チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

シーテープ歴史公園(3)

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シーテープ歴史公園(3)

■ツーリング最初の夜
有り難いことにタイは至る所にホテルがあって概ね予約なしで宿泊できる。国道沿いに大学があり、ちょっとした街になっていた。この日はそこで眼に付いたクレジデントホテルという中級ホテルに投宿した。一泊朝食付きで550B、自分の基準からすれば高くもなく、安くもないという範囲である。ホテルの近くにいくつか食堂があるのがいい。タイにもラブホテルがあるが、入り口が曲がっていたり、車庫にカーテンがかかる構造となっている。それにこの手のホテルの周りには食堂がない。

それにしても自分の方向音痴ぶりにはがっかりする。旅に出る前に何度もグーグルで確かめ、ここで左折と書いた地図を準備していたにも拘らず、左折すべきところを右折してしまった。まあチェンライから南に下って行けばいいだけの話だし、遠回りになってしまいましたね、となじる同行者がいないから、特に問題はない。それに「道に迷っているばかり」は我が人生の通奏低音、今回のツーリングに限ったことではない。

ホテルにはクーラーが付いていた。我が家ではクーラー無しで寝ている。設定温度25度だったのに夜中に激しいくしゃみと咳で飛び起きた。慣れない冷房で突発性の感冒に掛かったらしい。先が思いやられる。

■南国の道路はレモンイエロー
ツーリング2日目、朝8時前にホテルを出る。地図によると現在地は目的地シーテープよりいくらか西寄り、ピサンヌローク郊外、三角形の2辺を通るように東へ戻れば予定していた国道に戻れる。ヘルメットをかぶった途端に鼻水が流れ落ちた。鼻をかみながら走ることはできない。トイレットペーパーを団子にして鼻の穴に詰め込んだ。

途中、ピチットの近くでチェンマイバンコク間の線路を横切った。方向として間違いはない。気温が上がってくる。このあたり内陸部でタイ国内でも気温が高いことで有名な地域だ。100キロで飛ばしても体にあたる風は生温く、爽快なツーリングとは程遠い。街中の信号で停止すると汗がジワリと噴き出す。スタート直後は蒸発熱で一瞬、涼しく感じる。こんな時は脱水症状、熱中症にならないよう小まめに水分を補給する。年を取ると脱水の自覚症状が無くなり、気づいたときは手遅れ、という記事を読んだことがある。このあたり、チェンライから500キロくらい南にある。東京から八丈島の倍の距離、暑いはずだ。

チェンライではまだ咲き初めだったオレンジイエローのチャイヤプルックの花が満開になっている。道路の両側はチャイヤプルックの並木が続く。そのゴールデンシャワーで眩いばかりである。これは絵になる、フォルツァを停めて写真を撮ろうかな、と思ったが、I さんのひたすら目的地を目指してまっしぐら、の求道ツーリングスタイルを思い出してそのまま走り続けた。

■もう迷わない
やがて21号線に入った。ここを南下してシーテープの標識があったらそこを左折して7キロ行けば目的地に着くはず。間違いはないとは思ったが、たまたま停車していたトラックの運転手に歴史公園の道を尋ねる。鼻に鼻紙を詰め込んだ異様な外人に突然話しかけられて面食らったようであるが、「ここから約30キロ、標識を左に曲がる」と教えてくれた。タイで道を尋ねても答えは適当で信用ならないと言われているが、彼の言う通り、30キロ走ると歴史公園に曲がる2219号線が現われた。信頼できるタイ人だっている。

2219号の道路両側には踏みしだかれた草とも竹ともつかない乾いた植物が散乱していた。やがて道路右側に広大な駐車場と工場の煙突が見え、甘い匂いが漂ってきた。製糖工場だ。工場に搬入するサトウキビを満載したトラックが千台以上駐車している。道路際に散乱した乾燥植物はトラックから落下したサトウキビがあとから来た車に轢かれ、道路際に弾き飛ばされたものだった。
そういえばタイは砂糖の輸出国としては世界第2位、生産量でも世界第4位の砂糖大国ということを思い出した。スプーン印の日本語が書かれた1キロ入り砂糖袋をスーパーで見かけたことがあるから、日本もタイの砂糖を輸入しているようだ。

やがてシーテープ歴史公園と書かれた看板が見えた。時計は11時少し前を指していた。やっと着いた。はやる気持ちを押さえて、スクータから降りて看板の写真を撮った。公園入口に向かう途中に茶色い水をたたえた濠と一段と高い土塁があった。濠と土塁は長く続いており、公園全体を取り囲んでいるように見えた。これが環濠都市と言われる所以かと暫く見入ってこれも写真に収めた。(続く)


写真は1泊550B朝食付きホテル、チャイヤプルックの花、公園入口、公園を囲む濠