チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

米ぬか酵素風呂

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米ぬか酵素風呂

■蒸し風呂効果
最近、日本では米ぬか酵素風呂が人気だそうだ。発酵したぬかの中に横たわって、汗をかく。ぬかの代わりに砂で行う指宿(いぶすき)の砂風呂は有名だ。指宿の海岸沿いにはいくつもの温泉スポットが点在していて、その熱で温められた砂を利用して、砂蒸し風呂がある。指宿市の天然砂蒸し風呂は世界一の規模を誇る。遥か元禄時代から砂風呂は行われていて、現在は年間300万人の観光客が訪れるとか。与謝野晶子は、「白波の下に熱砂の隠さるる、不思議に逢えり、指宿に来て」という歌を残している。
砂風呂は浴衣を着て砂の上に横たわり、体に砂をかけてもらう。発汗が激しいし、砂の重さが40キロくらいになるというから、高血圧(180・100mmHG以上)・心臓病・不整脈狭心症・肺疾患・妊娠中・炎症・発熱のある人は入浴を控えた方がいいという。

300年以上の歴史を持つ砂風呂に比較し、ぬか酵素風呂は50年ほど前に開発されたのであるが、芸能人がその効果をテレビで宣伝したせいか、全国に広まった。米ぬかに水を加えるとぬかに含まれる酵素菌の働きで発酵熱が出る。温度は50度から70度になるから、雑菌は繁殖しない。
ぬか酵素風呂の効果としては、冷え性改善、しみ・くすみ・アトピー・乾燥肌など肌荒れ防止、肩こり・腰痛・五十肩・ムチウチ・関節痛・神経痛・リハビリなど体の痛みの改善、更に肥満・疲れ・ストレス・便秘など。医者に見放されたがんが完治した、不妊症にも効果、という報告もある。

■チェンライにも
柳の下に泥鰌は2匹いる。日本で流行れば、タイでも商機あり、ということだろうか、チェンライにぬか酵素風呂ができた。10月から正式開業だが、8月、9月はプレ開業、お代はお気持ちだけというので行ってみた。市内から約15キロ、チェンライ陸運局から4キロの地点にある。ソイから未舗装の道に入って200m、更に車1台がやっと通れるあぜ道を行くと、養魚池に囲まれた倉庫のような建物が見える。迎えてくれたのは20代の邦人、Sさん、土地建物はバンコクでフリーペーパーを発行している会社のもの、という。日本資本である。

受付の隣に、ぬか置き場のような「浴室」がある。ぬかは水を加えたり、かき混ぜることで発熱する。スコップで人が横たわるスペースを作る。パンツ1枚でぬか床に寝ると足、腹、胸に暖かいぬかをかけてくれる。ぬかはサラサラ感があり、それほど重くないので圧迫感はない。初めはほっこり暖かいと思ったが、10分も経つと顔から顎にかけて汗が滴り落ちてくる。通常、ぬかに埋まっている時間は20分が限度とのこと。これでマラソン1時間半、エアロビックス2時間と同じ発汗量になるそうだ。

横になりながら手でぬかを掘っていくと熱いじゃねーか、というほど温度が上がってくる。すべてこれ、発酵熱。30分位頑張る人もいますよ、と言われたが20分で汗だく、ぬかまみれで飛び起きる。パラパラと体に付いたぬかを払い落し、シャワーを浴びる。シャワーの後も1時間くらい体が火照って汗が出る。帰宅してすぐ昼寝、夜もいつも通り就寝。起床したら気分爽やか。スクータでバンコクまで行こうかという気分になる。これがぬか酵素風呂デトックス(脱毒素)効果か。

■価格設定
開業前ということでお代は100Bだったが、日本のぬか風呂は3000円が標準価格だ。開業したら400Bにしたいとのこと。でも400Bとなると邦人で行ける人は少ない。「プライス・ポケット」という顧客が落ち込む適正価格がある。安くても高くてもいけない。金持ちタイ人をターゲットにするのだろうか。

先日、兄と友人のIさんとぬか風呂へ行った。3人並んで蒸して貰っていたら、館内に流れているイージーリスニングの音楽が止まった。あっ、停電だ。ぬか床から抜け出してもシャワーが使えない。パンツ1枚でうろうろしていたが電気が来る気配は無し。ぬかまみれ老人3人がこのまま街へ出れば、子供など恐怖で泣き出す。仕方なく隣接している養魚池へ。深さは腰くらい。背泳ぎしながら全身から撒き餌を撒く。Sさんは想定外の事態にショックだったようだが、これがチェンライでのビジネスの難しさ、面白さかもしれない。彼は社長に非常用電源を購入するよう進言する、と言っていたが、これはやはり日本人的発想。タイ人だったら、大きなバケツに水を張って置き、あっ、停電になっちゃった、この水で体洗ってね、で終わりだ。

アクセスはよくないし、設備も高級感に欠ける。結構、タイ女性のリピータが多いと聞くが、さて、ぬか風呂ビジネス、如何なりますか。元起業論教師として成り行きを注目しているところだ。




写真はぬか酵素風呂、受付には猫がいました。ぬかを落とした建物前の養魚池。