チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ボートレース観戦

 

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イランチーム、カナダ人と記念撮影

 

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やはりガタイが違う

 

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ウクライナからも

 

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日本シニアチームの雄姿

 

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上から2番目、青シャツが力漕する日本シニア

 

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会場の空には龍に似た雲が。

 

ボートレース観戦

ドラゴンボート
第14回世界ドラゴンボート選手権大会が8月20日から25日の日程でバンコク近郊のリゾート地、パタヤで開催された。世界から30-40カ国、2000人を越えるアスリートが参集、日本からも80名以上の選手団がやってきた。ドラゴンボートとは1名のドラマー、10名~20名の漕ぎ手、1名の舵取りで行うボート競技で中国が発祥と言われている。

世界選手権に出場するためには国内で行われる主要な競技会を勝ち上がる必要がある。20数年前になるが、自分も東京龍舟という元香港駐在員が中心になって結成したチームに所属していた。日本でドラゴンボートが普及し始めたころで、我がチームは向かうところ敵なしであった。しかし競技の普及と共に常勝というわけにはいかなくなったが、自前の艇庫を持つ東京龍舟は土日の練習の甲斐あって、今も日本のトップクラスの実力を維持している。

実は2008年、大阪で開催された天神祭奉納日本国際ドラゴンボート選手権大会、シニアの部で優勝した東京龍舟チームの舵手は自分だった。2009年にプラハで開催された世界選手権に日本代表として出場する権利があったが、2009年の1月にタイに移り住んだため、参加を断念した。あの時一緒に漕いだ仲間もパタヤにやってくるという。チェンライから1000キロ離れているが、地元開催である。これは応援に行かなくては。

■ガタイが違う
7月にラオス方面2800キロの過酷なツーリングから戻ったばかりで、フォルツァで行くのもなあ、と思った。でもパタヤではホテルとレース会場は離れているだろうし、パタヤの交通事情を考えれば小回りの利くスクータでいくしかない。20日の早朝、チェンライを出発。ラオスの悪路に比べればタイの国道は片側2車線が普通、100キロ以上で飛ばしても全く問題はない。シンブリまで1日で660キロを走破した。新記録だ。

レースを観戦したのは22,23,24日の3日間である。ドラゴンボートレースでは米国、豪州、カナダ、それにタイ、中国、インドネシアが強い。各国選手団のテント村を回るとブルートみたいなキン肉マン、ウーマンばかりだ。国際試合であるからドーピングテストが行われるが、セックスチェックも必要ではないか。女子でも腕周りが20㎝以上はザラだ。日本女子は華奢で幼稚園児の感じだった。

昔、ウィーンでのシンポでカナダの大学教授から「お前の趣味は何だ?」と聞かれた。「ドラゴンボート」、と胸を張って答えたら、それにしちゃ腕が細いじゃないか、と二の腕をグリグリされた。アスリートとしてはもう役に立たないから舵をやってんだよ、と答えたが、ドラゴンボートイコールムキムキのイメージが普通らしい。

■レース並びに日本の実力
距離は2000m,1000m,500m,200m、また混合の部、女子の部、シニアの部、ジュニアの部など様々な競技カテゴリーがあるから、老若男女、誰でも自分にあったレースに参加できる。日本チームも東京龍舟ばかりでなく、各カテゴリーに参加するため、国内有力チームの混成団となっていた。イランからの女性選手団は真っ白な頭巾姿ですこぶるチャーミング、各国選手から一緒の写真撮影をせがまれていた。参加国は欧米とアジア各国が中心で黒人チームはいないようだった。

さすが、世界選手権、各国のパワーには目を見張るものがあった。我が日本は5艇レースであれば4位、6艇レースなら5位がいいところ。世界のレベルの高さを痛感した。東京龍舟は土日の練習だけだが、欧米の強国は毎日、それも朝練をして夕方もやる。練習環境も恵まれているのだろう。タイではどこでもボートレースをやっているから競技人口のすそ野は日本と比べようがないほど広い。

来年の東京五輪の種目にドラゴンボートは入っていない。もし日本がメダルを取る実力があったなら、正式種目になった可能性はある。強くないから助成がない、助成がないから強い選手を育成できない。バスケ、ラグビー陸上競技、スキー、スケートにしろ、日本は弱かった。でも日本なりの工夫と努力で世界のレベルに伍していく力をつけた。

ドラゴンボートはただ腕っぷしだけではない。漕ぐピッチを上げればスピードが出るというものでもない。どうやって漕ぎ手全員の力を合わせるか、パドル捌きによっても艇のスピードは変わる。もちろん、基礎体力はどんな競技でも大切だが、その先のブレイクスルーは日本らしさを兼ね備えた工夫に頼るしかない。今は入賞圏外だが、いつか日本のドラゴンボートが世界のトップレベルに追いつくことを信じてやまない。

25日の朝、パタヤを出立し、北部のプレーまで686キロを走破した。1日の走行距離としては新記録を樹立。