チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

タイの報道威圧

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タイの報道威圧

■これが威圧?
安倍晋三首相に近い自民党議員が6月25日に開いた勉強会「文化芸術懇話会」で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連などに働きかけしてほしい」といった発言が報道機関への威圧的な発言として問題になっているという。作家百田尚樹氏の講演の後の質疑応答で出た発言だが、百田氏は、確かにあの新聞は潰さなあかんのですけどぉ、と答え、笑いの中で終わりになっている。

これが何故、報道機関への威圧なのかさっぱりわからない。朝日新聞なんか潰れて欲しいと書いたことがあるが、こういった考えを持ってはいけないのだろうか。
オフレコの内輪の勉強会、自由発言会だ。いろいろな意見があってしかるべきだし、極端な意見に対しては、それはどうかな、と反論も出るだろう。勉強会参加議員の総意として「沖縄タイムス琉球新報絶滅のための法改正を目指そう」という決議が採択された、というならまだしも個人の発言の一部を切り取って言論弾圧とは大げさな、と思う。
強大な権力がひ弱な報道機関を脅していると、まるで被害妄想に近いが、報道機関の力は一国会議員の比ではない。
たとえば「安倍の葬式はうちで出す」は報道機関の権力をかさにきた「威圧的な発言」に当たらないのだろうか。

安倍首相は国会で若手議員の発言を一応陳謝したあとで、「本当に萎縮しているなら報道機関にとって恥ずかしいことだ。萎縮するのは権力におもねろうということだ。常に権力に立ち向かう姿勢こそ求められている」と述べている。さらに「安倍政権では正式な記者会見から、どこかの会社を排除したことはない。報道の自由を大切にしている証だ」とも語って、報道機関や民主党を皮肉っている。


■タイの報道管制
タイは昨年5月にクーデタが起き、未だに軍政が敷かれている。今年4月に戒厳令は解除されたものの、暫定憲法44条により、集会の自由、報道の自由は制限されている。プラユット首相が、このメディアは反国家的と判断すれば、そのメディアは解散となる。「威圧的発言」どころではない。

事実、タイニュースクリップ4月29日付には「タイ軍政、タクシン派テレビ局の放送免許はく奪」の記事がある。

放送通信事業を管理監督するタイ放送通信委員会は27日、タクシン元首相派のテレビ局「ピースTV」の放送免許をはく奪した。
3月18日の放送に、国内に混乱、対立を生じさせる内容があったためとしている。ピースTV側は28日、免許はく奪の取り消しを求める陳情書を放送通信委員会に提出した。
昨年5月のクーデタでタクシン派政権を打倒した軍部は政治活動を禁止、報道統制を敷き、タクシン派の政治家、官僚、軍・警察高官らを粛清するなど、タクシン派弾圧を進めている。


■「この国に生まれ悲しい」 タイ軍政首相、メディアに恨み節
(ニュースクリップ6月25日より)
タイ軍事政権のプラユット首相は24日、バンコクで開いた記者会見で、メディアに対する不満を5分以上にわたり話し続け、最後は怒りを抑えきれないように声を荒らげた。
首相はメディアが毎日自分を攻撃すると主張。「これほどの仕事をしたのに、私が何を成し遂げたのか何も書かず、何の業績もないと書く」と批判し、「この国に生まれたら悲しいだけだ」などとこぼした。

 さらに、「「(メディアは軍政が)弾圧していると言うが、本当に弾圧しているのなら、こんなものじゃない。私もこんなに不機嫌にならずにすむ。
少しは私に遠慮してもいいではないかと思うが、そんなことは誰もしない。書きたいことを書き、批判したいように批判する」とうっぷんをぶつけた。

   この辺りから発言が勢いを増し、「命令されて悪く書いているのを知っているから、記者に怒ってはいない」「悪く書かないと金をもらえない」などと発言。記者が「給料をもらっているだけで、それ以外に誰からも金などもらっていない」と反論すると、「知るか! 君らはみんな金持ちだ」と怒鳴り、「書きたいように書けばいいだろう」「近々この国は破滅する」「給料もなくなる、国中に金がなくなる。好きなようにすればいい」なとといい散らした。

 発言の翌日、軍政に批判的なタイ字紙マティチョンは、沖縄の戦没者を悼む23日の「慰霊の日」に沖縄を訪れた安倍首相が「帰れ」などと野次を浴びた記事を掲載。「成熟した指導者の見本… 安倍は野次られても感情を表に出さなかった」と見出しをつけ、プラユット首相を皮肉った。(引用終り)

政治的自由度はタイより日本の方が格段に上だ。でも世界にはタイより格段に劣る国がいくつもある。