チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

危機感の差

危機感の差

 

■日本の春を満喫

家にはテレビがないから、情報収集はネットかラジオから。ネットのニュース解説はチェンライで視聴していたものばかり、タイでも日本でもやっていることは変わらない。

家の隣は小公園なっていて、満開だったソメイヨシノの花びらが風に舞って、開け放した窓から室内に入り込む。掃除機をかけるのがもったいない気がしてはなびらはそのままになっている。青空にはらはらと散る桜を見るのは何年ぶりか。

 

チェンライは今、暑季、気温は40度近い。 空気中の微粒子を測るPM2.5の指標は健康に危険のレベルをはるかに越えた350、太陽が赤く見える。チェンライの暮らしも悪くはないが、4月は、やはり麗らかに空気の澄んだ日本に軍配が上がる。

パソコンなどほおって、桜吹雪のシャワーを浴びに目黒川の岸べに行きたいところであるが、都から外出自粛の要請が出ている。2,3日前、桜が満開だった目黒川を3時間散歩したからまあいいか。写真も何十枚も撮った。さすがに酒盛りをしていた人はいなかったが、カップルや子供連れのお母さんなどが頭上を見上げながらのんびりと歩いていた。

 

■全土封鎖

タイでは全土に夜間外出禁止令が出された。違反者は逮捕され、2年未満の禁固、4万バーツの罰金刑に処せられる。国際便は勿論、国内便、長距離バスは軒並み運休となっており、県境を越えることもままならない。全土封鎖だ。

4月4日午前の発表では感染者は2067人、死者は20人となっている。強硬手段を取ったせいか、1日の新たな感染者数は2桁に落ちた。

 

日本でも早く「非常事態宣言」を出せ、政府はリーダーシップを示せ、とマスコミ、野党は安倍批判に躍起であるが、タイのような独裁国家と違って、実効を伴う強権発動はできない。極端かもしれないがフィリピンでは夜間外出禁止を守らなかった60代の男性が警官に射殺されている。ドゥテルテ大統領のリーダーシップが顕われているが、野党の望むリーダーシップとは何だろうか。

 

以下は4月4日付産経抄、自分の言いたいことを簡潔に述べてくれているので引用したい。

(引用開始)

 新型コロナウイルスの感染者が、世界全体で100万人を超えた。死者も5万人以上に上るが、収束・終息の見通しは立たない。われわれは今、間違いなく歴史に残る災禍のただ中にいる。にもかかわらず国会の危機意識のあまりの希薄さに空恐ろしさを覚える。

 ▼国会質疑では、安倍晋三首相が改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言をいつ出すのかに焦点が当てられている。私権制限につながるとの懸念が出ているが、実はできることは限定的で、政府内には「宣言しても何も変わらない」(首相周辺)との見方もある。

 ▼感染症対策で最も効果的なのは人の移動制限だとされる。ところが、特措法でできるのは「みだりに外出しない」などの「要請」にすぎず、現状でもやっていることである。諸外国の同様の宣言とは名称が似ているだけで中身はまるで異なる。

 ▼もちろん、宣言には一定の引き締め効果はあろうが、根本的な解決策はとれない。なぜそうなのか。やはり憲法に、緊急事態条項がないからだろう。長島昭久元防衛副大臣は1日、ツイッターに記した。「一時的にせよ私権を制約する立法を可能とするには憲法に根拠規定がなければならない」。

 ▼賛否は分かれるにしろ当然、衆参両院の憲法審査会で議論されるべきテーマである。ところがなんと今国会では、審査会も審査会開催の日程などを協議する幹事懇談会も一度も開かれていない。立憲民主党など野党が反対するためだが、その理由には開いた口がふさがらない。

 ▼「コロナ対策があるので応じられない」。コロナ禍に有効な手立てを打つための議論は、コロナ禍が収まるまではしないと真顔で主張する。こんな連中を古来、税金泥棒と呼ぶのである。(引用終わり)

 

■誰がどうやって

日本国民の命を守るのは公正と信義を重んじ、平和を愛する諸国民でも米国でも中国でもない。日本政府だけが日本国民を守ることできる。それなのに国民の生命、財産、安全が脅かされていても、政府は法体系からして確固たる手段が取れない。野党は共同体が崩れても個人の私権を守るべきだという。憲法あって国滅ぶ。

武漢肺炎は数々の災厄をもたらしたが、一つだけでも良いことがあるとしたら、誰がどうやって国を守るのか、そのためには何をしなければならないか、という問いを我々にぶつけてきたことだと思う。タイの批判をすることがあるけれど、タイの方が官民一丸となって武漢肺炎と戦っているように思う。