チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

実体験と仮説

チェンライの花祭りから

同上

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実体験と仮説

■空港一つ見ても

訪日外国人の多くは成田か羽田空港に降り立つ。そして彼らが驚くのは空港の清潔さ、静けさである。税関を出る前にトイレを利用すればその驚きは倍加する。最先端の技術が駆使された便器、清潔であるばかりでなく、トイレットペーパーの質から手を洗う石鹸水に至るまでおもてなしの心が感じられる。自分もたまに帰国すると、おー、これが日本なんだよ、と外国人並みに感動する。タイ化しているのでとても当たり前の光景とは思えない。

バンコクにはスワンナプームとドンムアンの2つの空港がある。スワンナプーム空港は2006年の開港、成田空港の約3倍、3240ヘクタールの面積を誇るアジア有数の国際空港である。でも開港当初より、トイレや椅子、待ち合わせ場所は少ないなどの欠点が指摘されていた。今はだいぶ改善されているというが、搭乗待合室へ向かう通路にはインド人やタイ人が座り込んでいる。

空港ビルの7階は展望台となっている。広いけれども窓の外には大きなパイプが視界を遮っていて眺めはよくない。昼時には制服を着た空港職員のお姉さんや兄ちゃんが車座になって弁当を食べたり、ペットボトルのお茶を飲んでいる。ゴミ箱は各所にあるので通路や待合室にゴミが散らかっていることはないが、タイらしく雑然とした印象はある。

旧来からの空港、ドンムアンはチェックインカウンターがあるフロアには冷房がない。真冬に帰国ということで防寒の股引を穿いていた自分は炎熱地獄の苦しみを味わう羽目に陥った。空港内も外気温と同じという空港はアジアでは珍しくはない。ドンムアンの雑然度はスワンナプームを上回る。国によって空港の印象は様々だ。

 

■整理・整頓・清掃・清潔・躾

外国人観光客は日本の街を歩いてゴミが落ちていないことに吃驚する。ゴミ箱もないのにどうしてこんなにきれいなのだろう。そして日本人に倣ってゴミを袋に入れて持ち歩く。すると店の人が「ごみ、お捨てしましょう」と申し出てくれる。感動は倍加する。チェンライでは絶対できない体験だ。

チェンライの目抜き通りはきれいなほうだと思うが、ペットボトル、飲みさしのプラカップなどが街路樹の根元に置いてある。スーパーやコンビニのレシートはそこら中に散らばっている。そういった風景を見慣れているので、偶に帰国すると街中のみならず、ちょっと狭い路地を抜けるときごみが落ちていないばかりか、玄関先に可愛い花や植木の鉢や花壇がある。住む人の趣味の良さ、品格がおのずと偲ばれる。

海外では路地に入り込むと犯罪に巻き込まれること必至と言われているが、東京は大都市であっても路地の隅々まで安全、安心、そして5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が行き届いているように思う。

 

■1つのヒントで仮説を立てる

ベトナムのダナンで宿泊したホテルは海岸の大通りを一本、陸側に入った、車が1台通れるかどうか細い道に面していた。道は凸凹していたし、ゴミだらけ、食堂の裏手になっているので生ゴミ入りポリ袋も雑然と転がっている。子猫より大きなネズミが道の真ん中に転がっていたが2泊3日の滞在中、ネズミはそのままだった。

この細い道から大通りに抜ける道は更に細い道、両側は小食堂や民家、中で食事中の家族などを観察できる。海岸沿いの高層ホテル群と好対照である。それでもダナンの路地は暗いし、人はあまり通らないからあたりを警戒しながら歩いた。

夕食から戻るときだったから時間は7時半か8時だったと思う。細い路地を子供が走ってくる。そして路地に面した一角にはいっていった。窓の中を覗いてみると狭い机と椅子にぎっしりと小学生が座っている。これは塾に違いない。チェンライでは小中学校の通学では親が送り迎えをするのが普通だ。塾もあるのかもしれないが夜遅くになるから親の送迎は当り前だ。

でも細い路地には車は入れないし、遅刻してきたと思われる子供が走ってきたところを見ると親の送迎はないようだ。ということは、ダナンでは子供は夜、自分で塾に通う。これだけで判断するとダナンはチェンライより安全な街ということになる。

旅先ではこのように自分なりの仮説を立てることがある。この後、ベトナムの民家の防犯対策(塀、鉄条網、窓の鉄格子など)を観察して「ベトナムはタイより安全」の仮説を確かめる。旅先から戻ればネットで犯罪件数、率を調べたりする。更にそれが自分の体感した街や路地裏の清潔度と関連するかなどと考える。ボンヤリとベッドに横たわって考えているうちに眠くなって寝てしまう。多分、こういった調子で恍惚の人となっていくのではないか。