チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

村上君頑張る

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村上君頑張る

■降格の危機
日本の一部リーグに相当するタイ・プレミアリーグには各地域、団体の代表、18チームがひしめいている。リーグ戦の結果、下位3チーム、すなわち16位から18位のチームは下部リーグへ降格となる。
我がチェンライ・ユナイテッドは、これまでのところ1勝7敗6引き分けで15位である。それだけに応援にも力が入る。

5月25日の対戦相手ササーナはリーグ5位と格上のチーム、村上一樹選手はDFとして先発出場、前週にチェンライはアウェーの試合で今シーズン初の1勝を挙げている。この勝ち試合に村上君はフル出場している。今回も活躍してくれそうだ、と期待が膨らむ。

試合前の練習を終えた村上君が我々日の丸に目を留めて挨拶をしてくれた。元気なようでなによりだ。

試合はササーナが実力を見せつけて、7割がた、ボールを保持。前半は0-1で折り返したが、後半も押され気味、チェンライの主力外人選手はほとんどがブラジル人だ。彼らは個人技に頼って、パスワークがいまいち、無理なドリブルで前に進み、体勢を悪くしてからのパスは殆ど相手にカットされる。

いかに村上君が正確なパスを出してもMFやFWがこれでは試合にならない。後半2点を追加されて、0-3で負け。ダメ押しの3点目を入れられたあと、会場を出ていく観客が見られた。試合終了のホイッスルが鳴った後、村上君は何度か首を横に振った。思い通りにならなかった悔しさがよくわかる。

だが試合後、サイドスタンドに陣取るチェンライの大応援団からチャリ(村上君の愛称)コールが湧きあがった。見る人は見ている。我々もバックスタンドからチャリコールに唱和した。次も頑張れよ。

■過密日程
5月29日にアウェーの試合があり、チェンライはアーミー・ユナイテッドに2-3で敗れた。この試合にも村上君はフル出場。そのあとチェンライに戻って6月2日にホームでチョンブリFCとの試合。チョンブリは現在リーグ3位、手ごわいチームだ。ところが試合前の練習に村上君の姿が見えない。あれっと思っていたら、村上君が応援席の前にやってきて、「すみません、今日は出ないんです。5日の試合には出ますから」という。

チェンライ・ユナイテッドは5月25日、29日、6月2日、5日、8日と2日おきに試合を行うというJリーグでは考えられない過密スケジュール。これは通常のリーグ戦とトヨタカップの2つのリーグ戦を並行してやっているからだと思う。5月25日からの15日間で5試合あったが、村上君は4試合に先発フル出場している。サッカーに比べれば、野球などほとんどの選手は休息していると言っていい。それだけ激しいスポーツなので、休養をとって怪我の無いよう祈りたい。

サッカーは格闘技だ。選手同士のぶつかり合いで負傷退場者もでる。タイサッカーはJリーグに比べればえげつない。審判が見ていなければ足を引っ掛けて転倒させるし、羽交い絞めしてボールに近づけないようにする。倒れた選手を蹴りつけるというひどいチームもあるくらいだ。

2日の試合は応援空しく3-4でチェンライの負け、一時は1-4と引き離されていたが後半に1点差まで追いついた。次回に繋がる試合運びだ。

■6月5日ホームでの試合
5日もチョンブリFCとの試合、2日おいて同じチームというのも面白いが、これはトヨタカップの日程の都合。

試合前練習で背番号2の村上君を確認。
チョンブリにも櫛田君という日本人選手がいる。日の丸の前を通りかかったので、「クシダ、頑張れよ」と声をかけるとワイをして頭を下げた。かなりタイに馴染んでいるようだ。

試合はこれが下位チームかと思われるようなチェンライの頑張り、だがボールをよく支配するもののシュートが決まらない。前半は0-0、後半も何度も敵陣地を脅かすが決め手に欠ける。逆にカウンターアタックでチョンブリが素早くチェンライゴールに攻め込み、クロスを上げる。ボールの落下点にまるで鷹が獲物に向かうように村上君が突進する。相手選手の前面で大きくジャンプ、ヘディングでクリア。好判断且つ素晴らしいスピードだ。
ヘディングの態勢に入る前にどこにボールを送るか素早く自陣を見渡す。クレバーでシュアーなボール回し。村上君にボールが回るとホッとする。

後半も0-0で終了、30分の延長戦でも勝負がつかない。延長戦が終わった時、両軍の選手の多くがその場に倒れてしまった。死闘を尽くしたとはこのことか。村上君もピッチでトレーナーに足を延ばしてもらっていた。

PK戦で5-6で敗れはしたものの、3時間、サッカーの面白さを満喫した一夜だった。今後も村上君の健闘に期待したい。


画像一番下が村上選手