チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

弁論大会

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日本語暗唱・弁論大会を聞く

東洋学大学付属リッツェ(高校)の日本語暗唱・弁論大会が日本センターで開催されたので見に行ってみた。東洋学大学にはユヌサバード校とアルマザール校の2つの付属高校がある。お互いに対抗意識があって切磋琢磨しながら勉強している。両校はウズベクでも屈指のエリート高校で進学率はほぼ100%。高校から外国語を学んでおり、ここにはSVの日本語教師、Hさんが派遣されている。この付属高対抗日本語弁論大会は毎年行われており、今年で5回目を迎える。

日本センターの大会議室には両校の日本語専攻生徒を中心に100名を越える観衆が詰め掛け、立見席も出るくらいの盛況だ。
こういった席にも楠本大使が来賓として参加し、開会のご挨拶を述べて下さる。ここまで気軽に来て頂ける日本大使は世界でも少ないのではないだろうか。まず、日本語で「皆さん、日本語は面白いですか?」と問いかけると、会場からハイ、トッテモなどの声が上がる。大使があっという間に高校生の心をつかみ、会場はすっかりリラックスモードだ。

暗唱の部では「大きなカブ」(写真)を両校の1年生8名が1グループとなって7グループが出場。寸劇を交えて「おじいさんをおばあさんが引っ張って、孫がおばあさんを引っ張って、孫を犬が引っ張って、猫が犬を引っ張って、」を暗唱する。日本の小学校の国語教科書に出ているお話なのでご存知の方も多いだろう。同じことをやるのだが、それぞれコスチューム、セリフ、バックミュージック等にアイデアを盛り込んでいる。
まあ学芸会のノリだ。日本センターから借りた浴衣や法被の国籍不明日本風のチームあり、デュッペ(トルコ帽)、チョポン(ウズベク風どてら)の民族風あり、見ていて飽きない。たまにおじいさんのセリフが「ああ、これは大きなカバだなあ」になったりして笑わせてくれる。

第2部は弁論の部となっており、3年生が一人5分以内の持ち時間でスピーチを行い、そのあと審査員からの質問に答える。登壇する生徒はユヌサバード校8名、アルマザール校7名の計15名。

3月に日本語弁論タシケント大会が開かれるのでこの時期、各大学で、学内の選考日本語弁論大会が開かれている。JOCV,SVの日本語教師は席の温まるヒマのない忙しさであちこちの選考会の審査員を務めている。この日も世界経済外交大学、日本センターの日本語教師、JICA職員等、数名が審査員を務めていた。

こういった弁論大会を聞く楽しみの一つはウズベクの若い人の主張に、はっとするような切り口や文化の一端がかいま見えることである。

今回も3月21日の祝日、ナルブースに特別な食べ物、麦芽から作られる甘いスマリャックを家族全員で作ること、その大鍋に小石を入れて、小石の入ったお皿を取った人はその1年、幸せに暮らせる、とかウズベクでは人口の50%を18歳以下の青少年が占めているとか、金持ちの友人に貧乏な友人が借金を頼み、貸したあと金持ちがなぜ彼が頼みに来る前に気付かなかったのだろう、と泣く話がコーランにある、などということを彼らのスピーチから教えてもらった。3年足らずの日本語勉強だが、皆、素晴らしいできばえだ。両校で教えているHさんの実力が偲ばれる。でも、スピーチの丸暗記はできていてもその内容に関する質問を理解して、適切に答えられる生徒は3割以下だった。

自分は審査員ではないが一応15名のスピーチに点数をつけてみた。たまたま隣に座ったSV仲間も点数をつけている。見比べてみるとかなり好みが分かれている。5位まで表彰するそうですからお互い入賞する5名を予想しましょう、負けたほうが500スム払う。いいですよ。お互いノミネートした5名を見比べると共通の生徒は1名のみ。

結果発表では出場した生徒より緊張して、プログラムの発表者の名前に目を凝らす。5位から入賞者が発表されるたびに緊張感が高まる。500スムでも金がかかるとスリルがある。結果はお互い3名ずつの入賞者を当ててドロー、友情にヒビが入ることはなかったのはなにより。

いやあ、面白かった、来年は連勝複式の入賞者予想券を売って、賞品代に充てては如何でしょう、と不適切発言をして関係者の心証を害してしまった。とても日本国の大臣は務まらない。


ウ国で出会ったKatsuraさん(女性)がウ国の写真を提供してくれました。
いい写真が沢山ありますので是非ご覧下さい。
http://www.flickr.com/photos/kaymiz/sets/72157594293562049/show/