チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

麻薬問題

麻薬問題

地方巡業でバンクカレッジを訪問した時、生徒から「日本の若者はどれくらい麻薬汚染されていますか」という質問があった。一部では問題になっていますが一般の学生や高校生の間ではほとんど使用されていないと言っていいでしょう、と答えたのだが、しばらく、何故こんな質問がでたのだろうと気にかかっていた。

1月末に日本センターで「第6回東洋学大学付属リツェー日本語暗唱・弁論大会」が開催され、たまたま弁論の部の審査員を務めた。十数名の高校生が4分ほどの日本語スピーチをする。昨年もこの弁論大会を聞き、今年も楽しみにしていた。それはこの国の若い人の考え方を知るいい機会だからである。入賞はならなかったがユヌサバード校のアジモフ君が「麻薬は死だ」と題するスピーチを行った。マリファナはかなり高校生の間にも広まっている、それがヘロインなどに取り返しのつかない強い麻薬に繋がっていく、面白半分にマリファナに手を出すのはやめよう、といった趣旨の内容だった。通訳のナフォサットは愛国者だから、多くの若者がドラッグに手を出しているなどとはとんでもない、と否定するが実際はどうなのか。

ウズベク日本大使館では毎月「安全対策連絡協議会」を邦人を集めて開催し、その結果をメール配信している。その際、添付ファイルでウズベキスタン事件簿としてウズベキクタンのナショナル・ポスト紙に載った犯罪事例を紹介している。強盗傷害事件に混じって、毎月必ず2,3件の麻薬がらみの事件が報告されている。
例えば、
ウズベキスタン事件簿(公刊情報:ナ・ポスト紙;内務省発行)
【2008年1月13日付】
ヘロイン不法所持犯人を逮捕(アンディジャン市北側某地区)
 (日時不詳)パトロール中の警察官が、不審な男を職務質問して、身分証明書の提示を求めた。男は、身分証明書を取り出そうとして、プラスチック製小袋(パケ)を落とした。小袋内には、白色結晶が入っており、試験の結果、0.15gのヘロインと判明し、男を現行犯逮捕した。 詳細は現在当局が捜査中。
2007年5月26日付】
1.大量ヘロイン密売犯人を逮捕(タシケント市ヤッカサライ地区)
 (日時不詳)タシケント市警察本部は、ヤッカサライ地区において、麻薬特別取締りにより、近隣国籍人の40歳の男をヘロイン密売容疑で逮捕した。容疑は、麻薬の前科を有するスルハンダリア州出身の無職男性に対し、2kgのヘロインを16,000米ドルで密売しようとしたもの。 詳細は現在当局が捜査中。
【2007年9月29日付】
1.マリファナ密売犯人を逮捕(アンディジャン州アンディジャン市)
 (日時不詳)アンディジャン市警察本部の特別取締りにより、244gのマリファナを250,000スムで密売しようとした男が逮捕された。 関係者は、オチョパル村居住の男と某中学校の教員であった。 詳細は現在当局が捜査中。

ここ1年のウズベキスタン事件簿に載った麻薬事件の内、販売価格が明示されている記事をまとめてみた。ヘロインでグラムあたり日本円にして70円から5千円、平均してグラムあたり1000円から1500円といったところだろうか。
マリファナとなるとグラムあたり40円から200円、平均100円程度だ。これだったら高校生でも買える。パーティ
マリファナの回し飲みの話もあながちでたらめとはいえない。
日本での麻薬の末端価格は、インターネット情報によればヘロインでグラム6万円、マリファナで4,5千円といったところだ。アフガンと国境を接しているせいもあるが、ウズベクでは麻薬がべらぼうに安い。
ウズベク政府はひた隠しにしてきたが、エイズ患者が急増していることを認めざるを得なくなった。そして先頃、日本からの緊急援助による注射針の提供を受け入れた。注射針の再利用、あるいは麻薬の回し射ちでエイズが広がっているからだ。
また、昨年からタシケントエイズ・センターにJOCV隊員が派遣され、具体的な対策に取り組んでいる。深夜の白タク乗車もまず安全、安心なウズベクではあるが、麻薬は一般の高校生が心を痛めるするほど広く蔓延しているのかもしれない。