チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

手足を縛って泳げというのか

f:id:hidenaka24:20200410194913j:plain

 

f:id:hidenaka24:20200410195002j:plain

 

f:id:hidenaka24:20200410195041j:plain

 

f:id:hidenaka24:20200410195123j:plain

 

f:id:hidenaka24:20200410195156j:plain

 

f:id:hidenaka24:20200410195232j:plain

 

 

手足を縛って泳げというのか

 

■感染、感染、

仕方のないことながら、ニュースは武漢肺炎一色になっている。カルロス・ゴーンの逃亡劇、イランと米国の確執、原油価格の低迷、海上自衛隊のホルムズ海峡派遣、拉致家族問題などすべて武漢肺炎問題の陰に隠れてしまった。戦時応募工問題は日本人が韓国に対する興味を失ったので、どっちみちうニュースにならないが。

不要不急の外出と三密を避ける、手を洗う、うがいをする、このあたりは東京在住の善良な市民として守っているつもりだ。7日に安倍首相より非常事態宣言が出たから、さらに一般市民に対する要請が強くなるのだろう。それに応じて過度の同調圧力が高まる。

NHKラジオのMCがこの武漢肺炎の蔓延に関し、「ピンチはチャンス」と発言したため、多くの非難の声がスタジオに届いたという。「死んだ人にはチャンスなんかないんだぞ、死者に謝れ」、「武漢肺炎と戦っている人たちに心無い発言ではないか」、「自分が感染してもそんなことが言えるのか」云々。

当のMC(大越健介氏)は謝罪するとともに真意をリスナーに縷々説明していたが、弁解する必要はなかったと思う。どんな出来事であってもいい面、悪い面はある。円高、円安で損する企業もあれば、収益がよくなる企業もある。多少ひねくれた考えを持つ自分でも武漢肺炎の蔓延は良くないことだと思う。でも悪いことが起こればそれをばねにして、よき未来を切り拓く。これは真っ当な人の考え方であって、不運を嘆き、他者を非難するだけでは何も解決しない。周囲を暗くし、自分は鬱病になってしまうだけだ。


サプライチェーンの見直し
ユーチューブに登場するコメンテータの中には「ピンチをチャンスに」と呼びかける人は少なくない。マスクが手に入りにくいのは世界の医療用マスク生産量の85%を占める中国品からの輸入が細っているからという。人工呼吸器を増産しようにも部品が中国製のため、増産にストップがかかる。

また多くの医薬品が中国製の原料に依存している。米食品医薬品局(FDA)は27日、ウイルス流行の影響が及んだ地域から原料を調達できず、不足している医薬品が出ていると明らかにしている。こういった状況から中国に生産を委ねる危険を世界が思い知った、ということになる。中国から逃げ出す企業には日本政府から助成金が出ることになった。自国、あるいは友好国の中にサプライチェーンを作る動きが加速するだろう。国内生産に切り替えれば、就労者が増え、国民総生産が上がる。これはピンチをチャンスに変える一つの例ではないか。安く作れればいいってもんじゃないよ。

死んだ母はよく「安物買いの銭失い」と言っていた。親の忠告と冷酒はあとから効く。中国に雪崩を打って進出し、それを後押しした財界、政府は。この忠告をよく聞いてほしい。経済的メリットを追求するあまり、国民の生命、安全を守るという国家の原点を失いかねない。そういった危険を武漢肺炎は教えてくれた。

 

■リーダーシップを求めるなら
武漢肺炎との戦いを「戦争「と捉えている国は米国をはじめ多く存在する。戦争遂行のためには政府に強権の付与を認める、が民主主義国の常である。日本の野党、マスコミは安倍政権に強いリーダーシップを求めながら、一方では私権を重視せよという。これは人を縄で雁字搦めに縛っておいて、さあ、泳げというに等しい。

こんな時でも中国は海自護衛艦しまかぜに漁船をぶつけてきた。沖縄県尖閣諸島周辺をカバーする南西航空方面隊の緊急発進は空自の全体の過半、年間500回を数える。3月20日には中国海警局の船4隻がおよそ2時間にわたって日本の領海に侵入した。領海侵入は今年に入って5回目である。

経済的、政治的苦境を打開し、国民の不満をそらすために中国が、台湾、尖閣で軍事的挑発、あるいは軍事行動を起こすと警告する軍事評論家は少なくない。

武漢肺炎との戦争には日本国民は政府に私権を越える強制力を与えなかった。武力を伴う戦争が起こっても、しょぼい権力委譲しか認めないのであろうか。それともしっかりと「要請」すれば相手国は素直に聞いてくれるというのであろうか。

可愛そうなのは手足を縛られて泳がされる自衛隊の皆さんだ。武漢肺炎を機に改憲論争が進むことを祈ってやまない。ピンチをチャンスに、とはこういうことを言う。大越さんにもこう言ってほしかったが、NHKに勤めているのでは無理だろうなあ。