ザイニディン学長、ご丁寧なご紹介を頂きありがとうございます。著名な来賓の方々、そして優秀なバンクカレッジ卒業生の皆さんを前にしてこの特別な機会で一言述べさせていただく機会を持つことができ、大変名誉なことと存じます。日本のJICA、シニアボランティア、そしてタシケント・バンク・カレッジの外人教師を代表いたしましてここに私の心からのお祝いを卒業生の皆様に申し上げたいと存じます。
卒業式のことを英語でコメンスメント(commencement)と申します。コメンスメントには「物事の始まり」という意味もあります。皆様はバンク・カレッジの全教程を終了されました。そして今、新しい仕事、あるいは大学入学の出発地点に立っておられるわけであります。そうです、卒業は終わりではなく皆さんの新たな出発を意味しているのです。
いずれのの先進国におきましても、そこにはしっかりした金融システムが機能しており、多くの優秀な、卓越した頭脳の持ち主たちが活躍しております。もちろんウズベキスタンは若い国であることは存じております。可能性の国であり、希望と発展への夢を秘めた国であります。この新たな出発のときに当たって、皆さんは皆さんの夢をお持ちに違いありません。私は今、皆さんがお持ちのその夢をずっと持ち続けていただきたい、そう思っています。皆さんの夢は皆さんのご家族の夢であり、そして国の夢にも一致するものであると私は信じております。
この一年、私はベンチャービジネスに関する講義を行ってまいりました。でも私は皆さんから多くを学んでもいたのです。教えることは学ぶことでもありました。思い出していただけるでしょうか、私たちは昨年10月、棉摘みツアーにいきました。ツアーに参加した25名の日本人はとても楽しい時を過ごしました。また同時に皆さん方もとても幸福そうに見えました。ビジネスというものは両者を、つまり買い手も売り手をも幸せにするのです。私はよいビジネスの実例を見ることができたと思っています。あの時、皆さんは「ポジティブ」であり「チアフル」でした。
ポジティブ、チアフル、私はこの言葉が好きです。皆さんがこれまでそうであったように、これからもポジティブにチアフルに自らの最善を尽くしていくならば、間違いなく皆さんの夢は実現するでしょう。そう私は確信しています。
ラフマット。ビティラヨットギャンインゲス・ビラン・タブリックライマン。(ご静聴ありがとうございました。卒業おめでとうございます、のウズベク語) (拍手)
今年もレッド・ディプロマといわれる成績優秀者のみの卒業式が銀行協会のホールで開催された。学長から「あした銀行協会で卒業式があるから出席ならびにスピーチを頼む」とまさに前日に依頼があった。これもウズベクらしいとあきらめて原稿を準備。
3時からということであったが金融大学、東洋語学大学の学長、綿花銀行の頭取などお歴々の到着を待って15分遅れでセレモニーが始まった。自分も含め学長や来賓がステージにしつらえられたテーブルにずらりと並ぶ。ソ連の中央委員会、中国の全人代のスタイルだ。
壇上から赤丸卒業生を見ると9割近くが女子である。やはり女性のほうがよく勉強すると見える。皆盛装していてとても美しい。自分の教えた生徒があちこちで合図を送ってくれる。つまらぬ講義をしたときは私語をしてなんだ、などと思ったものだがこうしてもう会えなくなるかと思うと、やっぱり可愛い生徒ばかりだったな、と思う。スピーチは暗唱したつもりであったが、通訳が訳しているあいだ、ついつい英文原稿に目がいってしまった。
次々に壇上に上がってくる卒業生に学位証と記念の本、カンナの花を一輪渡す。本来、学位証授与は来賓または学長の名誉ある仕事であるが、ザイニディン学長に改めて紹介を受け、学位証授与の栄誉を一部担うことになった。会場から大きな歓声が上がる。面映い感じだが卒業生と握手を交わし、おめでとうといって学位証を手渡す。
1時間半ほどで式は終了したが、式のあと卒業生から一緒に写真を撮ってください、と昨年のようにもみくちゃになった。写真を撮るとき、当然のように女子生徒が腕を絡めてきたりするので、いかにもだらしない表情になってしまう。性格が正直なばっかりに日本のハジみたいな写真を沢山残してしまった。
