チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

逗子で観た映画

シネマアミーゴ、階段の上が劇場入り口

映画摩文仁のポスター

太陽の季節、ここに始まる

逗子の有名店、日影茶屋

逗子の有名店、まるわのまるわ定食、アジフライは2枚、普通は食べ切れない

      いい値段だが満席で時間待ちも。外人も来ていた

 

 

逗子で観た映画
■逗子市唯一の映画館
逗子市は人口5万5千人ほどの小さな街である。面積は17.4平方キロ、全国791市の中で754番目の広さだ。因みに一番面積が大きい市は岐阜の高山市で2177.6平方キロ、一番小さい市は埼玉の蕨市で5.1平方キロ。

石原慎太郎がこよなく愛した逗子海岸には「太陽の季節、ここに始まる」と彼の拙い揮毫の碑が立っている。逗子は石原家との縁が深い。商店街には裕次郎さんがよく買いに来たコロッケ屋とか石原4兄弟御用達のケーキ屋などがある。コロッケ屋にはかの中居クンも買いに来たとか。

逗子には明治22年横須賀線が開通し、その後、海辺の別荘地として発展した。逗子には明治の元勲、東郷平八郎伊藤博文の屋敷があった。今でも田越川に架かる「とうごう橋」とか、お屋敷通りという通りの名称にその名残がある。でも広大な屋敷も孫、曾孫の時代になって、小住宅、マンション、駐車場などに姿を変えている。

1900年ごろに建築された長島孝一家住宅主屋は登録有形文化財(建造物)となっている。逗子市の海浜別荘遺構として有名とか。その親族の方が逗子市でレストランやマーケットなど手広く経営している。事業の一つにこれは趣味と言っていいと思うが、定員15名という小さな映画館、シネマアミーゴがある。上映作品は欧米の名作、インド映画、市場公開されなかった邦画など劇場主のマニアックな趣味が反映されている。知る人ぞ知るサロン映画館として著名俳優も足を運ぶ。入場料はこの10月から60歳以上1700円、大人1800円と決して安くないが珈琲、ジュースなどの飲み物付きとなっている。

■映画あらすじ
逗子の友人宅はシネマアミーゴの並びにある。9月のある日、沖縄をテーマとした「摩文仁」という映画を見に行った。館内にはバーのスタンドがあり、正面にはテレビの大型画面より少し大きめのスクリーンがあった。椅子席が主であるが最前列は2人掛けのソファとなっており、ここが特等席と思われた。同じ入場料ならばこの席がいいな、と思ったが、入場した時にはすでに先客がいた。

摩文仁の丘は沖縄県糸満市に位置し、標高800m、沖縄戦終焉の地だ。海を見下ろす丘は平和記念公園となっており、園内には442基の慰霊碑が建てられている。その一つ、魂魄之塔には35,000柱が合祀されている。戦後、住民の反米感情を恐れて占領軍はこの丘に散乱した死者の遺体、遺骨収集を許さなかった。旧真和志村(現在の那覇市)の住民が米軍の許可を得て遺骨収集班を結成、道路や畑、丘、森に散っていた遺骨を集め、昭和21年に魂魄之塔を建立した。

映画「摩文仁」は集団自決を生き延びた女性と共に慰霊とは何か、慰霊碑に込められた人々の思いを綴る。以下、キネマ旬報の紹介から
膨大な数の慰霊碑が林立する摩文仁(マブニ)の丘。戦争で遺された者は死者の魂をどう受け止め、その霊を慰めるのか。沖縄住民、日本軍戦友、自衛隊アメリカ軍関係者、韓国人遺族……それぞれの思いがすれ違う。この丘では“英霊の顕彰”と“犠牲者への慰霊”が常にせめぎ合い、本土と沖縄の分断の象徴となってきた。それでも、その傍では花売りのおばあが死者の魂を慰めようと祈り続けている。地元で生まれ育った89歳の大屋初子は、沖縄戦で集団自決が起きた壕から、命からがら生き残り、戦後はずっと慰霊碑“魂魄之塔”の前で遺族に参拝用の花を売ってきた。本作では初子おばあを主人公に、膨大な数が存在する沖縄戦の慰霊碑を訪ね、そこにこめられた人々の様々な思いを紐解いていく。(引用終わり)

■リベラル系
監督が15年に亘って慰霊碑を撮り続けてきた、その集大成という。映画は日本軍終焉の碑を参拝する自衛官の集団の映像から始まる。集団を取り囲む活動家が戦争反対の怒声を浴びせる。朝鮮人慰霊碑では朝鮮舞踊、泣き女等、丁寧な描写があったが、台湾の慰霊碑は一瞬カットが出てきただけ。多くの慰霊碑が登場したが、この映画で何を訴えたいのか判然としない。戦争は嫌だね、というお婆さんの話だけで、それではどうしたいのか、何ができるかの訴求はなかった。たまたま上演初日ということで鎌倉在住という監督が挨拶に立った。彼が元NHK那覇支局長を長く務めたと聞き、映画にエッジがかかっている理由がわかる気がした。

料理店と同じく映画も一般の人が5段階評価を付けるネットがある。その評価は2.5とかなり低い。
数日後に鑑賞した「国宝」の観客評価は4.3、ここ数年で観た映画の中でもトップ3に入る出来栄えだった。観客評価を見ずに行った「摩文仁」、監督には悪いが、正直、代金を返してほしい。