チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

大統領選挙近づく

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大統領選挙近づく

12月23日に大統領選挙が行われる。公共バス、地下鉄車両の中にはシンプルなA3大の選挙のお知らせポスターが貼られている。11月21日に国家中央選挙委員会に4名の候補が登録され、翌22日より候補者は選挙活動に入った。

大統領選挙に立候補したのはまず、現大統領、イスラム・カリモフ氏、自由民主党の推薦を受けている。アドラット党からディロラム・タシュムハメドヴァ女史、彼女は医学博士で大学教授。アクマル・サイドフ氏は元フランス大使、国家人権庁のヘッド、大学でも教鞭をとるインテリとして知られる。最後はアスリディン・ルスタモフ氏、人民民主党の推薦を受けている。いわゆる職業政治家はカリモフ氏だけ。各候補による選挙キャンペーンは国営テレビ、ラジオ、それに新聞に連日報道されている。同時に選挙は公正なものであり、世界中のどこの国からも非難されるようなものではないことが強調されている。

タシケント・バンク・カレッジにも4人の顔写真と公約が書かれたポスターが張ってある。この国では18歳より選挙権が与えられるので、投票権を持つ生徒もカレッジにいる。実はこの国に来る前から2007年12月の大統領選挙では何か起こるのではないか、つまり政治不安が高まり、最悪の場合、邦人の緊急国外脱出も想定される事態に陥るのではないかと懸念されていた。JICAでは先月11月30日にウズベク全土のJICA関係者をタシケントに招集して安全会議を開催した。もちろん大統領選挙を控えての注意喚起が主目的だ。

しかし、大使館関係者からの報告でも、選挙運動期間に入っても驚くほど国内は平穏で、デモ、暴動、テロなどの話はまったく聞かれない、とのことだった。結論としては、安全とは思うが、何が起こるかわからない国だから、選挙当日は外出を控えること、人が集まっているところには近づかないことなどが申し渡された。

確かに街を歩いてみても選挙カーが行きかうわけでもなく、各候補のポスターを見かけるわけでもなく、いつもと同じである。いくらかインフレ気味で一部商品が不足しているが バザールの賑わいも普通。静かではあるが、まったく問題がないかというとそうではない。今年に入ってカリモフ大統領は再選を意識した活動を繰り広げてきた。

9月にはサマルカンド建市2750年を祝う国際民族音楽祭の開会式で、サマルカンド在住の高校教師という市民に、生涯、大統領職にとどまってください、と言うスピーチをさせている。このような地方巡業を頻繁に繰り返し、地方の締め付けを行っている。マハッラや大学では公示前からカリモフ大統領に投票するようにというキャンペーンが強力に推し進められ、それと並行して市民の集会が禁じられた。ナボイ州のヌラタでは、かのカシム・シェイク・モスクでのお祈り集会までが当局に禁止されたと報告されている。

ウズベクではメディアは政府によってコントロールされており、憲法で検閲、盗聴が認められている。検閲を唯一かいくぐる情報源として外国のインターネットがある。しかしBBCの報告によればこの国のウェッブ・アクセス・ポイントは人口2700万人に対してわずか170万である。カレッジの生徒に尋ねてみても家にパソコンがあるという生徒は1クラス3,4名、更にインターネットにつながっていますという生徒は一人だけだった。

インターネットカフェで多くの人が、検閲されてないニュースを読もうとしているが、サイトにアクセスできなかったり、ニュースを読んでいるとカフェのオーナーが背後に立ってそこにアクセスするな、と告げる、果ては訪問予定サイト一覧表の提出を求められる。最近、ネットがつながりにくくなっているがこれも選挙と関連があるらしい。

米国はグルジアの「バラ革命」、キルギスタンの「チューリップ革命」をウズベクで起こす元気はないようだ。ロシア、中国のウズベク接近を黙認しているし、選挙不正を弾劾する声もでていない。それをみて商機を逸するとばかりに2005年のアンディジャン事件以降、継続してきた制裁措置をこの10月に一部緩和して、EUは武器輸出再開に乗り出した。

いろいろと後ろ暗い選挙ではあるが、圧倒的な得票率で当選するカリモフ大統領をすんなり認める方向で国際世論は動いているように思われる。

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