チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チョルスバザール

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チョルスバザールへ行く

3月の初めにドラゴンボート(マイナーなスポーツです)の仲間の息子さん(写真)がタシケントに来た。大学2年生、初めての個人海外旅行とのこと。初めての海外旅行にウズベキスタンを選ぶとは若いのになかなか見所がある、ということでできることはさせてもらうことにした。

到着翌日、まずチョルスバザールを案内した。このブログの題が「ウズベクのバザールから」となっているのに、どうしてタシケントを代表するチョルスバザールが出てこないのか、と不審に思われている方もおられるだろう。

タシケントで大バザール、あるいは古いバザールというと旧市街に位置するこのチョルスバザールを指す。自分の住むチンチリックからは地下鉄で1駅、バスで5分足らずで行ける。地下鉄チョルス駅を上がると、手に手に下着や子供服、スカーフなどを持ったおばさんに取り囲まれる。高台にある巨大ドームの食品売場にたどり着くためには曲がりくねった露店だらけの小道を人々とぶつかりながら通り抜けなくてはならない。この人ごみの中で5,6人の若者に取り囲まれ、ポケットの中のお札を抜き取られた人がいる。

この猥雑さもさることながら、地下鉄を下りればすぐに異国情緒あふれるバザールが体験できるとあって、観光シーズンには多くの見物客が訪れる。バザール商人は外人慣れしている。一度「オイシイ、オイシイ」と日本語でナッツを勧めてきたのには耳を疑った。それで外人向け価格があり、慣れない頃はいくらか高い買い物をした経験がある(これは仕方ない)。チョルスバザールではいつもハードな値切り交渉が必要で、これにはかなりエネルギーを消耗する。気力、体力の充実している時でなくてはついつい出かけるのが億劫になるということと、外人のあまり来ない落ち着いた正直なバザールもいくつか見つけたのでついそちらのほうに足が向くようになってしまった。こういったことでチョルスバザールのご紹介がのびのびになったわけである。

しかし、ウズベクを代表するバザール、旅行者を案内するには格好の場所だ。高台にあるかまぼこ型屋根の青物市場、巨大ドームの食品市場を中心に雑貨、書籍、服、肉、魚、農機具、動物、樹木、花、苗などありとあらゆるものが売られている。旧市街であるから、売り場の人はもちろん行きかう人はほとんどがモスレムの服装であり、市中心にあるミラバッド・バザールやアライスク・バザールのようにお金持ち風の白人は少ない。食肉売場には羊の頭、牛の足などがごろごろしているが、豚肉は売っていない。

モスクを模したドーム型の建物の市場は各地で見られる。ブハラにも古色蒼然たる土色のドームが寄り添う市場がある。1965年にウズベキスタンを訪れた井上靖はこのドーム型市場を「円頂商舗」と記している。(『シルクロード紀行』 岩波同時代ライブラリー)

チョルスには青いタイルで彩色された円頂商舗がいくつかあり、魚、肉などの売り場となっている。高台の巨大円頂商舗は誰もが訪れる場所だ。中心は食堂になっており、そこを囲むように円周上に4,5列の売り場がひしめいている。朝鮮族の漬物売り場、クルトゥというウズベク風球形チーズ、香辛料、米などグループごとに固まっていて、それぞれ特有のにおいを発している。階段の物乞いをよけながら2階に上がるとここは円周全体がドライフルーツの売り場となっている。干しブドウだけでも10種類以上ある。アンズ、ピスタチオ、イチジク、メロン、デーツ、ピーナッツ・・・・、ちょっと、味見して、とあちこちから声がかかる。ウズベクのエネルギーを感じる時だ。

バザールからナボイ通りへ下りていくと左手にクカルダシュ・メドレセがある。当時タシケントを支配していたシャィバニ朝の大臣 クカルダシュ によって、 16 世紀に建てられた神学校。ソ連時代は倉庫などに 使われていたが、独立後修復され、再び神学校として活動している。中に入ると英語のうまいオジサンがワニのようにするすると寄ってきて、ご説明いたしましょう、とガイド役を買ってくれる。ただし、最後に一人1000スムのガイド料を請求される。
メドレセ裏手の丘の上には、15世紀に建てられたジャミー・ モスクがあり、金曜日には大きな礼拝が行われている。メドレセに上がる階段でモスクをバックに写真を撮るのが観光客の定番。ここでムスコの写真を撮ってやる。

チョルスのあとはヤンギオボド・バザール、アライスク・バザールの2つを案内した。
自分の万歩計によると1万8千歩、若いですからと、豆や大根、干しブドウなどが入ったナップザックを持ってくれたが、ムスコは疲労困憊したらしい。翌日放っておいたら昼近くまで寝ていた。

日本ドラゴンボート協会ホームページ:
http://www.jdba-dragonboat.com/

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