チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

お土産

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お土産

帰国まで2月をきり、そろそろお土産品を揃える時期になってきた。ウズベクみやげというと定番はなんだろう。まずはピスタチオ、アーモンドなどのナッツ類、干しブドウ、干しメロン、干しアンズ、干しイチジクなど乾燥果実類、その他となると、民族デザインによる布バッグ、携帯電話入れ、財布、あるいはアトラス模様の布地といったものだろうか。

干しメロンはホラズム王国時代からのウズベク名産品で、当時、近隣の汗国はもちろん遠くインド、シナにまで輸出されていた。14世紀の旅行家、探検家イブン・バトゥータが著した「大旅行記」の中にもインド王宮でウズベク産干しメロンの饗応に与かったことが記されている。(平凡社東洋文庫イブン・バトゥータ、「大旅行記4」第11章p157)

一昨年だったが、「世界不思議発見」というクイズ番組でウズベクが取り上げられ、この干しメロンが紹介された。出演者の黒柳徹子さんたちが美味しい、美味しいといって食べている様子が放映されていたと言うので、健康チェック一時休暇で日本に帰国した折、大量の干しメロンを日本に持ち込んだ。20センチほど乾燥メロンが帯状に編み込まれ、セロファン用紙に包まれている。草色の羊羹といった感じだ。羊羹のようにナイフで切って食べる。

帰国した時、お目にかかる人毎に一本差し上げていたがそのうち在庫が払底して、ウズベクに戻ろうかという時期には、この1本を3分の1に切ったものを差し上げるだけで、美味しいビールをご馳走になるという片務貿易を展開したものだ。ところが異国の干しメロンに随喜の涙をこぼしたイブン・バトゥータやクイズ番組の出演者と違って、口さがない友人からは「あれは美味くなかった、干しブドウのほうがずっとよかった」などと不評であった。干しブドウは確かに美味しい。乾燥して日中の温度差が激しいウズベキスタンではブドウが本当に甘い。そのブドウが生乾き状態でモチモチした食感のものがいい。自分でもメロンよりいいかなと思う。

干しアンズはあるSVによるとウズベク土産として一部女性より圧倒的な人気を誇り、アンコールの声が高いと言う。それは甘く美味しいばかりでなく、多くの女性を悩ましている便秘に大変効果があるから、だそうだ。ともあれ、人にはどんどん買いなさい、貰ってくれる人は必ずいます、などと土産品購入を勧めるのだが、自分のことになると頭が痛い。ウズベクで是非これを買ってきて、と要望されるものもないし、ハワイのマカデミアン・ナッツ、ベルギーのチョコレートのような横綱的定番がない。

しかし、ウズベク観光に来た邦人やJICA関係者の買った土産を見ると、ホーと感嘆することがある。ある若い人はヤンギオボドバザール(タシケントの蚤の市)でウズベク陸軍払い下げの軍用防寒具を買い込んで行った。ある友人はこのバザールでゼニットというロシア製カメラ(立派な皮製ケース入り)をわずか10ドル(画像)で購入した。これは飾りにもなるが、シャッターも下りて充分使用に耐える。このカメラ購入の現場に立ち会ったが、露店のオジサンがトランクの中から、更に立派な大きなレンズのカメラを取り出し、これは13ドルというので、魅入られるようにそれも即決で購入。それ以上オジサンがカメラを取り出さなくてよかった。

ベンチャーで頑張っている人の話を集めた本をみると、中古ロシア製カメラの輸入販売で大もうけした人が出てくる。月に200台くらい捌くこともあるという。デジカメ全盛の時代だが古いレンズカメラで撮るいくらかぼんやりしたフィルム写真に魅せられる人が結構いるらしい。ニッチな市場だが立派なオンリーワンのベンチャー企業だ。

目が利かなければ泥棒市での買い物は難しい。実はカメラを買う前、ヤンギオボドバザールの入り口近くの露店でベネチアグラスにそっくりのワイングラス(6つそろい)を手に取った。一つ3500スム(300円強)だと言う。色もいいし、持った感じがノーブルだ。でも壊れやすいし、日本に持って帰るのも大変だ、と立ち去ったのであるが、1時間後にその店を通ってみたらワイングラスは姿を消していた。もしかしたらお宝だったかも・・・・?

古時計、蓄音機、古タイプライターなど六本木辺りのお店のインテリアに向くようなものもある。なんでも鑑定団がやってくる前に是非、ウズベク旅行に来て下さい。1月以内でしたらご案内します。