チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日本が豊かに強くなるとき

ゴールデントライアングルのワット・プラテート・プーカオ入口

慰霊碑への階段

戦没者慰霊碑

いくつかの慰霊碑がある

タイ駐屯軍司令官中村中将の出した注意書

同上 タイ人の頭をなでるな、泥酔するなとか細かい注意が

 

日本が豊かに強くなるとき

■飯山陽さんの心意気

衆院東京15区補欠選挙イスラム思想研究者の飯山陽さんが日本保守党から出馬することになった。数年前に彼女の著書「イスラム教の論理」(新潮新書)を読んだことがあり、学識には敬服していた。日本保守党は作家の百田尚樹氏が自民党LGBT法案可決に怒って結成した政治団体だ。従来の保守政党に飽き足らぬ人々の支持を受け、有料党員数は6万人を越えるという。

飯山さんは「今の政治家は日本を貧しく、弱くするような政治をしている。座視するのは忍びない」と述べ、「日本を豊かに強くする政策理念を掲げる日本保守党に共感した」、さらに「ノルマンジー作戦でも誰かが先陣を切らなければいけなかった、私が日本保守党の先駆けになります」と決意を語っている。

出馬会見をユーチューブで視聴したが、「私は国費留学させてもらい、今の自分があると思っている、これからはお国にお返しができるよう頑張りたい」と言っていた。国費留学した学者の中で国の恩に報いたいと考え、行動する人はどれだけいるだろうか。飯山氏の勇気と志に感動した。

 

■チェンライで戦没者慰霊祭

先頃、日本人会の知り合いが我が家にやってきた。どうということもない雑談に興じたわけだが、彼がチェンライでも戦没者慰霊祭を挙行してはどうか、という提案をした。戦没者慰霊祭は毎年、チェンマイのムーンサーン寺、バンガード高校で行われている。自分がこうして北タイで差別もされず、暖かくタイ人に接してもらえるのは先人のお蔭と思っている。だから一年に一回くらいは大東亜戦争で戦った兵隊さんの慰霊と感謝の気持ちを捧げたいと、毎年のように8月15日にチェンマイの慰霊祭には参列していた。

チェンライ県のゴールデントライアングルを見下ろす高台にプラタートプーカオ寺がある。その境内にはいくつかの戦没者慰霊碑が建立されている。この慰霊碑の前でチェンライ日本人会主催の慰霊祭を8月6日の平和記念日に行おう、という。

どうしてこの寺に慰霊碑が建立されているのかわからない。総領事館経由で厚労省に建立の経緯などを調べてもらったがよくわからなかったそうだ。チェンマイの慰霊祭の2つの会場には野戦病院があり、多くの将兵が没したところである。クンユアムの泰日友好記念館、ムアイトー寺、カンチャナブリ等にも慰霊碑はあるがそれぞれ戦没者との関連がはっきりしている。

プーカオ寺の慰霊碑の中には「タイ・ビルマ方面 現地人戦没者慰霊碑」があり、このように刻まれている。「この慰霊碑は、第二次世界大戦時に、タイ・ビルマ方面に進駐した日本軍によって、不幸にも多くの現地の人が殺害されました。それ等の人々を慰霊するために建立したものです。合掌してください」。旧日本軍は現地人を「殺害」するためにインパール作戦を行ったのではない。それにタイは日本の同盟国だったからタイ人を殺害する理由もない。恐らくサヨクの人が建てた碑だろう。

自分は原爆投下の8月6日に日本が悪うございました、と合掌する気にはなれない。戦没者慰霊祭はやはり天皇皇后両陛下が武道館でお言葉を述べられる8月15日をおいて他はない。

 

■先人への感謝の気持ち

チェンマイの慰霊祭は日本人会とは関係なく「戦没者慰霊祭実行委員会」の有志によって長年続けられている。チェンライ日本人会が主催する慰霊祭が挙行されるにしても、これまでチェンマイの慰霊祭に参列しなかった会員がどれだけ集まるか疑問である。チェンライには旧日本軍との歴史がこうあって、ここでこれだけの方々が亡くなった、日本人としてどうしても慰霊祭を挙行したい、そうでなければ自分の気持ちがすまないという志を持つ人々に支えられて慰霊祭は行われるべきだと思う。

保守とは旧弊にしがみつく頑迷な思想ではない。飯山陽さんは「保守とは自分の大事な人や大事な場所、大事なものを守っていく思想だ」という日本のお祭りでも、地域の伝統を守り、それを守り育てた先祖を敬い、地域の人々を大切に思い、その伝統、慣習を次世代につなげようという思いに支えられている。日本が豊かに強くなれば自然と先人に感謝する心、愛国心が生まれ、チェンライでどうしても慰霊祭をやりたいという有志が澎湃として出現するのではないか。

実は日本人会の若い方(といっても40歳くらい)が、チェンライの慰霊祭の話にそれはいいことです、と即座に賛意を示したと聞いた。日本保守党の一種のブームといい、若い人の戦没将兵への思いといい、日本と日本国民にいくらかの希望を見出しているところである。