チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェントンバス旅行(5)

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チェントンバス旅行(5)

■温泉の続き
前回は何とも色っぽい温泉をご紹介した。もちろん女の子を呼ばなくても一人でも入れる。この温泉の源泉は1キロほど離れた田んぼの中にあった。5m四方のコンクリート製の熱水槽に熱湯が湧きかえっている。湯気が立ち上っていて遠くからでも源泉と分かる。熱湯はコンクリート製の水路ではるか離れた温泉棟へと導かれる。流れている間に温度が下がる仕組みだ。熱水槽の周りの田んぼの中にお湯が沸きだしている場所がいくつもあった。タイの温泉であれば、茹で卵用の卵を得る店がいくつもあるが、ここは土産物店など1軒もなかった。

もう一つの温泉はチェントンの城壁のあるナウンパー門方面にある。ホンカンさんのバイタクで街の中心から15分ほど、右に曲がればモンラ―方面という道を直進し、川沿いに山を登っていく。10年ほど前に行った人の情報では川を車でバシャバシャ渡った、雨季には増水して温泉まで辿りつけない、とあった。さすが2019年には橋ができていて、バイクで川を横切る必要はなかったが、眼下に川を見下ろす道は結構スリルがある。

やがてバイクは山間に拓けた大きな公園に来た。芝生の広場には家族連れや若い人のグループが茣蓙やシートを広げて飲食していた。少し小高い場所には数軒の飲食店が見える。中国正月の時期にはこの広場が花見時期の上野公園の如く、シートで埋め尽くされるという。飲んで食べて温泉に浸かって、のチェントン野外健康ランドということか。源泉に浸ける卵や玉蜀黍を売る店もある。市民の憩いの場、健康的な場所である。

広場の入り口付近に温泉棟がある。大小の個室が並んでいる。ホンカンさんに15分だけ待っててね、と言って個室を借りる。入浴料金はミャンマー人1000チャット、外国人2000チャット(140円)。料金所ではタオル、石鹸等、入浴に必要なものを売っていた。
縦横200cmX80cm、 深さ50僂曚匹陵畫紊あって直径10僂曚匹稜朶匹来ている。バルブを回すと消火栓と同じくらいの水量で温水が噴き出した。あっという間にお湯が溜まる。かすかに硫黄の臭いがする。自分の行きつけ、チェンライのバンドゥ―温泉と同じ湯成分のようだ。短い時間ではあったが手足を延ばして湯船に浸かる、手足はすべすべ、温泉はやっぱりいいね。

■ルイモェー
チェントンは何もない街、行くだけ無駄です、という人がいる。しかし、どんな街にも見るべきところはある。何もない街というなら、何もないことがウリになる。チェントンは山に囲まれた盆地だから、トレッキングで山岳民族の村を訪ねるという楽しみもある。トレッキングの最後に温泉に入って疲れを癒す、というコースが外人に人気があるそうだ。高原であり、山があるということでチェントンは高い山のない国から来たイギリス人に人気の場所だった。チェントンから33キロ、標高1600mの山の上にルイモェーという村がある。ルイモェーは「霧に覆われた山」という意味を持つ。植民地時代、イギリス人はここを別荘地とした。今でも当時の建物が多く残っているという。

ホンカンさんのバイクは中国製で馬力がでない。エンジンが時折、スコスコと情けない音になったが、チェントンからの標高差800mを何とか登り切ってルイモェーに到着した。山岳民族の茅葺き屋根の家に混じって、場違いとも言える赤レンガ造りの洋館が点在する。大きな洋館は郵便局や病院として使われていた。小さな洋館には現地人が住んでいる。政府が2007年にリノベーションを行ったルーベン大佐邸が歴史的建築物として保存されていた。この建物の完成は1918年というから、20世紀になって建築された洋館が多いのだろう。
洋館にはレンガで作られた四角い煙突が付いている。標高1600mといえば日本では白樺湖蓼科高原志賀高原と同じくらいだ。いくらミャンマーでもこれくらいの高度になれば乾季は寒くて暖炉が必要だろう。イギリス人は山上からの眺望と故国と同じ位の寒さを楽しみにやってきたのではないか。

自分が訪れた3月は、チェントンも煙害のために山上からの眺望は白く霞んでいた。ルイモェーには白樺湖ほど広くはないが大きな池があって中央に橋が架かっている。池の周りは遊歩道があり、遊歩道の上の丘には洋館がいくつか見える。いわゆるSNS映えのする写真が撮れるところだと思う。池のほとりには数軒の土産物店と食堂があった。これでチェントンから観光客が来ることがわかった。しかし、ホンカンさんに聞くとこの村には宿泊施設は全くないとのこと。標高1600mに位置する湖、赤レンガの洋館、冷涼な気候、観光開発の手は及んでいない。なんか勿体ないような気になった。


写真は源泉と導水路、健康的温泉地、温泉卵を作る人も、ルイモェーの洋館、ホンカンさんとバイク、標高1600mの池