チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス、アカ族の村を訪ねる 20

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ラオス、アカ族の村を訪ねる(20)

■レポートは道半ば
アノン村でのアヘン吸引や大麻など麻薬の話を書いたので、ラオスは危ないとか暗い国だとか思われた人がいるかもしれない。でも個人的にはのんびりとしたラオスが大好きである。

2年前、ラオス世界遺産ルアンプラバンを訪問した。短期間の旅行だったがレポートを十数本書いている。今回はムアンムン、ウドンムサイ、ポンサリと3カ所を旅しているが、ウドンムサイまでで20本もレポートを書いてしまった。書けるということは何か好ましい印象があるからと思う。

首都ビエンチャンにはいましたよ、と友人が教えてくれたが、2回の旅行を通してラオスでは物乞いを見たことがなかった。チェンライでもちょっとした市場には物乞いがいて、コップを手にして小銭をせびっている。
ラオスでは米を始め農産物は潤沢にあるから飢える心配がない。貧しさの中の豊かさというらしいが、節度と落ち着きが感じられる。またどこにも子供があふれている。子供が元気に走りまわったり、遊んでいる姿を見ると、将来は明るいのではないかと老人は思ってしまう。

エスニックジョーク
中央アジアには「スタン」の付く国、例えばウズベキスタンカザフスタンといった国が数カ国かたまっているが、地図を見てここがどの国と識別できる人は少ないだろう。自分もそうだった。また、ほんの20年前は、インドシナの国々を識別できなかったし、国民性が違うことも全く知らなかった。

ドイツ人は合理的、フランス人は女好き、スコットランド人はケチ、ポーランド人はバカというように、ある民族が一般的に持っていると思われている特徴を端的に表現し、揶揄することで笑いを誘う「エスニックジョーク」というジャンルがある。これは当然「差別的である」として問題になるおそれがあって、日本人と中国人と韓国人が・・で始まるジョークには、大陸や半島の人にボコボコにされてもいいという覚悟がないと披露できないものが多い。

エスニックジョークでは民族性というものをステレオタイプ的に誇張しているので、それを真に受けるのもどうかと思われる。でも近頃はすぐ差別だ、人権侵害だ、民族の誇りを傷つけた、などと叫んで国旗を燃やすような輩がいるので、うっかり冗談も言えない。

ラオスはどんな国?
さて、インドシナ各国のエスニックジョークラオスはどう扱われているか。自分のお気に入りはこれだ。

インドシナの農業。
 タイ人が田植えをする。
 カンボジア人は稲が育つのを見てる。
 ラオス人は稲が伸びる音を聞いてる。

この後に「ベトナム人は実った稲を盗みに来て、タイ人が掘った落とし穴に落ちる」が続く。ベトナム人はこすっからい性格とされている。

インドシナのボッタクリについて。
 タイ人は5倍にふっかけ、3倍で手を打つ。
 カンボジア人20倍にふっかけ、仕入れ値の半分まで値引きする。
 ラオス人はタイ人店主の言い値を伝えるだけ。
 ベトナム人は半額ともちかけ、贋物をつかませる。

こんなジョークもある。

インドシナ人が困ったとき。
 タイ人は困ったら、国王に救いの手を乞う。
 ベトナム人は困ったら、ホーチミンだったらどうしたかを考える。
 カンボジア人は困ったら、ポルポトの時代よりはマシだと考える。
 ラオス人は困ったら、フランスにまた来てもらおうかと考える。

インドシナ人が、それぞれの国の偉業について議論した。
 カンボジア人「なんといってもアンコールワットこそ、インドシナの偉業であり、インドシナの誇りだ」
 タイ人「過去のことより現在を見よう。わが国はいちども植民地になったことなく、現在に至るまで繁栄し続けている」
 ベトナム人「いやいや、あの超大国アメリカと戦争して勝利したわれわれこそ、現代史の偉業だ」
 ラオス人「いや、ラオスのほうが偉大だ。なにしろわれわれは、アメリカと戦争したわけでもないのに、アメリカに勝利したんだから」

インドシナの領土観。
 カンボジア人「アンコールワット様式の寺院がある地域はカンボジア領」
 タイ人「タイの通商圏内はタイ領」
 ベトナム人インドシナ人民が立ちあがった地域、また立ちあがるべき地域はベトナム領」
 ラオス人「ラオスってどこにあるの?」

ラオス人はおっとりしているが、どこか一本抜けている、と見なされているようだ。でもエスニックジョークはゆとりがない人には理解できない。だからラオス人にこういったジョークを披露しても、穏やかに、そうなんだよね、と一緒に笑ってくれそうな気がする。そういった安らぎを感じる国である。


写真は上の3枚がルアンプラバン、下2枚がウドンムサイです。