チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェントンバス旅行(2)

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チェントンバス旅行(2)

■タチレクへ
メーサイに到着して先ず、我がスクータ、フォルツァを預ける。ワントンホテル横の街で一番大きな駐車場だ。1日80Bと言うから安くはない。しかし安全のためには仕方ない。3日分を前払いで支払う。その足で国境へ、向かって左側にあるタイ国の入管事務所で出国手続きをする。サイ川に架かる橋を渡って道路右側にあるミャンマーの入管事務所で入国スタンプを押してもらう。自分より後に入ってきたのに、割り込んで手続きしようとしていた中国人グループがここでビザ代金を払わされていた。自分はビザ免除であるから、彼らより先に出る。でも入管事務所の先にある部屋に呼びこまれ、どこに行くのかと聞かれた上、旅券番号をノートに書き写していた。何の意味があるのかわからない。

一連の出国手続きを終え、ミャンマー領に入ったところがタチレクのターロットマーケット入口となる。衣料品、煙草、電気製品、履物、妖しげな薬が売られている。メコンを下ってくる中国の貨物船で運ばれてくる商品が多い。昔はタイより安いと多くの買い物客で賑わったが、最近はメーサイのほうが安いという噂が広がって客数は減っているとか。軍政になって持ち出し制限が厳しくなったが、タバコ、洋酒、ワイン等は免税価格で買えるので、自分用に買って帰る人は少なくない。

マーケットは素通りしてバイタクのたむろする一角に行き、チェントン行きのバス乗り場、と告げる。オジさんが片手を出したので5千チャット(約100B)渡したら大喜び。50Bが妥当な価格だったようだ。でもバス停はいくつもあるし、バスのチケット売り場で切符を購入するまで機嫌よく付き添ってくれたから、別にいいかと思った。チェントンまでの乗車券は1万チャット(約700円)、ミャンマー人は半額の5千チャットだ。

12時発チェントン行きのチケットを手に入れたのが11時20分、近くの屋台で焼き飯を注文した時、あれ、タイとミャンマーって時差があるよな、と気づいた。食事をしている間にバスが出発してしまうかもしれない。慌てて店のおばさんに「今、何時?」。「11時くらいだよ」。タイと日本の時差は2時間、ミャンマーは2時間半、落ち着いて食事をとった。

■見飽きない風景
ミャンマーの車は右側通行、でもバスの乗降口は進行方向左にある。日本から輸入した中古バスだ。交通量の多い場所で降りたら、降りた途端に対向車にはねられる恐れがあるが、タチレクあたりでは車が少ないから大丈夫。車内はほぼ満員、外国人は自分だけのようだった。タチレクの街を出て1時間ほどすると左手に川が見えてきた。タイの川と同じくラテライトのせいで水が褐色に濁っている。この川を遡るように山道を登っていく。川は砂洲のある中流から次第に狭く、流れが早くなって、岩を噛む白い水飛沫が見える渓流に変わり、更にはせせらぎと言っていいほどの小川になっていった。川の両岸には山が迫っているのであるが、わずかに山に向かってなだらかな傾斜地があり、そこには棚田が拓かれていた。「耕して天に至る、以て貧なるを知るべし」と述べたのは清国の高官だったと思う。でも長年にわたる素朴な稲作への努力が、全体として美しい曲線模様を描いて、見るものを感動させる。雨季になれば田植えが始まり、8月には稲刈りとなるだろう。その頃の風景を再び眺めてみたいものだ。チェントンまで150キロ、4時間ほどのバス旅行であるが、山と川、そして棚田、竹やバナナの群生を見ているうちに時間は過ぎていく。

■エンジンを冷やす
片側1車線乍ら、道は舗装されている。ただ山を削って道を通しているため、雨季にはがけ崩れもありそうだし、渓流を眼下に見下ろすところでは道の一部が川に落ちていた。3時間ほどしてモンビャクという中間地点に着いた。ここで休憩、簡単な食事をとったり、お土産を購入する人もいる。山から水を引いているのか、流しっぱなしの蛇口があちこちにある。広場の中央にある土管には常時、水が供給されている。バイクが次々にこの水場に集まる。そして水を備え付けのバケツに汲むと、熱く焼けたエンジンにジャブジャブと掛ける。マフラーにも掛ける。皆、洗車しているのかと思ったが、山道を喘ぎ喘ぎ登ってきたエンジンを冷やすのが主目的のようだ。

バスも後部エンジンルームを空けてバケツの水でジュ―と冷やす。そう言えば山道の途中に湧き水のある場所で停車し、車掌の男の子がエンジンに水を掛けていた。エンジンを冷やすと馬力が回復するのだろうか。ミャンマー特有の習慣かもしれないが、エンジンにヒビが入らないかと心配になる。


チェントン行きバス、サイドに「貸切」の文字。バスの窓から。北タイ、ミャンマーシャン州位置関係