チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

天国を見たければ

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天国を見たければ

■こっそりと
アネクドートとはロシア語で政治的小話をさす。ソ連刑法58条では反ソ的プロパガンダには最高で死刑を適用できた。だからソ連時代に市民が政治的ジョークを話すことは160キロでバイクを飛ばすほどスリリングで危険なことだった。

モスクワの街頭にて。
「今度『プラウダ』が懸賞つきで政治ジョークを募集するらしいぜ。」
「へえ、一等賞はなんだい?」
「シベリアへの長期休暇さ。」

ウズベキスタン旧ソ連だった。1989年からウズベキスタン共産党中央委員会第一書記だったカリモフ氏が1991年にソ連崩壊に伴って独立したウズベキスタンの初代大統領に就任し、2016年に死去するまで27年間にわたって政権を掌握していた。自分がウズにいた10年前はカリモフ大統領の全盛期、共産主義の時期からの独裁者だからウズの人々は政治批判などできなかった。だからその分、こっそりとアネクドートで憂さを晴らしているところがあった。
小話のいくつかはまだ覚えている。

この世の天国を見たければウズベキスタンの新聞、テレビを見よ、この世の地獄を見たければウズベキスタンに住んでみよ。

ウズのマスコミには政府の批判記事はもちろん、犯罪の記事さえ載らない。テレビでは橋の完工式や文化イベントで演説する大統領の姿ばかり。善き為政者の下で国民は幸せ(のはずだ)。でも実際は国民の半数は1日2ドル以下で暮らす貧困に喘いでいる。

■マスコミの歪み
なぜこんな小話を思い出したのかというと、昨今の日本における報道にソ連やウズのマスコミに似たゆがみを感じるからである。ウズの小話のもじりであるが。

この世の地獄を見たければ日本の新聞、テレビを見よ、この世の天国を見たければ日本に住んでみよ。

先頃、国会閉会中に開かれた加計学園問題参考人質疑に関する報道で、朝日、NHK等の一部メディアでは前川前文科事務次官の言い分を一方的に流すだけで、彼と真っ向から対立する加戸前愛媛県知事の証言を全く無視した。獣医学部増設では安倍首相の友人である加計学園がトクをした、これでは疑念は晴れません、これがNHKの解説委員の結論だった。朝日を読みNHKを見ていたら日本の政治は真っ暗と感じてしまう。

真偽は不明だが、加計問題の裏には、どうにかして安倍首相を引きずり下ろして改憲を阻止しようという外国勢力の策謀が働いているのだ、という見方がある。そういえば「支持率が下がったのには訳がある」と安倍批判の声を上げている石破さんがマスコミに登場する機会が増えた。こういう時こそ、安倍さんを支えようと言えば石破さんの株も少しは上がったかと思う。でもあの暗い顔つきで消費税増税財政均衡優先、財政支出抑制策を打ち出されては日本経済は再びデフレ不況に陥ってしまう。外国勢力並びに一部の報道機関、リベラルの人たちは安倍首相をこき下ろし、石破さんを担いで日本の国力を削ぐことに邁進しているように思える。

■タイに住んでみよ
3年前の軍政移行以来、タイの政治ニュースは少なくなったが丹念に検索すると以下のような記事を読むことができる。

国際人権連盟(FIDH)は8日、タイのプラユット軍事政権下で不敬罪で逮捕された人が105人に達したと発表した。このうち49人は最長で30年の禁固刑を受けた。64人は裁判でこう留中。
FIDHは逮捕者の多くが民主化活動家、軍政の批判者で、いったん逮捕されると保釈が認められることがまずないと指摘。タイの司法システムが著しく公正さを欠いていると批判した。
 タイの不敬罪は有罪の場合、1件につき最長15年の禁錮刑が科される。2014年のクーデターで発足したプラユット軍政は不敬罪による取り締まりを強化し、民主政権下で問題とされなかったケースも遡って摘発。軍法会議による短期間の裁判で数カ月から数十年に及ぶ禁錮刑を次々に下し、国連や欧米諸国から強い批判を浴びた。

タイ軍事政権傘下の非民選暫定国会「立法議会」は16日、インターネット上の情報の取り締まりを強化するコンピュータ犯罪法改正案を賛成168票、反対0票で可決した。当局が裁判所の令状なしでインターネット接続業者に利用者の情報提供を要求できるようになるなど、インターネットの監視を強化する内容。

他にも学校の裁量で有力者や金持の子弟が入学できる制度の改革、賄賂による犯罪見逃しの是正など社会的不正義の告発が遠慮がちに書いてある。

日本ではどんなに政権を誹謗中傷しても逮捕されないし、社会的正義は行き渡っている。タイに比べれば日本は天国と言ってもいいのではないか。



写真はパヤオのワット・シー・コム・カムとパヤオ