チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

映画は映画館で

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故宮博物院の仏像から

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映画は映画館で

 

■銀幕派

映画が好きである。3月の中旬に東京にやってきて4月にかけて8本の映画を見た。題名を順にあげれば、「フクシマフィフティ」、「パラサイト、半地下の家族」、「黒い司法、0%からの奇跡」、[ボヘミアン・ラプソディ」」、「リチャード・ジュエル」、「ジョーカー」、「テルアビブ・オン・ファイア」、「ロングショット 僕と彼女のありえない恋」の8本である。最初の4本は品川のTジョイPrinnceで、あとの4本は目黒シネマ、それに飯田橋ギンレイホールの2本立てで見た。

 

映画ファンの中にはDVDやネットで片端から映画をはしごするという人もいれば、わざわざ映画館へ足を運んで映画鑑賞を行うといういわゆる「銀幕派」もいる。もちろん自分は銀幕派だ。タイなら封切館で200円ほどで見ることができるが、日本なら字幕があるから安心だ。シニア料金1200円であるが、日本で見る映画に支払うお金は決して惜しくない。

予告編や「結婚指輪は月収の3倍が目安です」といったCMが終わり、画面が左右に広がってさあ、これから映画が始まるぞ、と言った瞬間が好きだ。

ボヘミアの平原を渡る風の音、かすかな吐息、木の葉にあたる雨音、遠い汽笛、夜のしじま、満天の星・・・。映画館の暗い空間は、スクリーンの中の世界に観客をそっと包み込む。体で感じるような大きな衝撃音だけでなく、かすかな音の再現性、そこから生まれる緊張感。やはり映画は、暗がりのシートに身を潜めて、スクリーンの世界と一体となれる映画館で観るに限る。

 

ボヘミアン・ラプソディ

映画の良さの一つに、登場人物に共感し、感情移入して同じ人生の一コマを共有できることがある。自分のようにごく平凡な人生を送った人間でも、無実の罪で死刑囚になった人の気持ちとか、スーパースターの苦悩を疑似体験できる。

ボヘミアン・ラプソディは伝説のロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーが主人公の映画だ。まだ自分が若手社員だったころ、おそらく1980年代前半だと思うが英会話教師がクイーンの雑誌記事をもとに、熱くこのロックバンドを語っていたことを思い出す。映画の中では聞いたことのある曲が流れていたが、それほど興味を持って聞いていたわけではない。

フレディ・マーキュリーバイセクシュアルで1991年に45歳でHIVによる肺炎で亡くなっている。映画の中で、彼が男性とベロチューを交わす場面があって、思わず顔をそむけた。LGBTとまっすぐに向き合っているということもこの映画の評価を高めているという。LGBTに寛容なタイに長く暮らしているが、やはり男同士のキスにはついていけない。クイーンは1985年、20世紀最大のチャリティコンサート、「ライブエイド」に出演した。10万の観衆を熱狂させたこのライブシーンがこの映画のクライマックスとなっている。全世界が熱狂!感涙!喝采!魂に響くラスト21分!と解説にはある。

映画鑑賞後、ユーチューブでライブエイドの実写を何度も見たが、舞台を駆け回るマーキュリーが何となくホモっぽくて、なんだかなあ、という気になった。偏見があり、それよりまず、それほどロックが好きでない、ということだろう。

 

■人それぞれ

音楽ジャーナリスト、アマンダ・ペトルージックの映画評から。

クイーンが嫌いな層というのは確かに存在する。自己陶酔しすぎだし、押し付けがましいというのだ。ただ個人的には、そういう人たちは少しばかり社会から浮いているのではないかと思っている。

クイーンに対して否定的な意見をもつ人は、ヴォーカルのフレディ・マーキュリーについてあれこれ言いたがる。マーキュリーが卓越した歌唱力の持ち主であることは間違いないが、オリジナルメンバーの4人(マーキュリー、ギターのブライアン・メイ、ベースのジョン・ディーコン、ドラムのロジャー・テイラー)は、全員が非凡なミュージシャンだ。

アルバムはどれもドラマチックで過激で、夢中にならずにはいられない。1973年のデビューから1986年の最後のツアーまで、どの曲も聴くたびに、自分が生きていることがうれしくてたまらなくなる。クイーンのヒット曲を聴けば、いつでも即座にやる気が出てくるのだ。(引用終わり)

とはいえ自分も、マーキュリーが「ぼくは死にたくない、ときどき自分なんか生まれてこなければよかったと思う、ぼくがいなくなっても母さんはこのまま普通に暮らしてね」とボヘミアン・ラプソディを叫ぶように歌ったとき、なぜか胸が熱くなった。

 

映画鑑賞を楽しみにしていたのに、緊急事態宣言で東京の映画館が一斉に休館になってしまいました。