国際自転車競技
■タイで観戦する競技
日本では全く関心が無かったが、こちらに来て観戦するようになったスポーツとして、サッカーと自転車レースがある。
サッカーは2月からシーズンが始まった。時間の許す限り、空港近くのユナイテッド・スタジアムに行って、地元チェンライ・ユナイッテッドを応援に行く。チェンライ・ユナイテッドは現在2勝3敗2分けでプレミアリーグ20チーム中、13位。リーグ戦開始当時は19位か20位と低迷していたから、かなり健闘して盛り返してきたと言える。去年入団した村上君に加え、今年から名古屋グランパスで活躍していた杉本恵太選手が移籍してきた。16位以下になると2部リーグ降格の恐れがあるが、彼がチームのFWとして活躍してくれれば、今年もプレミアリーグ残留は可能ではないか。
さて、自転車競技は全く縁がなかったのだが、こちらで観戦するようになった。チェンライ県トゥンでゲストハウスを経営するNさんはもともと自転車競技の国体選手、彼のもとに冬季トレーニングをする日本の一流選手がやってくるようになった。彼らが昨年1月、チェンライで行われた国際レースで1位から3位を独占したことはブログに書いたことがある。
今年の1月にもメーサイで同じレースが開催された。前日、当日にレース開始時間がコロコロ変わり、応援に会場に着いた時は、もう選手がスタートした後だった。この大会はジュニア、シニアなどいろいろなカテゴリーがあるのだが、50歳以上のシニアレースにエントリーしていた日本人はスタート時間変更が告知されず、せっかく日本からやってきたのにレースに出ることができなかった。ここ4年、日本勢が上位を占めているので、タイの主催者が意地悪をしたのではないか、という話もあったが、単純にはタイ人の大会運営に問題があったからということだと思う。
Nさんは、このような草レースでいつも日本が優勝を掻っ攫うのは大人げない、と今年はオリンピックやツールドフランス経験者ではなく、大学生でチームを編成した。そのため入賞者を出すことができなかったが、出場した若者にはいい経験になったことと思う。
■公認レース
この4月にタイで唯一のUCI公認自転車レース、シリントン王女杯ツアー・オブ・タイランドが開催された。男子は4月1日から6日まで、女子は4月8日から10日までタイ各地を毎日転戦して回り、総合点で優劣を競う。UCI(Union Cycliste Internationale、国際自転車競技連合)は自転車競技の国際統括団体、歴史的には1900年設立に遡る由緒ある国際団体だ。
UCI公認のレースでは成績に応じてUCIポイントが選手に与えられ、それを国ごとに集計したものでオリンピックや世界選手権の参加枠が決められる。
男子レースには日本からはシマノ、愛三、ブリジストンアンカー、右京(片山右京のチーム)、マトリックスパワータグの5チームが出場した。6日の最終ステージ、パヤオ-チェンライ間120キロのレースでは日本人が1位から5位を独占、通算で総合優勝を飾り、世界選手権出場枠を獲得したそうだ。
■女子チーム応援
我が家には日章旗がある。これを持って8日の女子レースにも応援に来てほしいという依頼がNさんからあった。レースには日本、香港、台北、マレーシア、シンガポールなど9チームが出場、日本からはNさんが監督を務める日本選抜チーム、あさひという関西の自転車販売店が送りだした「チームあさひ」の2チームが出場する。この日はチェンライ市内の旧刑務所をスタート、ゴールとする110キロのレース。この距離を3時間弱で走破する。
1チーム、4-5人で構成、先頭を走ると後続選手の2倍は消耗する。だからトップを交代で務め、各チームけん制しながら走り、最終、一気にゴールへなだれ込む。その時の瞬間時速は70キロを超えるという。
日本選抜チームの5名は日本自転車界でも有名な美人揃いとのこと。チェンライでは日本の若い女性など見かけることはないし、いたにしても言葉を交わす光栄に浴することはない。日の丸を持っていたお陰で、キリリとした妙齢の女性におはようございますと挨拶された。
日の丸を持っているとタイ人が写真を撮らせて下さいと寄ってくる。どうぞ、と言って旗を持ってタイ人と一緒に写真におさまる。サッカー場のスタンドでも毎度このような経験をする。韓国や中国ではまず起こらない現象だろう。
初日、日本チームは落車に巻き込まれ、不本意な成績に終わった。初日トップは地元タイチーム、テレビクルーがタイチームを取り囲んで大騒ぎ。まあ、よかったのではないか。
写真、上からシリントン王女、スタート前、ゴール寸前、日本チームです。