チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

自然災害

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自然災害

■お見舞い申し上げます
先週は2つの大きな自然災害が日本を襲った。一つは4日、徳島県南部に上陸後、紀伊水道を通って大阪湾に入り、大阪湾に記録的な高潮を発生させた台風21号、もう一つは6日未明に発生した北海道震度7地震である。被害にあわれた方々にはお見舞いを、また亡くなられた方々とご家族には心からお悔やみを申し上げたい。

台風21号は最大瞬間風速60mという今世紀最強の台風だった。風で車が横転したり、太い木が折れ、電信柱が真横に倒れてしまうなどの被害も相次いだという。関西電力によると、近畿6府県と福井、三重両県の一部で延べ218万戸余りが停電した。

北海道震度7地震では一時的に道内全域で295万所帯が停電したという。今回の停電の発端となった苫東厚真火力発電所(北海道厚真町)は、北海道電力で最大の火力発電所であり、3基の能力は計165万キロワット。地震で停まり、北電は、この時点で供給力の半分以上を一気に失った。需給のバランスが崩れ、その影響がほかの発電所にも及んで停止。道内全域の停電に追い込まれた。民主党時代、菅首相が安全性が実証されないという理由で日本中の原子力発電所を停めてしまった。北電には泊原発、加圧型軽水炉、出力207万キロワットがあるが現在休止中。もし泊原発が稼働していたならば道内全域のブラックアウトは避けられた、という専門家がいる。
世の中、絶対に安全ということはないが、高い油を買わされ、ぎりぎりで回している日本の発電事情を考えると、原発の稼働も視野に入れるべきではないか。

■チェンライの停電
日本では停電はまず起こらないから、いざ停電となると大騒ぎだ。チェンライでは停電は時折ある。強烈な雨と共に稲妻が四方八方で光り、耳をつんざくような雷鳴があると、ストンとあたりが暗くなる。パソコンは使えない。携帯のネットもつながらなくなる。あー、と言ってベッドにひっくり返る。それ以外やることはない。でも概ね30分くらいで復旧する。タイの電力会社も頑張って復旧作業をしているんだな、と感心する。市内で交通信号が全く点灯しないことは時折ある。日本だったら警官が出て交通整理をすると思うが、こちらではよくあることなので、4方向の車が譲り合って阿吽の呼吸で交差点を通り過ぎていく。却って信号がない時のほうがスピードを出さないから安全という気がする。

落雷による停電は比較的少なくなったが、団地内の電気工事のため半日ほどの停電は時折ある。町内会長のナ―さんが団地放送で明日、10時から4 時まで停電です、と知らせてくれる。停電だと家にいても仕方ないので、近くの温泉で時間をつぶしたり、時には1泊旅行に出かけてしまう。
タイだなあと思うのは電気工事の進み具合によって、停電時間が2時間くらい延びてしまうことだ。冷凍庫の中身が融けないかと心配になるが、被害が出たことはない。

■災害は起こらないけれど
チェンライ県は東ヒマラヤ山系の端に位置しており、造山活動は活発で温泉も出る。更に活断層が3つあるので地震が起きる。2011年3月にミャンマー震源だったがM6.8の地震があって、タイで初めての地震による死亡者2名を出した。また2014年5月にはチェンライ県メーラオでM6.3の地震があって、2名が亡くなっている。
震度でいえば3から4でそれほど大きな揺れではないのだが、こちらでは細い鉄筋を1,2本入れ、コンクリブロックを積み上げて2階建ての家を建てる。震度7ならチェンライの建物の9割は倒壊すると思う。台風21号の風速60mでも倒れるはずだ。チェンライではスコールの前に15mほどの突風が吹くがこんな風でもコンクリート製の電柱が傾く。30mの風が吹いたら木も電柱も全部倒れる。停電になっても日本のように2,3日で復旧するとは思えない。

自然災害に対する備えはないと言ってもいい。というより日本のような自然災害が起こったことがないのだから、備えも必要ないということか。アジアでも南米でも地震、ハリケーン津波など地獄のような自然災害はあるが本当の地獄は自然災害のあとにやってくる。インフラの途絶えた暗黒地帯を強盗や人殺しが跋扈するからだ。女性は強姦され、わずかな食物は奪われ、伝染病が蔓延する。老人、子供、弱いものから死んでいく。

日本のように、国や自治体が援助の手をすぐに差しのべてくれる国は少ない。更に災害のさなかでも国民同士が助け合って、人の心をお互いに思い遣る国は世界にほとんどない。災害があっても祖国日本に戻るか、災害はないがチェンライで暮らし続けるか、思案のしどころではある。



写真上3枚は台風21号関係、下3枚は北海道震度7地震から