミレーの「種を蒔く人」のように直播の田んぼも少なくない。
お米の味は土や肥料によって変わるという。日本の篤農家は土を口に含んで、ウン、この土の状態ならいいコメがとれる、などと呟くそうだが、そこまでするタイの農家はないのではないか。でも田んぼを見ると農家のヤル気の有る、無しは感じられる。頑張っている農家の田んぼはあぜの草がしっかり刈られていて見た目がきれい。青々としていて生育状況が一定だ。それなりの農家は青さが濃かったり、まばらだったり。今、チェンライで栽培されているコメは育ちの早いインディカ種が中心で、主として煎餅やクイッティオ(タイソバ)の原料に用いられるのこと。ということは味はイマイチらしい。
雨季に入ると魚は産卵期に入り、身が痩せてパサパサの食感になって不味いという。魚が太って脂が乗る乾季に収穫したコメがタイでは美味しいとのこと。チェンライでは乾季11,12月に収穫するコメが香りがよく、味に甘みがあり、つややかで美味しいと言われている。土、肥料ばかりでなく季節によってコメの味が違うようだが、タイ米を食べる機会があまりないので、タイの銘柄米や新米の味についてはよく知らない。
■2期作と2毛作の違い
タイの米についてネットで調べるうちに、2期作と2毛作の違いを初めて知った。2期作とは同一の耕地に同じ作物を年2回栽培収穫すること、年2回米を栽培収穫するとか。一方、 2毛作は同一の耕地に一年のうち2種類栽培し収穫することで、例えば九州で行われているようなコメのあとに麦を栽培し収穫するといった形態をいう。この違いは小学校の社会科で習うそうだが、自分の中では完全に混同していた。2期作と書くべきところを2毛作と書いたブログがあると思う。これは自分がモウロクしたわけではなく、小学生の時、先生の言うことをよく聞いていなかっただけ、と思いたい。
写真は田んぼ、今盛りのチェンライイエロー、最期は我が家のアンチャンです。