チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

乾季・低湿度

イカとメロン皮 ウズでは2日こうなる

紫芋干し芋

干し芋第2弾

味はいいが・・・見た目が悪い

チェンライの市場

同上

 

乾季・低湿度

■乾季は夏の軽井沢

現在、乾季で晴れの日が多い。テニスは毎日できる。テニス仲間のロバートが、湿度が30%を割っているんだぜ、という。確かにコートを走り回っても汗が出ない。出ないというより出てもすぐに乾いてしまうのだろう。4,5月の暑季には絞れば水滴が垂れるほど汗でシャツが濡れるし、テニス用のショートパンツもびっしょりになる。運動したなあ、という気分になれるのは暑季の頃かもしれないが、今の時期、気温が30度を越えても湿度が低いせいでまるで夏の軽井沢のように爽やかである。

ただ2月も半ばを過ぎると煙害が起きて、道路の向こうがぼんやりと霞み、人によっては気管支炎になる。煙害は肥料の買えない山岳民族が焼き畑農業をするためと言われている。タイだけではなくラオスミャンマーでも盛んに山を焼くのでその煙がタイ北部にやってくる。焼き畑は貧困と関係するから煙害問題はすぐには解決しない。チェンライにロングステイするためのささやかな代償と諦めるほかはない。

湿度と言えばウズベキスタンの夏を思い出す。湿度が数%、外出時は1.5Lのポリ飲料水を持って歩いていた。ポリビンを濡れタオルで巻いて外気に晒すと蒸発熱でポリの水がいくらか冷たくなった。街では素焼きの壺に入った水が売られていた。素焼きの壺の表面に染み出した水が蒸発し、壺の中の水はひんやりしている。柄杓でコップに注いでくれる水はいくらだったのか。

干し芋

日本放送の「飯田浩司のOK!Cozy up」という番組を聞いていたら、聴取者への「干し芋」プレゼントを告知していた。干し芋か、しばらく食べていないな。小学生の頃、干し芋は一袋30円か40円、ありふれた子供のおやつだった。今ではラジオ番組のプレゼントになるほど高級品に昇格している。ネットで調べると、干し芋1キロの価格は、安いもので2千円、高級品だと数千円もする。りっぱなご贈答品だ。サツマイモはもう庶民の食物ではないのか。チェンライではサツマイモはジャガイモより身近な存在である。市場でよく見かける。芋を使ったスイーツが夜市でも売られている。でもタイに住んで十余年、何故かタイで干し芋を見たことがない。

今は乾季、湿度は低い、そうだ、干し芋を作ってみよう。チェンライの新時計塔の北西にムン・ムアン寺がある。寺の塀に沿って山岳民族が野菜や果物を地べたに並べて売っている。チェンライ観光では外せない場所であるが、販売されている農産物は新鮮で価格も安い。たまたまこのあたりを通りかかったので、サツマイモを3,4本買った。値段は日本円で1キロ120円ほど、日本では、安納芋、鳴門金時で1キロ、1200円はするようだ。

紫芋だった

まず芋を蒸かす。蒸し器といった洒落たものはないので大鍋に円筒形の針金を置き、その上に芋を並べる。1時間ほどして、箸がすんなり突き刺さることを確かめて火を消す。

芋の粗熱が取れたところで、包丁で1センチほどの厚さで縦方向に芋を切る。この時、初めて気づいた。芋は紫芋だった。黄金色のいわゆるサツマイモと思っていたのでショックを受けた。でも芋自体の味はそれほど変わらない。紫芋は、その鮮やかな紫色を利用してスイーツやモンブラン、ポテトチップスやスープに用いられるそうだ。日本で売られている紫芋には、種子島が産地の種子島紫、おもに千葉県で栽培されているパープルスイートロード、鹿児島、沖縄で栽培されているあやむらさき、なかむらさきなどの種類がある。チェンライの紫芋がどの種類であるかはわからない。芋は芋、その昔、アンデスで栽培され、コロンブスが持ち帰ったサツマイモの子孫である。

■満足度60%

家に野菜干しの網があった。重ならないように並べて干す。湿度は低く、陽光は結構厳しい。夜は露がおりるかもしれないので軒先に移動しておく。1週間も干せばいいか、と思っていたが、3日でカチカチになってしまった。紫というより黒っぽくなって、イモというより火事場跡の燃え残り木片だ。厚く切った芋の真ん中あたりは昔を思い出させる柔らかさ、もう10年後はムリと思いながら干し芋を何とか嚙み切る。そういえばここ何十年か、干し芋を口にしていなかった。子供の頃の郷愁が口の中に広がる。干し芋かじっていた頃が我が人生の華であったか。

尚、固型化した芋はフライパンに少し水を垂らして熱することにより美味しく食べられた。その後、ネットで干し芋の作り方を学習したので再チャレンジするつもりである。上手くできたら、ラジオ番組の景品に提供してもいいと考えている。