チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

涼しいソンクラン

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涼しいソンクラン

ソンクラン
13日から15日がタイ正月ソンクラン国民の休日、11,12日の土日を入れて5連休。今年のソンクランは涼しいですね、とあちこちで聞いた。連休期間中、チェンライの天気を見ると最低気温が20度前後、最高気温はせいぜい31度で、12日の最高気温はなんと26.2度だった。ソンクランと言えば水掛け合戦、これでは寒くてやる気が出ない。例年、ソンクランの1週間前くらいから、道路沿いにドラム缶がおかれ、物陰から子供が水鉄砲でバイクを狙う姿が見られたものだが今年は少ない。虎視眈眈と、通りすがりのバイクを狙う幼児の姿は可愛いものである。

それでも12日に家の前の国道をバイクで走っていた時、大きな水の半円が襲ってきて頭から爪先までずぶぬれになった。可愛いどころか、コンチクショウ、という気になる。2車線のうち、たまたま道路寄りを走っており、バケツを持った若者を発見した時は、後方から車が迫ってきていたので、攻撃を避けることができなかった。不覚である。

今年は軍事政権のお達しを守って、チェンライ市民は本当にトラックからの水掛け、飲酒を自粛するのかと思ったが、市内では例年通り、ハチャメチャな水掛けが行われたようだ。ようだ、と伝聞推定になっているのは昨年に引き続き、水掛け合戦に参戦していないからだ。あれは子供と若い人のやること、私共はこの時期、家に籠って水掛けなどやりませんよ、と長く住む邦人が言っていたが、自分も同じセリフを呟くようになってしまった。我が水掛け経験から言うと、確かに水掛けは子供と若者主体の祭りだ。

今年は特に寒いから水掛け合戦が始まるのは午後2時を回ってから。昨年まではドラム缶と花柄模様のソンクランシャツを着た子供を満載したピックアップが市内へ、市内へ、と集結していったものだが、今年は少ない。30度を越えても湿度が低いから陽が少しでも陰ると水より寒さとの戦いになる。夕方、寒さで体を丸くした子供を乗せて戻るトラックを何台も見た。

■ 街の様子
1月1日の正月、2月の中国正月に比べ、チェンライ市街は車が少ない。多くの商店、事務所はシャッターを下ろしていて街は閑散としている。昔の日本のお正月のような落ち着きだ。ソンクランをタイ正月というが、ソンクラン初日の13日は北タイで「大晦日」と呼ばれる。家の周りや家の中を大掃除する習慣がある。12日と13日、開店直後にスーパー、ビッグCに行ったのだが、駐車場に入れない車が長い列を作っていた。新年の買い物や清掃用品を買い求めに来たのであろう。

14日は本来の元旦に当たる。この日の朝7時前に、ブアさんに連れられて、近所の市場に行った。朝早いのに車やバイクで一杯、皆、正月飾りであるトゥンという長さ2,5mほどの木の枝を買い求める。全バイクが木の枝をかついで走る姿は壮観だ。トゥンにぶら下げる飾り、ネズミ、ウシ、トラなど12支が印刷された幟も合わせて買う。タイの12支は猫や豚、時には象がはいっている。貴方は猫年とか豚年ですね、と言われて驚く邦人もいるかもしれない。豚はタイでは可愛らしい動物とされているのでタイ人は気にしないようだ。14日は一般に外出を控えるべき日とされている。朝、テニスコートに行ったが、誰も来ていなかった。日本でも元旦からテニスをする人は稀か。

■15日の仏教行事
15日の早朝、またブアさんに起こされた。近くのお寺に行くのだという。初参りの15日は先祖供養の日となっている。山盛りのお菓子、果物が銀色の鉢に用意されている。それに飾りのついたトゥンの枝を忘れずに持参する。7時前というのにお寺は善男善女で一杯。トゥンの枝は境内の砂山に突き刺す。本来は、トゥンの枝と共に小さなバケツ一杯ほどの砂を奉納するという。砂は寺の増改築に使われるが、ブアさんの話だと、近所の川に架かる橋の下のUターン道路の痛みが激しいので、この砂とタンブンされたお金で補修工事が行われるとのこと。寺の増改築も道路補修も、国が税金を取って、公共事業として建設会社に発注するより、資金や資材を出し合って地元民が働く方が、税務署や地方建設事務所の経費が節約でき、合理的ではないかと思う。地元民も多少は潤うし、お寺が勧進元ならタンブンはほぼ全額還元される(はずだ)。

13日から15日のソンクランの後、本日4月16日がワンパークピー(1年の入り口の日)である。この日が元旦と言えないこともない。日本の「松の内」ではないが、今週末、19日まではソンクラン気分が続くから、バイクに突然、大量の水を浴びせられることがある。毎年のことながら暫く気が抜けない。




写真は水かけの子、14日の朝市、15日のお寺、トゥンの奉納