チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

台湾に学ぶ

 

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山中湖の近くから

 

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道端の花

 

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ラベンダーか?

 

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紫陽花

 

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とんぼがいた

 

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つりがね草

 

台湾に学ぶ

 

■先見の明
世の中には本能的に本質を見抜く人がいる。武漢肺炎騒ぎでもいち早く1月の時点で中国人観光客の流入を止めるべきだと言った人の中には、自分が知っているだけでも百田尚樹、有本香、高須クリニックの高須院長がいる。野党の幹部はインバウンドを止めるなんて観光業が困る、とんでもないと発言し、国会ではさくらとかモリカケの質疑を続けていた。日本政府が新型コロナの感染拡大を受け、中国人の入国制限措置を導入したのは3月9日、それをすべての外国人に適用したのは4月3日、水際作戦に失敗したと言われても仕方ない。

武漢肺炎抑え込みに成功した台湾は、日本より1月以上早い2月7日に中国全土からの入国を禁止している。この2月の時点で、世界での武漢肺炎の感染者1400万人、死者60万人(7月18日現在)を予想した人はいなかった。しかし、台湾政府には本質を見抜く人材が揃っていて、中国本土からの入国禁止と共に感染拡大を予測して官民挙げて、マスクをはじめとする医療物資の増産に手を打った。台湾の武漢肺炎感染者は500人弱、死者は7名に過ぎない。

1月に早くマスクを買いに行ってください、品不足になる、と百田尚樹氏のように警鐘を鳴らした人は、残念ながら安倍政権の中にはいなかった。
初動作戦の失敗にも拘らず、日本の感染者2.3万、死者は1000人弱という状況はまあ不幸中の幸いである。

■迅速なマスク対応
中国に忖度してか、ウィルス対策を台湾に学ぼう、という声はあまり聞かない。5月22日付、台湾、『今周刊』 から、台湾の武漢肺炎に対する初動動作を抜き書きでまとめてみたい。以下、『今周刊』より。
武漢肺炎の感染拡大以来、各国でマスクが十分に供給されない状態が続く中、台湾が迅速に取り組んだマスク対策は世界に強烈な印象を与えた。

台湾のマスク対策と聞けば、真っ先に名前が挙がるのが天才デジタル大臣こと唐鳳(オードリー・タン)氏によるマスク管理アプリだろう。だが、台湾のマスク対策の成功の要因はITだけではない。約3カ月という短期間にマスク生産力を10倍以上に向上させ、供給力を大幅に増強させた。
新型コロナ流行前、台湾の1日当たりのマスク生産量はわずか188万枚だった。これを4月末までに1700万枚超に押し上げ、生産量は中国に次いで世界2位へと躍進した。その後も増産は続いており、4月下旬には台湾政府が日本にマスク200万枚を寄贈している。

経済部(経済産業省に相当)民生化工グループ長の洪輝嵩氏によると、2019年11月末に中国で「原因不明の肺炎」が発生した頃、台湾政府はすでに警戒を高めていたという。12月中旬には、中国で新型肺炎の確定例が増加。台湾では2020年1月21日に初めて感染者が確認された。台湾ではここから感染拡大に関するあらゆる措置がスタートした。

その裏で洪氏が行っていたのは、台湾における医療物資メーカーのリストアップだ。医療物資にはマスクのほか、消毒用アルコールや耳式体温計、防護服などが含まれる。感染拡大防止策を担う国家衛生指揮センター(NHCC)が本格稼働する際に、すぐに動けるように準備をしていたのだ。

■官民一体
その後、予想されていた通り武漢肺炎は世界中に広がり、台湾ではマスクを求める市民がドラッグストアなどに列をなした。この状況をみて経済部は、政府主導によるマスクの増産を決定。台湾で2社しかないマスク製造機のメーカー「権和機械(以下、権和)」と「長宏機械(以下、長宏)」に1.8億台湾ドル(約6.4億円)を投じ、マスクの生産ライン60本に相当する60台のマスク製造機を発注した。

しかし、零細企業の権和、長宏では60台ものマスク製造機の納入には半年以上かかる。これでは時機を逸してしまう。
ここで、台湾の工作機機械メーカーが立ち上がった。30社以上、延べ2200人以上のエンジニアが権和、長宏に送り込まれた。作業マニュアル作り、工場の配電工事から始めるゼロからの出発であったが、60台のマスク製造機をわずか25日で完成させ、納品した。
各企業から送り込まれた精鋭は「マスク国家チーム」と呼ばれ、台湾国民の称賛を浴びた。
平時はライバル企業であっても技術者たちはチーム一丸となって期待に応えた。工作機械メーカーの団体理事長を務める許文憲はここで示された団結力は台湾工作機械の将来に大きく寄与するだろうという。

日本では現場の医師、看護師、医療関係者の献身的努力のおかげで感染拡大を防ぐことができた。現場は頑張った。でも日本でも官民一体の先見的活動が行われていたら、台湾並みには世界に貢献できたのではないか。